ソニー FE 400mm F2.8 GM OSS レビュー|魅力満載の高性能ヨンニッパ

坂井田富三
ソニー FE 400mm F2.8 GM OSS レビュー|魅力満載の高性能ヨンニッパ

はじめに

今回は、筆者のもっともお気に入りレンズであるソニー「FE 400mm F2.8 GM OSS」をご紹介します。ヨンニッパと称される「FE 400mm F2.8 GM OSS」は、多くのユーザーが憧れるレンズの一本です。この「FE 400mm F2.8 GM OSS」は受注生産のレンズで、キタムラネットショップでの税込価格は1,465,200円(2023/1/4時点の価格)と非常に高価なレンズで、購入するのには時間も勇気も必要です。そんなレンズではありますが、使い勝手とその写りの魅力をご紹介したいと思います。

 

FE 400mm F2.8 GM OSSの魅力

「FE 400mm F2.8 GM OSS」は、2018年6月に発売されたレンズですでに4年以上経過していますが、その魅力はまったく褪せること無いレンズです。筆者の場合400mmの領域の撮影では、普段使いでは「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」をメインに使っていますが、スポーツ撮影や野生動物の撮影などには「FE 400mm F2.8 GM OSS」を使用する場合が多くなります。

使い分ける理由の一つは、やはりレンズ自体の大きさです。「FE 400mm F2.8 GM OSS」は大口径の望遠レンズなので、通常のカメラバッグには入らない場合がほとんど。大型のリュック型カメラバッグに入れても他の機材を入れるスペースが無くなってしまうため、持ち運びに少し苦慮します。「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」であれば、ショルダータイプのカメラバッグにも入りますし、その他の機材も一緒にカメラバッグ入るので普段使いの望遠レンズとしては最適です。基本「FE 400mm F2.8 GM OSS」のレンズを使用する場合、車などでの移動が大前提となり撮影する目的が明確な場合の時だけに使用するのがほとんどです。

スポーツの撮影であれば、速いシャッター速度をキープする為に「FE 400mm F2.8 GM OSS」は非常に有用で、焦点距離を稼ぎたい場合にはテレコンバーターを使用しても、「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」よりF値が明るいのでメリットは絶大です。特に天候不良の場合やナイターのスポーツ撮影では、F値の明るい「FE 400mm F2.8 GM OSS」は撮影者に大きな恩恵を与えてくれます。

左:FE 400mm F2.8 GM OSS 右:E 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
FE 400mm F2.8 GM OSS FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
焦点距離 400mm 100-400mm
画角(35mm判) 6°10′ 24°-6°10′
開放絞り F2.8 F4.5-F5.6
最小絞り F22 F32-F40
レンズ構成 17群23枚 ※フィルター1枚含む 16群22枚
絞り羽根 11枚 9枚
最短撮影距離 2.7m 0.98m
最大撮影倍率 0.16倍 0.35倍
フィルター径 40.5mm 77mm
外形寸法 
最大径x長さ
158.1 x 359mm 93.9 x 205mm
質量 約2,895g 約1,395g (三脚座別)
フード ALC-SH155 ALC-SH151

「FE 400mm F2.8 GM OSS」は、蛍石レンズを3枚採用した17群23枚のレンズ構成で、フレアやゴーストを抑制するナノARコーティングを採用し、Gマスターレンズの高い解像性能と美しいボケ描写をするレンズです。このレンズを一度でも使用すれば、そのキレのある美しい描写の魅力の虜になってしまいます。

オートフォーカス性能に関しても、新開発のXDリニアモーター2基を搭載する事によって、高速で高精度で静粛なオートフォーカスを実現しています。

また、手ブレ補正は通常の「MODE1」、流し撮りに対応する「MODE2」に加えて、スポーツなど動きが不規則で激しい動体撮影時にも安定したフレーミングを可能にする「MODE3」を搭載しています。

レンズ重量は2,895gで3kgを切る重量ですが、ボディに装着した状態では感覚的にはそれほど重く感じません。レンズの重量バランスがマウント側にあるので、見た目よりも軽く感じ手持ち撮影でも扱いやすいレンズです。

 

FE 400mm F2.8 GM OSSでスノーモンキー撮影

■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF4 ISO800 焦点距離400mm

温泉に入るニホンザルで有名な、長野県の「地獄谷野猿公苑」で以前「FE 400mm F2.8 GM OSS」を持って撮影をしました。この「地獄谷野猿公苑」は世界的に有名な場所で、海外からも多くの人が訪れるスポットです。

地獄谷野猿公苑HP
https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/

雪のある温泉に入るニホンザルを見るのには、冬季は上林温泉エリアにある専用駐車場、または最寄りのバス停「スノーモンキーパーク」から2キロほど歩くルートのみとなり、雪の対策が必須になります。ホームページからライブカメラ映像を見る事もできるので、事前に雪の状態なども確認する事ができます。また、地獄谷野猿公苑の公式Twitterの情報も参考にすると撮影に行く際には便利です。

冬季の撮影では防寒対策および簡易アイゼンや冬靴などの滑り止め装備など、十分な対策が必要です。

温泉に入るニホンザルは比較的近い距離で撮影できるので、正直「FE 400mm F2.8 GM OSS」を持ち込んで撮影するよりも、70-200mmや100-400mmクラスのレンズの方が撮りやすい環境です。筆者は、何回か撮影に行っているうちにどうしても「FE 400mm F2.8 GM OSS」を使って撮影したいという思いが強くなり、この時「FE 400mm F2.8 GM OSS」での撮影を試みました。

■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF4 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離400mm

温泉に浸かっているニホンザルのリラックスした表情と柔らかそうな毛並みの描写は、さすが「FE 400mm F2.8 GM OSS」といったところです。

■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF3.5 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離600mm(APS-Cクロップ撮影)

「FE 400mm F2.8 GM OSS」で逆光撮影したニホンザルの毛並みの描写はとても美しく表現されていて、とても満足のいく撮影をする事ができました。

 

FE 400mm F2.8 GM OSSでスポーツ撮影

■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離600mm(APS-Cクロップ撮影)

筆者が「FE 400mm F2.8 GM OSS」を一番よく使用する撮影シーンが、普段から撮影をさせて頂いている女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」の試合シーンです。ホッケーの競技フィールドは、横55m×縦91.4mでサッカーのフィールドを少し小さくしたぐらいの広さです。よってフィールドで試合中の選手を撮影するには、400mmクラス以上の望遠レンズが必須になってきます。特に速い動きをする選手を捉えるには大口径単焦点レンズのF値の明るさが、速いシャッター速度をキープするのにとても助かります。

筆者がホッケーを「FE 400mm F2.8 GM OSS」で撮影する際には、幾つかのパターンがあります。「FE 400mm F2.8 GM OSS」をそのまま使って焦点距離400mmで撮影するパターン、「FE 400mm F2.8 GM OSS」を使ってカメラ側をAPS-Cクロップモードにして焦点距離を600mm相当にして撮影するパターン、さらにこれらのパターンに「1.4X テレコンバーター(SEL14TC)」を組み合わせて、焦点距離560mm相当や、焦点距離840mm相当で撮影するような方法で撮影をしています。

撮影をするボディは「α1」を使用しているので、APS-Cクロップ撮影をしても画素数は約2100万画素程度となり、「α1」と「FE 400mm F2.8 GM OSS」の組み合わせは、スポーツ撮影において非常に扱いやすく満足度高い組み合わせになります。

ホッケーの試合時間は各15分の4クオーター制で合計60分の時間になるので、さすがにずーッと手持ち撮影はしんどいので、一脚や三脚で「FE 400mm F2.8 GM OSS」を使用しています。筆者は特にジンバル雲台を愛用しているので、スポーツ撮影でも三脚+ジンバル雲台で撮影をよくしています。

レオフォト LS-324C カーボン三脚 + レオフォト PG-1 ジンバル雲台

ジンバル雲台を利用している理由としては、カメラ・レンズを自由に動かせながらも、手を離しても安定しているので、「FE 400mm F2.8 GM OSS」で試合を撮影しながら、選手がカメラに近い位置でのシーンになった時には、ヨンニッパから手を放して素早く2台目のカメラ(70-200mm装着など)に持ち替え撮影できるなどのメリットがあります。

■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF3.2 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF3.2 ISO800 焦点距離600mm(APS-Cクロップ撮影)
■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO3200 焦点距離600mm(APS-Cクロップ撮影)
■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO3200 焦点距離600mm(APS-Cクロップ撮影)

ナイターの試合では、「FE 400mm F2.8 GM OSS」のメリットは絶大です。ナイター照明が付いたフィールドですが、速いシャッター速度をキープするのには絞りを開けて、ISO感度を上げないと撮影が難しくなります。 そんな状況下で開放絞りF2.8の「FE 400mm F2.8 GM OSS」は、ISO感度を無理に上げ過ぎることなく撮影をする事が可能です。

■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X テレコンバーターSEL14TC
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4 ISO6400 焦点距離560mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X テレコンバーターSEL14TC
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4 ISO6400 焦点距離560mm

「1.4X テレコンバーターSEL14TC」を使用時に開放F値がF4になりますが、焦点距離が560mmになるので、より迫力のある撮影が可能になります。もちろんテレコンバーター装着時も、「FE 400mm F2.8 GM OSS」の高い描写性能と高速AF性能をスポイルする事もありません。

 

まとめ

「FE 400mm F2.8 GM OSS」は非常に高価なレンズですが、その価格に見合ったAF性能とキレのある描写をしてくれます。受注生産のレンズなので欲しいと思ってもすぐに入手することもできません。購入に興味のある方は余裕をもって注文しておいた方がよいでしょう。また「FE 400mm F2.8 GM OSS」を所有しきちんと管理する為には、「FE 400mm F2.8 GM OSS」が入る大きさの防湿庫も用意して、カビなどからレンズを守る事も重要です。

 

 

■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)

 

■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師

 

 

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