ポートレートだけじゃないスナップ・ペット撮影にも最適 タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」

坂井田富三
ポートレートだけじゃないスナップ・ペット撮影にも最適 タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」

はじめに

今回紹介するレンズは、2026年3月に新発売になったタムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」のソニーEマウント版です。フルサイズに対応する広角35mmから中望遠100mmをF2.8通しでカバーする標準ズームは、他には無い焦点距離のレンズになります。小型で軽量な「35-100mm F/2.8 Di III VXD」は、焦点距離の関係上すべてのユーザー向けという感じではありませんが、好みとマッチすれば非常に使い勝手が良さそうな感じです。

今回はタムロンから発売前にお借りすることができたので、小型軽量の「35-100mm F/2.8 Di III VXD」の気になるスペックと感じたその写りをご紹介します。

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」の基本スペックと魅力

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」の魅力のポイントは、他にはない焦点距離とレンズの明るさです。35mmの広角から中望遠100mmまでシームレスに撮影が可能な点がポイント。普段から焦点距離35mm・50mm・85mmなどを使用するユーザーには非常に魅力的にうつるスペックのレンズです。特に筆者は焦点距離50mm前後の撮影が非常に多いので、このレンズの焦点距離は魅力的に感じます。

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」のスペック

焦点距離 35-100mm
レンズ構成 13群15枚
開放絞り 2.8
最小絞り 22
フィルター径 67mm
絞り羽根枚数 9枚
最近接距離 0.22m (WIDE) / 0.65m (TELE)
最大撮影倍率 1:3.3 (WIDE) / 1:5.9 (TELE)
手ブレ補正
全長×最大径 119.2×80.6mm(ソニーEマウント版)
重量 565g(ソニーEマウント版)
発売 2026年3月
タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」 焦点距離35mm側 最短撮影距離0.22m

焦点距離35mm側の最短撮影距離が0.22mと、焦点距離35mmのレンズとしては非常に寄れるレンズになっています。望遠側100mmでは最短撮影距離が0.65mになり、撮影倍率は35mm側よりも落ちますが、十分な近接撮影距離を確保しておりテーブルフォトでも活躍するレンズです。

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」 焦点距離100mm側 最短撮影距離0.65m
タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」 焦点距離35mm側 最短撮影距離0.22mで撮影
タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」 焦点距離100mm側 最短撮影距離0.65mで撮影

またタムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」は、他のタムロンレンズ同様フィルター径67mmに統一されており、複数のレンズを同時に持ち歩いても携帯性が高いことに加え、PLフィルターをはじめとした各種フィルターも共用できるほか、レンズ交換時に径の異なるキャップを探す手間が省けるなど、ラインアップ全体で高い利便性を発揮します。

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」は、レンズ左側にホールドボタンとカスタムスイッチが装備されており、様々な機能を割り当てることができ、ユーザーの好みに合わせたカスタム設定が可能です。

機能を割り当てできるホールドボタンとカスタムスイッチ(1/2/3)
レンズをカスタマイズできるコネクターポート(端子形状:USB Type-C)

タムロンのレンズをより快適に使いこなすためのポイントとして、「TAMRON Lens Utility」というソフトがあります。パソコンまたはスマートフォンを使用して、コネクターポート(端子形状: USB Type-C)を搭載したタムロンレンズのカスタマイズやファームウェアのアップデートを行える専用ソフトウェアです。レンズを使いやすいように設定することで、撮影がもっと楽しく、もっとクリエイティブになります。

「TAMRON Lens Utility」で設定できる各種機能は、A-B フォーカス・フォーカスプリセット・フォーカスリミッター・フォーカスリング設定・AF/MF切り替え・フォーカス/絞りリング機能切り替え・カメラボディ機能割り当てなど様々な機能設定が可能です。

「TAMRON Lens Utility」の設定画面

このカスタム設定ですが、このレンズと同時期に発表された「TAMRON Lens Utility」の無線操作を可能にするアクセサリー「TAMRON-LINK」を利用すれば、スマートフォン版の「TAMRON Lens Utility Mobile」アプリからレンズの各種機能を無線通信(Bluetooth)で操作できるようになります。これにより、ケーブル接続の制約から解放され、現場での作業効率が向上し、より自由でスムーズな撮影体験が可能となります。

無線操作を可能にするアクセサリー「TAMRON-LINK」と「TAMRON Lens Utility Mobile」アプリ

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」で夜のストリートスナップ撮影

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/10 絞りF7.1 ISO1600
焦点距離100mm

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」を持って、中野の夜の街をスナップ撮影してみました。開放F値2.8の明るいズームレンズでありながら、重量が500g台の小型軽量のレンズなので、カメラを首からぶら下げながら気楽にスナップ撮影を楽しむことができます。

普段から50mm前後のレンズでスナップ撮影を楽しむ筆者にとっては、この焦点距離はピッタリはまり楽しくスナップ撮影ができました。特に望遠側が100mmまであるので、とっさに目についたものを素早く切りとることができるのと、大きなボケを合わせて楽しめる点がポイントです。

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/13 絞りF2.8 ISO800
焦点距離68mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/6 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/20 絞りF8 ISO800
焦点距離100mm

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」はレンズには手ブレ補正機構はありませんが、レンズが明るいので夜のスナップ撮影でもISO感度を大きく上げることなく撮影ができるのも魅力のポイントです。

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」で昼のストリートスナップ撮影

■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF2.8 ISO800
焦点距離35mm

次は昼間のストリートスナップ撮影です。街をぶらぶらと歩きながら気になったものを手あたり次第にスナップ撮影してみました。普段は単焦点レンズでスナップ撮影をすることが多い筆者ですが、この焦点距離は非常に便利すぎて、はまってしまいそうな感じです。

建物全体やもう少し広い空間を撮りたいユーザーにはワイド側の焦点距離が合わない人も出てくるとは思いますが、やや望遠側を重視するユーザーにははまるレンズです。実際に自分が撮影していて、思っていた以上に望遠側を活用していることに改めて気づきました。

■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF2.8 ISO400
焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO100
焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF2.8 ISO800
焦点距離76mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/6400 絞りF2.8 ISO800
焦点距離78mm

このタムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」の魅力ポイントの一つとして最短撮影距離の短さがあります。焦点距離35mm側で最短撮影距離が0.22mと寄れるレンズなので、気になった被写体にぐっと寄って撮影することができ、出先でのお花やお料理の撮影、小物の撮影も手軽にアップで撮ることができます。

下の写真は、スナップ撮影中に見つけたお花をワイド側で寄って撮影をしたものになります。こういった撮影を含めて、いろいろな撮影に柔軟に対応できるレンズです。

■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/640 絞りF2.8 ISO800
焦点距離36mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.8 ISO100
焦点距離35mm

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」で猫撮影

■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF2.8 ISO800
焦点距離35mm

このレンズが発表になった時、真っ先に撮影したいと思ったのが普段から撮影している猫です。普段の猫撮影には、単焦点50mmのレンズかズームレンズの35-150mmのレンズを使うことが多いのですが、35-150mmのレンズはレンズの重さがなかなかヘビーなので、猫をじゃらしながら片手でカメラを持っての撮影はなかなかハードなでした。この重い35-150mmの代わりに軽いタムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」が今後の猫撮影用レンズ候補になりました。

■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2.8 ISO800
焦点距離51mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF2.8 ISO800
焦点距離68mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF2.8 ISO800
焦点距離92mm
■撮影機材:SONY α7 V + タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD 
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF2.8 ISO800
焦点距離43mm

タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」は軽量かつ近接撮影が可能なレンズなので、左手でペットを愛でながら片手でカメラを持っての撮影も比較的容易にする事ができます。

まとめ

今回、タムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」を先行して使用させていただききましたが、小型軽量で絶妙な焦点距離領域が自分にはよく合っていると感じました。ユーザーによってはよく使う焦点距離の違いがあるので、もちろん合わないユーザーもいるとは思いますが、標準域を中心に一本で撮影でき、最短撮影距離も短いレンズはポートレート撮影、ペット撮影、旅行・スナップ撮影まで幅広く活躍します。常用レンズとしてカメラボディに装着しておいても使い勝手の良いレンズになると思います。

 

 

■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師

 

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