ソニー α7R V 登場!|α史上最高の解像性能×次世代のAFシステム

ShaSha編集部
ソニー α7R V 登場!|α史上最高の解像性能×次世代のAFシステム

はじめに

ソニーから35mmフルサイズのミラーレスカメラ「α7R V」を2022年11月25日に発売するとアナウンスがありました。高い解像性能を追求するα7Rシリーズの第5世代モデルとなる今回は、定評のある約6100万画素の有効画素数はそのままに、高精度な被写体識別を可能にするAIプロセッシングユニットを搭載した事で、AF性能が格段に進化しています。

画像処理エンジンは上位モデルのα1と同等の「BIONZ XR」を搭載することで従来比8倍の処理能力を実現し、動画性能では8K収録をも可能としています。ボディー内での手ブレ補正効果はα史上最高の8段分あり、対応レンズとの組み合わせでは、更にブレを軽減してくれます。液晶モニターはバリアングルとチルトが合わさった可動域を持つものに刷新されるなど、他にも様々な進化を遂げています。

そんな「α7R V」をソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたので是非ご覧ください。

外観と操作性

(左)α7R V  3.2型の4軸マルチアングル液晶モニター
(右)α7R IV 3型のチルト式液晶モニター
α7R V
α7R V
α7R V

α7R Vの液晶モニターは4軸マルチアングル液晶モニターになっていて、光軸を意識したチルトでの撮影と、より自由度の高いバリアングルでの撮影の両方に対応する事が出来ます。実際にモニターを触る前は可動部が肉厚だったり、複雑で動かしずらいのでは?と思っていましたが手にとって動かしてみると可動部は薄く精工つくられており、非常に快適に動かすことが出来ました。

またモニターの大きさは3.2型と従来モデル(α7R IV)よりも少し大きくなっていますので、撮影中の被写体や撮影した後の画像チェックの視認性も向上しています。

左 α7R V
右 α7R IV

α7R Vは電源OFFの時はセンサーの前にあるシャッターを閉めておく事ができます。センサーを傷つけたりゴミが入りづらくなるので嬉しいですね。

左 α7R V
右 α7R IV
左 α7R V
右 α7R IV

寸法や質量は高機能になった分少しだけ大きく重くなっています。
[α7R V ]寸法:約131.3x96.9x82.4 mm。質量(バッテリー・メディア含む)約723g
[α7R IV]寸法:約128.9x96.4x77.5 mm。質量(バッテリー・メディア含む)約665g


グリップが深くホールド感は非常に良いので大きさや重さはあまり気になりませんでした。


天面にあるモードダイヤルは2層構造になっています。上には従来通り撮影モードが選択できるようになっており、その下には静止画、動画、スロー&クイックを選択できるダイヤルがついています。動画撮影の場合は今まで撮影モードダイヤルを動画にして、その後A,S,Mなどをカメラ内のメニュー画面で切替える必要がありましたが、この切替スイッチにより動画撮影時でもモードダイヤルでA,S,Mなどの撮影モードを選択する事ができるようになっています。

また、上写真の天面向かって右手前にあるダイヤルは従来モデル(α7R IV)では露出補正を変更するものでしたが、今回は他の機能も割り当てが出来るようになっており、マニュアルで撮影される方はここのダイヤルを有効活用できるようになっています。ダイヤルの中央にはボタンがついていて、これを押し込むとダイヤルはロックされるので誤動作を防いでくれます。

ファインダーは上位モデルのα1と同等の約944万ドットありますので非常にクリアでなめらかに被写体を確認することが出来ます。倍率も従来モデルより向上し約0.90倍と被写体を大きく捉えることが出来るので撮影での没入感も高いと思います。

左 α7R V
右 α7R IV

α7R VのHDMI端子は大きいサイズのタイプAを使えるようになっています。動画撮影の時に外部モニターなどを使う方は、このタイプAの方が便利で安心して使う事が出来ると思います。

デュアルスロットはCFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も出来ますし、どちらか一方のカードを両方に入れて使う事も可能です。


バッテリーはα7R III、α7R IV、α7 IVなどと共通でα7シリーズでおなじみの「NP-FZ100」を使用しており、静止画はファインダー使用時に約440枚、液晶モニター使用時に約530枚撮影ができます。動画撮影時は実動でファインダー使用時に約90分、液晶モニター使用時に約100分撮影出来ます。

優れたAFシステム

α7R VはAF性能を飛躍的に向上させる為、画像処理エンジンとは別に、AI処理に特化したAIプロセッシングユニットを搭載しています。ディープラーニング技術を活用したこのユニットにより被写体認識性能をはじめ、追尾性能など、静止画、動画問わず、AF性能が全般的に進化しています。

[人物]、[動物]、[鳥]に加え、新たな認識被写体として[昆虫]、[車/列車]、[飛行機]に対応。

またイメージセンサーの撮像領域と像面位相差AFセンサーの配置は従来モデル(α7R IV)よりも、よりワイドで高密度になっています。
・α7R V :イメージングセンサー撮像領域の約79%に最大693点の像面位相差AFセンサーを配置
・α7R IV :イメージングセンサー撮像領域の約74%に最大567点の像面位相差AFセンサーを配置

人物

瞳の認識精度が従来モデル(α7R IV)比で60%向上しており、現行αシリーズの中でも頭一つ抜けた被写体認識精度になっていると感じました。カメラが姿勢推定技術を用いて処理を行うことで、瞳だけではなく人間の胴体、頭部の位置をより高精度に認識するため、たとえば後ろ向きの人物を捉えたり、顔が見づずらいシーンでも人物の頭部を認識し続けてくれるようです。

動物・鳥・車/列車

・動物
犬や猫のような動物の、頭や顔の認識が加わっただけでなく、一部の草食動物・小動物の瞳を認識しやすくなっています。従来モデル(α7R IV)と比べ、動物に対する認識性能はと約40%アップしています。

・鳥
瞳を認識できる種類や姿勢の拡大に加え、頭や体の認識にも新たに対応。さらに動物と鳥については、設定を切り換えずに1つの設定で認識できる[動物/鳥]の設定も新たに追加されています。

・車/列車
車、鉄道車両の全体または先頭部を認識

飛行機・昆虫

・飛行機
機体全体または先頭部を認識

・昆虫
体全体または頭部を認識

高解像と撮影性能


有効約6100万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、画像処理エンジンに上位モデルα1と同等の「BIONZ XR」を採用する事で、従来比8倍の処理能力を実現しています。常用ISO感度は静止画・動画時とも100-32000。画像処理のアルゴリズムが見直され低感度時の解像感が向上し、解像性能はα史上最高となっているようです。連続撮影は従来モデル(α7R IV)と同様の最高10コマ/秒ですが、圧縮RAWでの連続撮影枚数は最大583枚と大幅に向上しています。

光学式5軸ボディー内手ブレ補正はα史上最高の8段分の補正効果があります。更に対応するレンズとの組み合わせで、手ブレ補正効果を高めてくれます。また、α7R Vでは従来モデル(α7R IV)にはなかった動画撮影時に効果的に手ブレを軽減してくれるアクティブモードの設定が可能で、このアクティブモード時でもボディとレンズの協調によるブレ軽減に対応しているようです。

16枚の画像を撮影し、それを合成する事で約2億4080万画素(19,008×12,672)の画像生成するピクセルシフトマルチ撮影ができます。従来モデル(α7R IV)では被写体に動きが生じた場合、正しく合成されないケースがありましたが、ソニー純正のソフトウェア「Imaging Edge Desktop(TM)」合成時に画像に含まれる人物や木の葉などの数ピクセル単位のわずかな動きを自動検出し補正してくれるようになりました。

α7R Vでは最新の画像処理エンジンの高速処理により、従来モデルと比べて露出制御と色再現性能の精度も向上しています。また、α1に搭載の可視光+IRセンサーを採用していますので、特に日陰のシーンでより正確なホワイトバランスが得られるようになっています。


メモリカードのフォーマットは従来フルフォーマットしかありませんでしたが、より短時間でフォーマットができるクイックフォーマットを選択できるようになっています。

動画性能

動画撮影は最大8K24Pでの撮影が出来るようになっています。8Kの高画質な映像を楽しめる他、撮影後に上下左右に視点を移動させたり、ズームイン、ズームアウトなどの編集を行い4K素材として切り出す事も可能です。

4Kでは60P迄、APS-CサイズのSuper 35mmに設定すれば6.2Kからのオーバーサンプリングによる4K収録が可能です。また、HDMIケーブル経由で対応の外部レコーダーを使えば16bit RAWの動画を収録する事ができます。

連続撮影により発生する熱を抑える為の放熱性能は従来モデル(α7R IV)の5倍向上し、4:2:2:10bit 8K24Pで撮影した場合でも30分間動画記録が出来るようです。

※8Kと4K60Pでの撮影の時は1.2倍にクロップされます。

写真も動画も、カメラ単体で思い通りの表現が可能なクリエイティブルックを搭載し、Cinema Lineで好評なシネマティックな表現を実現するルック「S-Cinetone」にも対応しています。もちろん、S-Log2およびS-Log3にも対応しています。

さいごに

α史上最高の解像性能を誇るα7R Vはいかがでしたでしょうか。AIプロセッシングユニットやBIONZ XRを搭載し、AF性能や動画性能が飛躍的に向上していますので、これまでRシリーズを使われていた方は勿論、Rシリーズを使われた事がない、動きのある被写体や映像を撮られる方にも是非一度触ってみてもらいたいカメラに仕上がっています。今回お伝え出来なかった使用感や描写力に関して今後写真家や映像クリエイターの方にレビューしてもらいたいと思いますので、そちらも公開しましたら是非ご覧ください。

 

α7R Vの性能や機能はこちらの動画でも紹介してます。

 

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