被写体検出「魚」が楽しい!お散歩カメラにもピッタリの「Nikon Z5IIC」速報レビュー
はじめに
2026年10月23日発売予定の「Nikon Z5IIC」は、Z5IIと同じ画像処理エンジンEXPEED 7を搭載したフルサイズミラーレス機です。スマホから本格的なカメラにステップアップしたい方向けに、簡単に綺麗な写真が撮れる工夫が随所に見られるカメラに仕上がっています。今回は、本機に搭載された新しい被写体検出「魚」の威力はもちろん、お散歩カメラとしての使い勝手も併せてレビューいたします。
小型・軽量でスッキリとしたフラットトップデザイン

本機のボディサイズは幅約134mm、高さ約80.5mm、奥行き72mmと、筆者のように手の小さな女性でも片手で持ち歩けるコンパクトさです。カメラトップ部はフラットですっきりとしたデザインなので、上部の出っ張りが好みじゃない方や、バッグの出し入れで引っかかりが気になる方にお勧めです。
重さは約538g(本体のみ)で、500mlのペットボトルとほぼ同じ重さです。今回の撮影では、カメラバッグではない普通のショルダーバッグやリュックに、クッション性の高いインナーバッグを入れて持ち歩いていました。
筆者が水族館撮影でよく使用する「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」や、今回スナップ撮影で使用した「NIKKOR Z 28mm f/2.8」のレンズを装着すると、見た目もちょうど良いサイズ感になり、特に「NIKKOR Z 28mm f/2.8」のSpecial Editionには、中古カメラ屋さんで購入した丸形レンズフード「HN-2」を付けているので、全体にクラシカルなムードの筆者好みの外観になりました。こうして自分好みにアレンジして遊べるボディデザインなのは、楽しいメリットですね。
被写体検出「魚」はかなりの種類の魚をカバー!

■撮影環境:f/4.2(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(14400) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード

■撮影環境:f/4(有効F値※絞り開放で撮影) 1/640秒 ISO オート(4500) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード
本機にはニコンのカメラで初めて、被写体検出「魚」が搭載されました。今回水族館で試してみて、その威力に驚かされました。魚が横を向いているシチュエーションでは、魚の目と体の色が似た色合いという、AFが苦手そうなシーンでもしっかり目を認識してくれました。

■撮影環境:f/4(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(45600) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード

■撮影環境:f/3.5(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(16000) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード
認識し難そうな透明な体を持つ魚や、背景と同じような色の魚も、被写体として認識してくれました。カメラが認識しやすいのは構図の中央部近く、カメラに近い魚を優先しているようです。さらに、水槽内の明るさが均一でない場合は、光が当たっている魚が目立つため、そちらにピントを合わせる率も高かったように感じました。
水族館撮影では、AFの精度にプラスしてISO感度やシャッタースピードの設定も必要になってくるので、それらを網羅した水族館モードをシーンモードに搭載すれば、初心者の方でも水族館撮影をもっと楽しんでもらえそうです。
いつもは手動設定しているISO感度ですが、今回は初心者でも水族館撮影が簡単にできるか?を検証したかったので、ISO感度はすべてオートで撮影してみました。ですがやっぱり、暗い水槽にいる小さな魚の場合は、ISO感度を自分で設定したほうが写し止められる率は上がると思います。

■撮影環境:f/3.5(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(6400) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード

■撮影環境:f/3.5(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(40000) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード
EVFいる?いらない?問題は⋯⋯撮影シチュエーション次第!

■撮影環境:f/3.5(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(450) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード

■撮影環境:f/3.5(有効F値※絞り開放で撮影) 1/1000秒 ISO オート(28800) WB オート0 ピクチャーコントロール スタンダード
EVF非搭載なので、ファインダーを覗いて撮影したい方には、はっきり言って向いていない機種だと思います。ただ、水族館撮影に関して言うと、人が多い館内でファインダーを覗いて撮影すると、魚の動きに合わせて自分が動いたときに、自分の体や背中に回したリュックなどが他の方に当たるリスクが大きくなるデメリットがあります。特に小さなお子さんが多い水族館では、いつも以上に周りに注意しながら撮影する必要があります。
ですので筆者は、水族館で撮影する場合はEVFが搭載されている機種でも、背面液晶と周りの状況を肉眼で見ながら撮影するようにしています。
そういう状況で、液晶モニターの約104万ドットという仕様が気になったかというと、正直、そこまで気にならないというか、気にしている間があったらシャッターを切りたいというか。それは、同条件で上位機種と並べて比べて見たら、思うところが出てくるかもですが、小型軽量で魚検出機能を使ってバシバシ撮影できている快適さを考えれば、そんなに大きなことではないような気がしました。
15種類のシーンモード搭載

■シーンモード:夜景
本機には、15種類のシーンモードが搭載されています。撮影するシチュエーションに合わせて、カメラが自動的に撮影設定を調整してくれる機能です。筆者は普段、Z8やZRを愛用しているので、フルサイズ機に搭載されていなかったシーンモードを使うのは久し振りだったのですが、これは写真初心者さんじゃなくても遊べる機能だぞ!と、かなり楽しく使えました。
搭載されているシーンは、ポートレート、風景、こどもスナップ、スポーツ、クローズアップ、夜景、パーティー、海・雪、夕焼け、トワイライト、ペット、キャンドルライト、桜、紅葉、料理です。

■シーンモード:料理
特に料理撮影は、お料理が冷める前にササッと撮影を終わらせたほうが、スマートなシチュエーションが多いと思います。あれこれ設定をいじらないでシーンを選択するだけで、綺麗な写真が撮れるシーンモードは重宝しそうですね。

■シーンモード:ポートレート
ポートレートはカメラを片手に持って自撮りしましたが、強い逆光の状況でも、見やすい綺麗な露出で撮影できました。自撮りはもちろん、スマホと連動させてアプリを使ったリモート撮影もできるので、お友達や家族との記念写真撮影で便利に使えそうです。

■シーンモード:クローズアップ

シーンモード:キャンドルライト
本体RAW動画記録とN-Logにも対応した、本格的な動画性能
本機は、本体RAW動画記録とN-Logの記録が可能です。また、最高で4K UHD 60p、フルHD 120pでの撮影にも対応していますし、5倍スロー(フルHD)での撮影も楽しめます。YouTubeやInstagramのリールなどを日常的にアップしている方は、スマホからステップアップして本機で動画を撮影すると、さらに作品制作が楽しくなるでしょう。
その他動画機能での特筆事項としては、撮影時のRECランプが搭載されましたので、逆RECを防ぐために使用すると便利でしょう。また、ウェーブフォームを表示させてハイライト部を確認したり、シャッタースピード延長機能(撮影モードS、M時に使用可能)を使ってフリッカーが出にくいシャッタースピードにしたりなど、動画撮影の基本機能はしっかり有していますので、写真だけじゃなくて、動画も本格的に始めたい方にも向いている機種です。
作例のように、色味の変わりやすい水族館での動画撮影は、後から色の編集自由度が高いRAWやN-Logの撮影ができるのはありがたいです。今回は、魚の被写体検出の精度をご覧いただくために、過度な編集は行わずに、見やすいように簡単にカレーコレクションとカラーグレーディングだけを行いましたが、またじっくりと撮影と編集をして、水族館動画を仕上げたくなりました。
独立しているお陰で使用頻度が増えたピクチャーコントロール!

■撮影環境:f/3.2 1/640秒 ISO オート(3200) WB オート0 ピクチャーコントロール CineBias-BB

■撮影環境:f/3.2 1/640秒 ISO オート(10000) WB オート0 ピクチャーコントロール CineBias-CC
本機はカメラ上部に、ピクチャーコントロールボタンが単独で搭載されています。初期登録されている31種類のピクチャーコントロールはもちろん、イメージングレシピをダウンロードして登録することも可能です。筆者はここに、REDのイメージングレシピを登録して使ってみました。これが大正解で、今までiメニューからセレクトしていたピクチャーコントロールを、上部ボタンからワンアクションで変更できるので、静止画も動画も気軽に色味を変えられました。

■撮影環境:f/11 1/800秒 ISO オート(800) WB オート0 ピクチャーコントロール CineBiasOffset

■撮影環境:f/3.2 1/500秒 ISO オート(5600) WB オート0 ピクチャーコントロール CineAchromic
ピクチャーコントロールはワンタッチで簡単にムードを変えられる楽しい機能なので、ぜひ積極的に使いたい機能ですが、メニューの奥の方に仕舞ってしまい、あまり活用されていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本機はもちろん、ミラーレス機初心者さんの一台目に購入するカメラとしてお勧めしたい機種ではありますが、ニコンのフルサイズ機を既に持っていて、静止画メインで動画もちょっと撮りたいときに、サッと持ち出せる機種として、上級機ユーザーの方にもお勧めしたい機種だと感じました。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
















