はじめに

PENTAXから新しいカスタムイメージが登場しました。その名も「Gold」。様々な風景をゴージャスな黄金に彩り、ムーディーな印象に変えてくれます。先日発売された「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」とのマッチングもバッチリ！ステキな色合いで撮影が楽しくなること間違いなし！さっそく試してみましたよ。

新カスタムイメージ「Gold」はどんな雰囲気？

素晴らしい色合いで定評のあるPENTAXのカスタムイメージですが、今回の新しいカスタムイメージ「Gold」を使用できるカメラは下記の通りとなります。

対象カメラ：PENTAX K-1 / K-1 Mark II（現時点）
パートナーレンズ：レンズの制限はありません
※ボディのファームアップが必要です

対象カメラは「現時点では」PENTAX K-1 / K-1 Mark IIとのことですが、これは将来に期待したいところですね。また、使用レンズに制限がないのはうれしいところです。まずはPENTAX K-1 / K-1 Mark IIを使っているフォトグラファーが、一足お先に使える新カスタムイメージになっていると言えるでしょう。

それでは注目の発色を見ていきましょう。

PENTAXによると
・青みを帯びたシャドー部
・ハイライト部に向かって黄色味を帯びていく
・トーンカーブでの特徴的な色づくり
とのことで、暖かくリッチで幻想的な色合いに仕上がるような設定になっています。

▼Gold
ゴージャスな黄金色が印象的ですね。

▼鮮やか
目が覚めるような鮮やかな発色になっています。

▼ナチュラル
文字どおり自然でクセのないカラーだと言えるでしょう。

▼雅
暖かで優しくほっこりしたカスタムイメージですね。

このようにどことなくノスタルジックで、太陽光をムーディーな黄金色に変貌させる、なかなか面白いカスタムイメージだという印象を持ちました。

カスタムイメージについてはリコーイメージング公式サイトにも詳しく掲載されています。ぜひ参考にしてみてください。

新カスタムイメージ「Gold」を試す

それでは「PENTAX K-1 Mark II」に話題の新レンズ「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」を装着して、新カスタムイメージ「Gold」を試してみましょう。絞り開放付近でシャッターを切ると、独特の虹色フレアと「Gold」の共演が楽しめましたよ。両方を組み合わせて使うと面白い表現ができることでしょう。

梅の実が干されていました。その様子を「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」の絞り開放で捉えました。前後の柔らかなボケの中に「Gold」で味付けされたピント面がフッと浮かび上がっています。とてもいい色合いですね。軒下の日陰だったのですが、フラットな光線状態でも趣のある発色になっています。

梅雨入り前の東京・渋谷スクランブル交差点をガラス越しに撮影しました。どんよりとした気だるい空の下でしたが、新カスタムイメージはそんな雰囲気をムーディーな印象に変貌させてくれました。

キャンプ場でのヒトコマです。焚き火の炭を片付けるキャリーの札をF1.4で撮りました。ハイライト部の黄金色と青みを感じさせるシャドウ部の感じが気に入りました。優しくてノスタルジックな雰囲気も演出してくれますね。

太陽をフレームに入れてヤギを狙いました。「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」の絞り開放F1.4での虹色フレアが美しいですね。新カスタムイメージ「Gold」はそのイメージをゴージャスに昇華してくれました。レンズの色づきも出ていますが、レトロなイメージには問題ありません。ポートレート撮影などでもこの組み合わせが活躍しそうですね。

木陰にスッと落ちる木漏れ日。こんな都市公園の水路に架かる橋でも新カスタムイメージ「Gold」は趣のあるイメージにしてくれます。コツとしてはホワイトバランスをデイライトにすること。オートよりも色合いがいい印象になります。RAWで撮影するとあとあとコントロールが容易になりますよ。

木々の葉も新カスタムイメージ「Gold」で撮るとこんな印象になります。緑に被さる黄金色は、新緑をしっとりと落ち着いた描写に変えてくれました。ボケ味もとてもこのカスタムイメージにマッチしていますね。「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」の味わいのある光学特性に心がときめいてしまいます。

金網越しに高速道路を見下ろして「PENTAX K-1 Mark II」のシャッターを切りました。散歩中の何気ないワンシーンですが、新カスタムイメージ「Gold」で撮ると、なぜか昭和レトロっぽく写ってしまうのです。

旅に「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」との組み合わせで持って行くと、とてもイイ感じの写真が撮れそうな予感がします。ひなびた温泉地とか最高かもしれませんね。

こちらも散歩中のカットです。公園の案内標識にシロツメクサで作られたリースがかけられていました。暖かみのある黄金色が、リースを作った優しそうな人の顔をイメージさせてくれそうです。

ブラブラと撮影散策をして美術館前でのんびりと休憩しました。その回廊と建物を撮りましたが、新カスタムイメージ「Gold」もなかなかいい感じじゃないですか。近代的な建築物もゴージャスな雰囲気で撮ることができました。今回はレンズの制約がないカスタムイメージなので、より広角なレンズなどでも撮ってみたいなあと思いました。

紫陽花を「PENTAX K-1 Mark II」と「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」の絞り開放F1.4で。優しくレトロチックな新カスタムイメージ「Gold」の色合いと、このレンズの絞り開放はまさにベストマッチに感じます。ソフトで上品なボケ味との組み合わせは本当に気に入りました。晴天時もいいですが、曇天や小雨時でも独特の色再現が楽しめるカスタムイメージになっていますね。

まとめ

新カスタムイメージ「Gold」はレンズを限定せず、多くの交換レンズで楽しめるところがいいですね。対応カメラボディは現在のところ「PENTAX K-1」と「PENTAX K-1 Mark II」ということですが、近い将来ほかのボディにもファームアップで展開されるのではないか？と思わせる、素晴らしいカスタムイメージになっています。

何よりも先日発売された話題のレンズ「smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic」とのマッチングが堪りません。絞り開放域での虹色フレアは、今までオールドレンズでしか味わえなかった楽しみを、新品の交換レンズで味わえるのですから！また優しいボケ味とのマッチングも上質で、多くのフォトグラファーの作品作りに貢献してくれるのではないかと感じています。

PENTAXのカスタムイメージは奥深く、自分でのセッティングも楽しいので、独自の色再現にチャレンジしてみるのもオススメですよ。

　

　

■写真家：三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。