だから私はコスモスが好き。~ニコンのカメラが教えてくれた、コスモスの魅力~
はじめに
みなさん、今年の夏はどう過ごしましたか?
私の住む群馬県は暑さで有名な地域ですが、今年の夏は雨や曇りの日も多く、例年に比べると少し過ごしやすく感じる日も多かったように思います。
そんなふうに過ごしているうちに、季節は少しずつ移り変わり、気がつけばもう秋。
「どの季節が好き?」と聞かれたら、私は迷わず「秋」と答えます。
秋はたくさんの植物が咲き、紅葉など、温かい景色にも出会える季節。
そんな秋の空気や景色が、私は子供の頃から好きです。
そしてなにより、コスモスが咲く。これが一番大きい理由かもしれません。

■撮影環境:39mm f7.1 1/50秒 ISO500
コスモスは、花の美しさに気づかせてくれて、花を撮ることに夢中にさせてくれた、私にとって特別な存在でもあります。
今日はそんなコスモスにフォーカスを当てて、私がコスモスのどんなところに惹かれているのか、そして、どんな視点で写真を撮っているのか。
そんなお話をしながら、コスモスを撮影するときの「視点」を楽しんでいただけたら嬉しいです。
花を撮ることが好きになったきっかけ
冒頭で、「コスモスは、花の美しさに気づかせてくれた存在」と触れました。
でもそれは、何気ないことがきっかけでした。
2021年の秋、ミラーレスカメラが身近になっていた頃、私はNikonのミラーレスカメラ、Z6IIを購入しました。
それまで使っていたのはNikon D5300。
私にとって、Z6IIは初めてのミラーレスカメラでした。
新しいカメラを買ったので、どこか撮影に行きたいな、と思っていたのですが、当時はまだコロナ禍で、遠出をしたり、旅行をしたりすることがなかなか難しい時期でした。
そこで、「近くにあるもので、何か撮りに行ってみよう」と思ったんです。
そのとき思い浮かんだのが、毎年秋になると咲く、近所のコスモス畑でした。

■撮影環境:70mm f4 1/320秒 ISO50
最初は「新しいカメラを試し撮りしよう」くらいの、軽い気持ちでした。
ところが、実際にコスモス畑に行って、ファインダーを覗いた瞬間、それまで私が見ていたコスモスとは少し違い、とても大きな感動があったことを今でも覚えています。
薄く繊細な花びらに光が透けていて、淡く可愛らしいピンク色をしていて。
よく目にしていたコスモスだけど、こんなに綺麗だったんだと、そのとき強く感じたんです。
そう感じることができたのは、紛れもなくZ6IIのカメラのおかげだと思っています。もしこのカメラに出会っていなかったら、花がこんなにも美しいものだということに気づかないまま、過ごしていたかもしれません。
カメラを通して花とじっくり向き合うことで、今まで気づいていなかった美しさに気づけたこと。それが、私にとって大きな出来事でした。

■撮影環境:70mm f13 1/60秒 ISO250
この日をきっかけに、「もっと花を撮ってみたい」「もっと花のことを知りたい」と思うようになりました。
そして気づけば、季節ごとに咲く花を楽しみにするようになり、花を撮ることが、私の日常の一部になっていきました。
私にとってコスモスは、花を撮ることの楽しさを教えてくれた、そんな原点のような存在です。
今回は、Z6IIで撮影した写真をはじめ、これまでさまざまなNikonのカメラで撮影してきたコスモスの写真もご紹介します。
2021年に撮影した、原点となる一枚

■撮影環境:70mm f4 1/400秒 ISO50
この写真は、当時撮影した中でも、特に思い入れのある一枚です。
空に向かって真っ直ぐに咲くコスモスを表現したくて、コスモスよりも低い目線でカメラを構え、青空と一輪のコスモスだけという、とてもシンプルな構図で撮影しました。
そのとき、写真を見ながらふと、「空に花が咲いているみたい」と思ったんです。
今の私の作品にも、空と花を組み合わせた写真が多くありますが、その原点になったのが、この一枚です。
コスモスの、こんなところが好き。
では、私がコスモスのどんなところに惹かれているのか。
いくつかあるのですが、今日は特に好きなところを4つご紹介したいと思います。
色彩
まずは、コスモスの「色」
コスモスといえば、ピンクを思い浮かべる方が多いと思います。
でも、よく見てみると、同じピンクでも、薄いピンクから濃いピンクまで、さまざまな色があります。
さらに、白や黄色が混ざっていたり、花びらの縁だけ色が濃かったり。
同じコスモス畑でも、どの色を選んで、どんな組み合わせで撮るかによって、写真の印象を大きく変えることができます。
淡いピンクを中心にすると可愛らしく、黄色を入れれば爽やかに、白いコスモスは大人っぽく上品な雰囲気に。
「コスモス=ピンク」というイメージがありながら、実はその中にもたくさんの色がある。そこが、コスモスを撮る上でも面白いところだと思っています。
透き通る花びら
そして、私がコスモスを撮る上で特に好きなのが、この「透き通る花びら」です。

■撮影環境:135mm f1.8 1/6400秒 ISO160
コスモスの花びらはとても薄くて繊細なので、光が当たると、まるで透けるように見えます。
特に逆光で撮影すると、花びらの重なりに影ができたり、一枚一枚の繊細な質感が浮かび上がります。
私はこの透明感や儚さが、コスモスの美しさのひとつだと思っています。
同じ花でも、光の向きによって見え方が全然違う。
だからこそ、私はコスモスを撮るとき、「どこから光が当たっているか」をとても大切にしています。
花に個性がある
そして、コスモスは、咲き方にもいろいろな種類があります。
花びらの形が綺麗だったり、少しだけ色が違ったり、群れから離れて咲いていたり、周りの花より大きく、あるいは小さく咲いていたり。
そうやって一輪一輪を見ていると、同じコスモスでも、それぞれ違った魅力が見えてきます。
だから私は、「この一輪、なんか気になるな」と思う花を探すことが多いです。
時間帯によって変わる表情
そして最後が、「時間帯によって表情が変わるところ」です。
これはコスモスに限ったことではありませんが、私は花を撮るとき、撮影する時間帯を大切にしています。
例えば、しっとりとした湿度感や、柔らかく繊細な雰囲気を出したいときは、早朝に。
朝露が残っていたり、光がまだ強くなかったりすることで、花そのものがとても柔らかく見えるんです。

■撮影環境:135mm f2.2 1/800秒 ISO125
一方で、温かみのある雰囲気を出したいときは夕方に。
夕方の光は少しオレンジがかった色になるので、コスモスのピンクとも相性がよく、温かく優しい雰囲気になります。

■撮影環境:105mm f2.8 1/1600秒 ISO160
そして、可愛らしく爽やかな雰囲気にしたいときは、青空が綺麗に見えるタイミングで撮影します。
特に私はピンクのコスモスと青空の組み合わせが大好きで、ぱっと明るく、印象的な写真になります。

■撮影環境:62mm f4 1/1250秒 ISO100
このように、「コスモスをどんなふうに写したいか」と考えてみると、同じ花でも、時間帯や光、背景によってさまざまな表情や雰囲気を引き出すことができます。
おわりに
カメラが変わっても、レンズが変わっても、私が花を撮るときに大切にしていることは、ずっと変わっていません。
「綺麗だな」と思った瞬間に立ち止まって、その花の美しさを、自分なりの視点で残していく。
そうやって花と向き合う時間を重ねてきたことが、今の私の写真につながっているのだと思います。

■撮影環境:105mm f3.5 1/400秒 ISO160
そして今年も、コスモスの季節がやってきました。
何年撮っていても、コスモス畑に立つと少しドキドキしてしまいます。
今年はどんなコスモスに出会えるだろう。
コスモスの美しさをどう切り取ろうか。
そんなことを考えながら、今年もカメラを持って、コスモスに会いに行きたいと思います。
■フォトグラファー:小春ハルカ
1995年生まれ、群馬県在住。2015年に初めての一眼レフカメラを購入し、写真を撮る楽しさに目覚める。2023年にフリーランスとして活動を開始。淡く華やかな世界をコンセプトに、自然風景や季節の花、何気ない日常のシーンなど「心が動く瞬間」を撮影。企業タイアップや観光PR撮影、写真系メディアの記事執筆、写真講師など幅広く活動している。




















