パナソニックLUMIX S5II / S5IIXが登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介

ShaSha編集部
パナソニックLUMIX S5II / S5IIXが登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介

はじめに

パナソニックから35mmフルサイズミラーレス一眼カメラのLUMIX S5IIを2023年2月16日(木)に発売、S5IIXを6月下旬に発売するとアナウンスがありました。今回はそのLUMIX S5II / S5IIXの魅力や進化、2種類のカメラの違いや、同時リリースの理由などについて、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社LUMIXマーケティング担当の塩見 記章(しおみ のりあき)氏にインタビューしましたので是非ご覧ください。

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社LUMIXマーケティング担当の塩見 記章(しおみ のりあき)氏

概要

―S5IIとS5IIXと2種類の登場となった理由とレンズ構成の狙いを教えて下さい

まず、S5IIとS5IIXの主な違いは、2点です。
従来機と比較して、写真/動画撮影性能共に大幅に進化したS5IIをベースに、プロフェッショナルの映像制作現場でもご活用いただける動画性能が搭載されたうえ、撮影現場に溶け込むブラックデザイン(ブランドロゴや、製品ロゴバッジの黒色化、およびボタン類の印字も主張を控えるグレー調への統一、ダイヤル部分の梨地加工など)を採用したモデルがS5IIXになります。

エントリーの方からハイアマチュアの方まで安心してお使いいただけるS5IIと、プロフェッショナルユースを想定したS5IIXを展開することで、より多くのお客様にLUMIXの絵作りや操作性の魅力を知っていただきたく、2ラインナップ展開とさせていただきました。

レンズ構成については、ボディ、標準ズームレンズLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6が付属するKキット、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6に加えて単焦点レンズLUMIX S 50mm F1.8が付属するWキットの3キットの展開となります。

今回、我々が想定しているお客様は、従来のLUMIXファンに加えて、初めてフルサイズカメラをご購入されるお客さまや、2台目へのお買い替えを検討されているお客様になります。特に新規ユーザーの皆様や、お買い換えのお客様に対して、すぐに撮影をお楽しみいただけるよう、広角20mmからスタートする小型軽量の標準ズームレンズと、フルサイズらしいボケ味を楽しめる単焦点レンズを揃えたWキットをご準備いたしました。

―新モデルS5IIと先行モデルのS5との住み分けポイントを教えて下さい

S5IIはS5に比べて、画質の向上はもちろんのこと、LUMIX初となる像面位相差AF搭載、および進化した手ブレ補正テクノロジーによる手ブレ補正強化がなされ、よりアグレッシブな撮影に対応することが可能です。今まで機材制約で諦めてきた撮影シーンや、カットなど、S5IIにある程度任せることにより、ユーザーの皆様の想像力をクリエイティビティに落とし込んでいただけると考えております。よって、新たな表現や領域へチャレンジしたいという創作意欲にあふれたクリエイターのお供にしていただけると思っております。

一方で、S5はAFの追従性こそS5IIに劣るものの、従来から定評のある美しい描写性能や、強力な手ブレ補正を搭載しております。LUMIXらしい絵作りを楽しんでいただける入門機として位置付けていきたいと考えております。

LUMIX初の像面位相差AFの採用について

―すでに発売されているモデルに比べどの様な進化をしたのですか?

像面位相差AFを搭載したことに加えて、従来から当社が得意としている認識技術を掛け合わせることにより、コントラストAFが苦手としていた、下記のようなシーンでの合焦スピードと追従性が上がっています。
(1) 被写体が向かってくるシーン
(2) 複数の被写体が混在するシーン
(3) 夕暮れなどの逆光シーン
(4) 低照度シーン
(5) イルミネーションなどの点光源を含むシーン
(6) 商品レビューなどで手前に小さいものが入るシーン

―なぜ今まで頑なまでにコントラスト方式を採用していたのですか?

カメラがお客様に提供する価値は多岐にわたりますが、当社として、第一優先としてきたのが画質です。カメラは結局、写真や映像を撮影する道具であり、お客様はその成果物を通して、記録や、仕事を行い、作品作りを楽しまれます。よって、得られる画質に対して妥協しない、というのが、今でも変わらない当社の方針です。

コントラストAFは、像面位相差AFと比較して、原理的に画質が低下することなく、合焦した際の精度も非常に高いため、従来から拘って採用してまいりました。

一方で、像面位相差AFについても、当社内で過去から開発検討を進めてまいりました。像面位相差AFはイメージセンサー内に距離を測るためのセンサーを埋め込んでいるため、原理的に画素欠損が発生します。そこを画像処理エンジンで補正していくのですが、今回、S5IIに搭載している新ヴィーナスエンジンの処理性能の向上によって、補正後の画質が、当社の高い画質基準をクリアすることができたため、像面位相差AFの搭載に踏み切りました。

―LUMIXのリアルタイム認識AFが自信を持って良いと言えるポイントはどの点ですか?

新開発の像面位相差AFに加えて、過去から当社が得意としてきている認識技術を掛け合わせることで、特に被写体として撮影機会の多い人物への追従性度が高い点です。

新エンジン×新センサーの投入

―2つの重要なキーデバイスを新開発するにあたって拘ったポイントと進化ポイントがあれば教えてください

既出になりますが、二つの新たなキーデバイスの掛け合わせによって、AFの追従性能が大幅に進化しました。加えて、当社が大切にしている画質についても、解像感、階調性が進化しており、高感度時の撮影においても、より自然な描写を実現しております。

また、新エンジンはバッファメモリも従来比約4倍となり、連写時のメモリ詰まりなども大幅に改善されていますし、AF追従で最大30コマ/秒の超高速RAW連写も搭載しております。併せて、電子シャッター時のローリングシャッター歪みも、従来機に比べて大幅に改善しております。

より、写真機としての完成度を高めるため、拘って開発してまいりました。

LUMIXの「色」へのこだわり

―パナソニックが考える「色」へのこだわりを教えてください

当社が「色」へのこだわりを訴求する際、下記の2つを意識しています。一つは撮って出しの描写の美しさ、もう一つは撮影データの編集の自由度の高さです。

前者は豊富なフォトスタイルと、優れたカラーサイエンスによって、自然な描写を撮って出しで得ることができることを、ユーザーの皆様からも評価いただいております。フォトスタイルも、さらに設定を追い込むことができ、より自分らしい表現を探求することも可能です。

後者については、前提として、当社は、クライアントワークにせよ、作品制作にせよ、成果物における色表現は、プロ/アマチュア問わずユーザーの皆様の「クリエイティビティそのもの」だと考えております。よって、撮影データの自由度を担保し、ユーザーの皆様がご自身の創造性を発揮いただけるように画質設計をしております。こちらもクリエイターをはじめ、多くのユーザーの皆様に、「自分の世界観を表現しやすい柔軟な撮影データ」と評価いただいております。

私どもとしては、上記2つの視点で、今後も「色」に拘った訴求をしてまいります。その取り組みの一つとして、昨年6月にクリエイターとコラボし、LUMIX Color Labというプロジェクトを立ち上げました。ユーザーの皆様に、LUMIXを通して色表現を探求していただけるように、お役立ちできるコンテンツを多数展開しております。

写真も動画もカメラ内でLUT記録可能になったリアルタイムLUT機能について

―リアルタイムLUTでユーザーにどんな恩恵がありますか?

最大のベネフィットは、お客様の好みの色味や質感を事前にカメラに登録しておくことで、撮影時にご自身の世界観で写真/映像を撮影することができる点です。加えて、カスタマイズ性も非常に高いため、「フォトスタイル」が無限に増えていくようなイメージになります。

従来の、「撮影後にRAW現像を経て自らの好みに写真を編集していく過程」が短縮されることで、作品をSNSなどにスピーディーにアップしながら、個性を発信いただくことが可能と考えております。

ユーザーの皆様にいち早くリアルタイムLUTをお楽しみいただけるように、前出のLUMIX Color Labにおいて、気鋭のクリエイターとコラボして制作したLUTを無償で提供しております。ぜひ、ご活用ください。

アクティブ I.S.機能を追加し、強化された手ブレ補正について

―アクティブ I.S.はどの様な撮影シーンを想定して追加したのですか?

主に歩き撮り時および望遠時のFIX撮影を想定して開発いたしました。従来から当社の手ブレ補正の評価は高いものでしたが、カメラがブレの状態を的確に判断し、ブレ補正ユニットの能力を最大限発揮させることで、従来では補正しきれなかった大きな手ブレを補正することができるようになりました。

主にVlog等の歩き撮り時に効果が大きいですが、手ブレ補正自体が強化されているため、写真撮影時もファインダー像のブレが抑えられ、より被写体に集中することができるようになりました。

価格面について

―性能から考えると凄くお求めやすい価格になっていると思うのですが、価格付けに関する思い(狙い)はありますか

冒頭でも触れましたが、S5IIはLUMIXファンのみならず、初めてフルサイズを手に取られる方や、2台目の買い替えをご検討の方にお買い求めいただきたいと考えております。よって、製品の機能/性能のみならず、コストパフォーマンスは非常に重要と考え、特にWキットは戦略的な価格付けとさせていただきました。

―予約キャンペーンについて教えてください

予約購入者限定で、各キットでキャッシュバックに加え、予備バッテリー(DMC-BLK22)のプレゼントを致します。過去なかなかないようなお得なキャンペーンとなっていますので、是非“予約”の上ご購入いただけると嬉しいです。なお、今回のキャンペーンはパナソニック家電製品正規取扱店からのご購入に限りますので、その点はご注意くださいませ。

キャッシュバックキャンペーンの詳細はこちら
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さいごに

S5II / S5IIXは、像面位相差AF搭載だけではなく、写真の画質、性能も大幅に向上した一台です。加えて、高い動画性能も搭載しているため、特にS5IIは写真が趣味の方にとって、動画入門機としてもおススメの一台となります。ぜひ、店頭でお手に取ってご体感ください!

 

 

塩見 記章氏へのインタビュー動画はこちらからご覧頂けます。

【新製品取材】パナソニック LUMIX S5II / S5IIX ~LUMIX初の像面位相差AF搭載のフルサイズミラーレス一眼を徹底取材!|新製品レンズも~(カメラのキタムラ動画_Panasonic)

 

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