オリンパス PEN EES-2|これは電池のいらないフィルムカメラ

杉本優也
オリンパス PEN EES-2|これは電池のいらないフィルムカメラ

はじめに

こんにちは。杉本です。

今回はOLYMPUSの名機PENのレビュー記事です。
PENシリーズはフィルムカメラの中でも人気のあるシリーズです。デザインがレトロでかわいい上に安価なものが多く、バリエーションも多いです。フィルム好きな方やフィルムユーザーなら一台持っているという方も多いのではないでしょうか。ついつい持ちたくなるイカした見た目をしています。今回も作例を交えつつスペックや機能をみていきましょう。

基礎情報

サイズは108×66×47mmです。重量はだいたい370g、フィルムやストラップを含めても400gくらいという感じでしょうか。実際に見たり持ったりしていただくと小さくて軽いのがよくわかると思います。ポケットに入るくらいのサイズですね。
ちなみに前回のCanon Autoboy TELE6と同様にハーフカメラです。むしろハーフカメラと言えばPENが代表格でしょう。

この先は少し歴史的な経緯と他の機種との違いについて触れておきます。興味のない方は読み飛ばしてください。少しややこしいです。

発売は1968年。なんと50年以上昔のカメラです。このカメラそのものは操作も仕様も非常にシンプルです。EES-2とありますが1959年に初代PENが登場します。この時はピントも露出もマニュアルで操作するものだったようです。見たことはあるのですが僕は使用したことはありません。その後1961年に自動で露出とピントを合わせてくれるPEN EEというカメラが発売されます。そしてピントを自分で選択できるゾーンフォーカスが搭載され、明るいレンズになったEESが1962年に発売されます。

そして1968年に底蓋を外さずフィルムを装填することができ、さらにホットシューやカウンターの自動復帰などが搭載されたEES-2が発売されます。レンズが交換できるFTや、その後EE-3やEFなども登場しますが、これ以上はややこしいのでここではやめておきます。

一応お伝えしておきますが、初心者が購入するならEE、EES、EES-2などの機種であれば問題なく扱えると思います。初代PENだけはカメラのマニュアル操作が分かる方向けだと言っておきます。友達にEEを使っている方がいますが、EEよりEESやEES-2の方がシャープに写ります。今風にいうと高画質っぽい雰囲気です。上記は調べた範囲では正確な情報と思いますが、僕はフィルムカメラのマニアではないので万が一間違っていたらすみません。また、このカメラは妻が購入したカメラで長く使用しています。僕が使うこともあるので今回は夫婦で撮った写真を使いレビューしていきます。

解像感が良いです

基礎情報(使用感)

使用感はもうシンプルの一言に尽きます。
まずこのカメラには電池が必要ありません。これはフィルムカメラを選択する上で非常にありがたい点です。仕組みを詳しくは書きませんがセレン式という仕組みが採用されています。微弱な発電をしてくれるパーツが搭載されています。レンズの周りをぐるっと囲っているガラスみたいなものがそれです。

F値は自分で選択することができます。AUTOと書かれたところにしておけば自動で合わせてくれるので好みで選択してください。
ISOはこの時代はASAという規格で、レンズの真上に数字を設定するところがあります。
このあたりはフィルム装填時に設定すれば、撮影中は気にしなくても撮影上困ることはそうそうないです。

F値とレンズの間にピントを決める場所があります。
一人のマーク、二人のマーク、三人のマークと山のマークで四つあります。
撮りたいものまでの距離が1mの時は一人のマーク、1.5mの時は二人のマーク、3mの時は三人のマーク、それ以上は山のマークにしてください。目算で大丈夫です。

赤ベロ

このカメラを語る上でもう一つ大切な特徴があります。それは「赤ベロ」という仕組みです。簡単にいうと暗い場所ではファインダー内に赤い表示が出てシャッターが切れなくなるという仕組みです。露出不足ではフィルムが無駄になってしまうので「この暗さでは撮れないよ」とカメラが判断した場合にシャッターが切れなくなる機能です。購入前に赤ベロが出るかどうかを確認してください。赤ベロが出てくれれば電池が生きている証拠です。このセレン式の電池は強い日光の直射や湿気に弱いらしいので、保管の際には日当たりのいい場所などは避けてください。赤ベロが出ない個体であれば基本的には購入しない方が安心です。

レンズは交換できない

PEN FTというカメラなどはレンズが交換できます。しかしこのカメラはレンズが交換できません。焦点距離は30mm、換算で43mmです。ざっくりですがiPhoneのカメラの1.5倍くらいのイメージです。レンズが小さいのも嬉しいポイントで、デジタルカメラと両方持っていきたい時に重宝します。ちなみに我が家にはPEN FTもあるのでこちらもそのうちレビューできたらと思います。

初心者向けのポイント

ギリギリ赤ベロが出ないくらい

初心者におすすめのポイントがいくつかあります。
まずハーフカメラである点です。36枚撮りのフィルムでは2倍の72枚を撮影することができます。単純にコストが半分になるイメージです。

操作も非常に簡単です。F値はオートにしておけば操作する手間を省くことができます。ピント位置をざっくり決める一手間のみで、あとは写ルンですとそう変わらない操作感です。
少しこだわって撮影してみたいと思った時には、F値を自分で決めればもう一手間加えることができるのでステップアップ感が楽しめるのも良いところです。

赤ベロのような失敗防止策と電池のない仕組みも推せるポイントになっています。いざ使おうと思ったら電池がないとか、電池室の蓋の破損等の故障とも無縁で長く使えるカメラになっています。繰り返しになりますが、購入時に赤ベロが出ることはご確認願います。

気軽さがいい

友達や旅先の景色を撮る時に緊張感なく撮影できるのは非常に嬉しいです。いい意味で雑に撮れるので、僕は何度も使える写ルンですのようなイメージで良いと思ってます。
またカメラが小さく普段写真に写り慣れていない方でも気軽に写ってくれます。思い出のかたわらに添えるのにはとても良いカメラだなと思います。

たまたま友達が持っていたので

よく一緒に旅に行く友達がPENのEEを使用しています。
実際にうちにあるPEN EES-2とEEではどれくらい写りが違うのか、写真を借りることができたので紹介しておきます。

2枚を1セットで出してもらったパターン
半分を1枚として出してもらうパターン
解像感はないがレトロな雰囲気はこちらの方が出る

EEの方がEES-2と比べて画質が曖昧なのがわかると思います。このようなエモさを撮りたい場合はEEがおすすめです。また、こちらにはピント位置を自分で調整する機能がありません。本当に写ルンですのような感覚です。もちろん露出はオートで合わせてくれます。

シリーズが豊富なPENですが、世代によって個性があるので一応こちらも掲載しておきたいと思い友達にお願いしました。どちらが良い悪いよりも好きな方を選べば良いと思います。基本的にカメラやレンズは善悪ではありません。好きかどうかです。

総合的に

PENシリーズはラインナップが豊富で見た目もかわいいです。また表のデザインが変わった個体も多く存在します。首からぶら下げていても可愛いのでそれも嬉しいですね。

また、人気のフィルムカメラですが個体数が多くまだまだ安価に手に入れやすいのも魅力です。もちろん現代カメラやレフ機のような自由度はないものの、それと引き換えに非常にシンプルな操作と構造を獲得しています。フィルムカメラを探している方やハーフカメラを探している方はぜひ一度購入を検討してみてください。楽しいカメラです。

発売からの年月を考えるといまだに動くのが不思議なくらいですが、大切に使われてきた個体が多いのか、そもそも丈夫なのか健康な個体が手に入れやすい部類です。フィルムは価格が高騰してしますがハーフカメラであれば倍の枚数を撮れますし、ぜひ皆さんも一緒にフィルムを楽しみましょう。ではまた。

 

 

■写真家:杉本優也
東京都生まれ東京都在住。妻を撮影し続けている活動がテレビメディアに特集されたことを機に、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。ライブ撮影やメーカーへの作例提供、機材レビューなどの活動をしている。

 

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