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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.09.23【Vol.030】

ストロボの話2

皆さんがストロボを使う場合はおそらく、逆光によるシルエットの部分を照らしたり、もしくは室内や集合写真を撮影する時だと思います。そう考えると、意外とストロボを使って撮影する機会は限定的なのかもしれません。

ストロボの目的は、光が足りない状況に光を足すというものです。太陽の光(明るさ)や室内の人工光源が全体的かつ豊富にいきわたっている状況では、使用しなくても大きな問題にはなりません。「ストロボを使えば誰でも簡単キレイに写真が撮れる」という時代が昔ありましたが、カメラ自体が高感度で撮影できるようになったことでストロボがなくても楽に撮影できるようになりました。むしろストロボを使って撮影すると、被写体に光があたりすぎたり、影が不自然だったり、もしくは全体的に少しうす暗い写真になってしまったりと、そういった理由でもストロボが限定的にしか使用されないようです。

ストロボの光は太陽光のような拡散光と違い、比較的まっすぐ進む直進光です。光のあたり方で被写体の影や明るさが大きく異なります。ですので、人物などを撮ると嫌な影が出たりします。対策としてはストロボの発光部分の角度を変えて撮影してみてください。こうすることで光がダイレクトに被写体にあたらないので多少の影は軽減されます。

光があたりすぎて白っぽい写真になってしまった場合や、全体に暗い写真になった場合ですが、これは露出の操作及びストロボの設定などでほぼ解決できます。ストロボの光は一瞬ですので、それがいったいどれぐらいの光量があるかはなかなか判断できませんが、デジタルになってすぐに結果がわかるのでそれを利用しましょう。現在のストロボ(カメラ内臓型も含めて)はTTL調光という機能がついています。簡単に言えば被写体の明るさに応じて自動的に光の量を決めて発光してくれるものです。数年前にくらべ格段に性能が上がっているので、失敗は起きにくいですが、上記のような事態が起こることもあります。被写体が反射率の高いものであったり、逆の場合だったり、明るすぎる写真や暗い写真が出来上がってしまいます。

こういった時、少々面倒ですがストロボに手を加えてあげます。原理としては露出補正と同じようなことをしてやります。ストロボ撮影の場合これを「調光補正」といいますが、少し暗く写る場合はプラス側に、明るい場合はマイナスに補正すればOKです。カメラの露出補正機能を動かすのではなく、ストロボ用のその機能を動かして行います。機種やメーカーにより操作が異なりますので一概にはいえませんが、多くはストロボ本体で操作できます(内蔵型の場合はカメラ側でも出来るようになっています)。この調光補正という操作を一つ覚えておいていただくとストロボ撮影の失敗が少なくなると思います。一度機会があれば実際に実験してみてください。