【オールドレンズ】どこかトイカメラ的な写りをするレンズ!ジャンクコーナーで見つけた「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」

坂井田富三
【オールドレンズ】どこかトイカメラ的な写りをするレンズ!ジャンクコーナーで見つけた「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」

はじめに

 今回のオールドレンズのセレクトは、ヤシカコンタックス時代よりも前のヤシカ「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」です。「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」は、1972年にヤシカが発売したフィルムカメラ「YASHICA ELECTRO AX」用のセットレンズとして用意された標準レンズです。

 いわゆる50mm標準レンズの廉価版と呼ばれるタイプのレンズで、市場での評価も皆無なレンズなので、その実力は期待できるものでありません。ではどうして手にいれたのかと言うと、たまたま立ち寄ったリサイクルショップのジャンクコーナーで、1,000円で売られていたレンズに何故か惹かれてしまったからです。ジャンクコーナーに置かれていた割には、レンズも外観も比較的綺麗な個体を少しメンテナンスして期待をせずにお気楽に撮影を楽しんでみました

 

YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7について

 ジャンクで購入した「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」は50年ほど前のレンズで、人気があったレンズでも無いので非常に情報が乏しいのですが、ヤシカのオートヤシノンレンズのマウントM42で、50mm前後の標準レンズの種類だけでも様々なバージョンが存在します。

 レンズの名称も「YASHINON-R」、「AUTO YASHINON-DX」、「AUTO YASHINON DS-M」、「AUTO YASHINON-DS」と発売時期などやマルチコートの有無などで名称が変更されています。今回の「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」は、DSになるのでモノコーティングのレンズになります。
※DS-Mはマルチコート

 実はオートヤシノンの標準レンズのシリーズには、人気の富岡光学で作られたレンズもあって中古市場の価格もピンからキリまでの状態です。有名なところでは「YASHICA AUTO YASHINON DS-M 55mm F1.2 TOMIOKA」M42マウントは、レンズにもTOMIOKAの名称が刻印されているモデルです。そんなシリーズの中で市場評価がまったく無い「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」は、どの程度の実力か想像はつきません。

 「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」の基本的なスペックは下記のようになります。筆者が持っているオールドレンズの中で比較的、性格やスペックが近いと思われるオールドレンズで人気のある「アサヒペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」と比較してみました。

YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7

アサヒペンタックス Super Takumar 55mm F1.8

焦点距離 50mm 55mm
開放絞り F1.7 F1.8
最短撮影距離 0.50m 0.45m
レンズ構成 5群6枚 5群6枚
絞り羽根枚数 6枚 6枚
フィルター径 55mm 49mm
マウント M42 M42
左:アサヒペンタックスSuper Takumar 55mm F1.8 右:YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7 
左:アサヒペンタックスSuper Takumar 55mm F1.8 右:YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7 

 「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」は、「アサヒペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」を一回り大きくした感じの筐体デザインもよく似たレンズです。

最短撮影距離は0.50m
絞り羽根は6枚

 今回「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」を使用して撮影するにあたっては、カメラはソニーα7R IIIに、焦点工房のマウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」(M42マウントレンズ → ソニーEマウント変換)を使っています。このマウントアダプターは実売価格で4,000円を切るお手頃な価格で入手できるマウントアダプターです。

 オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、基本的にはこちらの記事をご参照してみてください。

 

YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7で房総半島を小旅行

■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用

 少しメンテナンスをした「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」をもって房総半島を小旅行してみました。ジャンクレンズだったので、多少の曇りとチリ・ホコリの混入ありといったところの状態です。レンズ中心部は比較的に綺麗な状態ですが、メンテナンスをしてもレンズ周辺部にある汚れが少し残ってしまいました。それでも撮影には大きな影響は出ない範囲のコンディションです。

 実際に撮影した画像を見てもらえば分かりますが、レンズの評価はやはりそれなりのレンズという評価です。絞りを開放で撮影するとよく分かりますが、解像感は低く、輝度差がある部分ではパープルフリンジの発生、周辺光量の大きな低下が見られます。

 しかし、オールドレンズの古さを感じる事ができる「綺麗に写りすぎないレンズ」という点では、いい意味で撮影を楽しめるレンズです。

■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/500 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/3200 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/5000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/5000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/3200 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用

 解像感の点で言うとさすがに残念な状態ではありますが、順光で撮影したものは、色ノリも良く重厚で深みを感じる発色をして好感が持てます。絞り開放で撮影した周辺光量落ちは、トイカメラで撮影した様な雰囲気になります。

 絞りを絞って撮影すれば周辺光量落ちなどは減少しますが、残念ながら全体的な解像感は改善する感じでもありませんので、下の様な風景などを撮るのにはあまり向かないレンズです。

■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF16 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用

 

YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7で街中白黒スナップ撮影

 場所を変えて都内で気になるものをスナップ撮影してみました。気分を変えて白黒モードでの撮影です。結果から言うと個人的には白黒モードで撮影した方が、「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」にあっているような感じを受けました。

■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■使用機材:SONY α7R III + YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.7 ISO100 焦点距離50mm
※マウントアダプター焦点工房使用

 「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」で白黒撮影するメリットは、開放撮影時に発生しやすいパープルフリンジが誤魔化せるなどのメリットもあります。

 

まとめ

 ジャンクコーナーにあった50年ほど昔のモノコートの廉価版のレンズ「YASHICA AUTO YASINON-DS 50mm F1.7」ですが、購入した価格(1,000円)を考えると十分な価値はあると思います。

 どこかトイカメラ的な写りをするレンズは、現在も綺麗に写るレンズとはまったく別物。たまにはそんなレンズで、息抜き的な感じでスナップ撮影を楽しんでもいいのではないでしょうか。

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■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

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