愛猫の一瞬を、可愛く切り取る撮影方法|鎌田風花

鎌田風花
愛猫の一瞬を、可愛く切り取る撮影方法|鎌田風花

はじめに

こんにちは、フォトグラファーの鎌田風花です。今回は猫の撮影についてお話ししようと思います。わんちゃんやねこちゃんと一緒に暮らしている方なら、成長とともに可愛い瞬間を写真で残したいと思っている方も多いですよね。私も一体今まで何枚の写真を撮ってきたのだろうというくらい、たくさん愛猫の写真を撮ってきました。

猫撮影において、まずはストレスをかけないように自然体を撮影することを意識しています。こちら側のペースではなく、猫のペースに合わせて写真を撮っていきましょう。犬などのペットを撮影する場合でも同じことが言える部分がいくつかあると思うので、ぜひ最後までご覧いただけますと嬉しいです。

■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/1.8 1/320秒 ISO160

室内で可愛い一瞬を撮影するポイント

明るい場所に落ち着く空間を

飼い猫の場合、撮影場所はほとんどが室内になります。ということは、光が遮られるなど暗さの問題が出てきます。我が家も採光が取れる窓が西向きのため、西陽が入る午後以降でないと少々暗いです。そんな時は、猫が落ち着ける空間を部屋の明るい場所に作ってみましょう。リラックスした表情を明るい場所で撮ることができるので、撮影しやすくなります。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/500秒 ISO160

カメラの設定を工夫する

どのようなシチュエーションを撮影するかによってカメラの設定も変えています。例えば寝ていたり、落ち着いていたりする場合はシャッタースピードが低くても大丈夫です。F値を小さくすることを優先して明るさを確保します。ボケ感も大きくなるので綺麗に撮ることができます。絞り優先モード、もしくはマニュアルモードがおすすめです。

■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/1.8 1/640秒 ISO250

また、F値を小さくすることで生活感の出る背景をボカしてすっきりさせることができます。下の写真は同じレンズでF値を変えて撮影しました。上がf/1.8 、下がf/6.3です。見比べてみると下の写真は奥にレンジフードがあると分かりますよね。f/1.8の方がより大きくボケているので、被写体である猫を自然に強調することができます。

▼F1.8で撮影

■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO400

▼F6.3で撮影

■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/6.3 1/100秒 ISO1000

猫が遊んでいるような動きのあるシーンの場合は、可能であればシャッタースピードを1/500秒以上に設定し、明るさの確保はISOを上げて調整することが多いです。動きがゆっくりの時は1/250秒以下でも撮影は可能です。この時はキャットタワーを登っていく一瞬を撮影しました。例えば犬が屋外の晴天下で走っているようなシーンでは、1/1000秒以上にして被写体がブレないようにしましょう。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8 SE
■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO2500

動いている被写体を撮影する場合に有効なフォーカスモード設定が【AF-C】です。シャッターボタンを半押ししている間は被写体を追尾してピントを合わせ続けてくれるので便利です。また、カメラによっては動物AF機能というものもあり、犬や猫の顔と瞳を認識してピントを合わせてくれます。

今回の記事内で使用したカメラ、Nikon Z 7IIやZ fcの場合はAFエリアモードを【オートエリアAF(動物)】に設定しました。

猫の習性を理解する

人にもルーティンやマイブームがあるように、猫にもルーティンやその時好きな場所などがあります。時間帯によって、または季節によって落ち着く場所が異なるようです。そんな猫たちの個性や習性を理解することで、私たちは猫たちに無理をさせることなく写真を撮ることができると思っています。

例えば、眠たい時に無理やりおもちゃで遊ばせようとしてもストレスを与え、良い写真は生まれません。猫が遊んで欲しいタイミングで一緒に遊んでいる時に写真を撮ることで、表情も生き生きとし、きっと可愛い!と思う瞬間を撮ることができると思います。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/250秒 ISO640

猫用トンネルは出口でカメラを構えると前ボケも面白く、良い表情を捉えることができるのでおすすめです。ただ少し写真が暗くなってしまうので、カメラの設定もしくは撮影後の編集で明るく調整してみてください。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8 SE
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100

顔だけでなく、足元などを写すことで写真に動きが出て印象的に撮影することもできます。

猫撮影に向いているカメラやレンズ

<カメラ>
軽量でコンパクトなものだと、おもちゃなどで遊びながらでも片手で持ちシャッターを切ることができるので使いやすいです。

<レンズ>
暗い室内でも明るさを確保できるようにF値の小さい単焦点レンズがおすすめです。今回の記事で使用した写真は全て単焦点レンズで撮影しています。

猫に負荷がかかる可能性があるので、ストロボなどは使用せず極力自然光で撮影するようにしています。普段お使いのカメラやレンズでも設定を変えると撮りやすくなることもあるので、ぜひ一度試してみてくださいね。

■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO200

さいごに

冒頭でもお伝えしましたが、撮影するにあたり私が一番大切にしていることがあります。それは、何よりもまず猫の気持ちを最優先するということ。猫にストレスをかけないよう気をつけています。成長していく様子や気を許してくれている表情など、飼い主にしか撮ることができない瞬間が必ずあります。

ぜひ皆さんも、マイカメラでたくさんの愛しい瞬間を写真に残してみてください。最後までお読みいただきありがとうございます。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/100秒 ISO500
■撮影機材:Nikon Z fc + Ai-S NIKKOR 50mm f/1.4
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO200
■撮影機材:Nikon Z fc + Ai-S NIKKOR 50mm f/1.4
■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO250

 

 

■フォトグラファー:鎌田風花
兵庫県在住。一般企業への就職を経て2017年よりフォトグラファーとして活動。ナチュラルで透明感のあるポートレートや風景写真を得意とし、家族写真の出張撮影や広告撮影、写真セミナーの講師などを務める。
近畿日本鉄道「わたしは奈良派」広告掲示(2023年春/夏)その他カメラ、レンズのパンフレット撮影など。Nikon CP+ステージ登壇(2022年/2023年/2024年)

 

 

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