富士フイルム レンズ新製品レポート|XF56mmF1.2・XF18-120mmF4・GF20-35mmF4

ShaSha編集部
富士フイルム レンズ新製品レポート|XF56mmF1.2・XF18-120mmF4・GF20-35mmF4

はじめに

富士フイルムが2022年9月9日に、Xマウントの「XF56mmF1.2 R WR」、Gマウントの「GF20-35mmF4 R WR」という新作レンズ2本を発表しました。また、発表済みだったXマウントズームレンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」の発売日も決定し、富士フイルムのレンズラインナップがさらに強力なものになっています。

XF56mmF1.2 R WR
XF18-120mmF4 LM PZ WR
GF20-35mmF4 R WR

今回はそんな新作レンズ3本について、新製品発表会で実際に触ってきた様子を製品概要と交えてレポートしていきます。なお、同時に発表された注目の新作ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-H2」の紹介記事は下記からご覧ください。

XF56mmF1.2 R WR

既存ラインナップの中望遠単焦点レンズ「XF56mmF1.2 R」がリニューアル。新しい「XF56mmF1.2 R WR」は開放F1.2の明るさはそのままに、解像性能や近接撮影性能を大幅に向上させています。大口径レンズを生かした美しいボケ味を実現し、ポートレートをはじめ被写体を際立たせた立体的な映像表現が可能な1本です。

サイズはØ79.4mm×76mm、質量は約445g、フィルター径はØ67mm。全長が短くコンパクトさはあるものの、開放F1.2の大口径レンズとあってそれなりの太さ(レンズ径)はあるなと感じました。また、諸々の性能向上を果たしたことにより従来モデルよりも若干のサイズアップもしています。

同時に登場したX-H2の高画素に対応した高い解像性能が特徴の本レンズ。非球面レンズ2枚とEDレンズ1枚を含む8群13枚のレンズ構成により、色収差や球面収差などを抑制し、画像中心部から周辺部まで高解像を実現しています。また、フォーカス群にシネマカメラ用レンズにも使用される高屈折率レンズ3枚を含む計8枚のレンズを採用することで、収差変動を抑え最短撮影距離から無限遠まで高画質撮影が楽しめます。

XF56mmF1.2 Rと比較して最短撮影距離も約20cm短縮しており、約50cmの近接撮影を実現。被写体へより近づけるため、テーブルフォトやスナップ写真など新たな構図やシーンにチャレンジするワクワク感や活躍にも期待できます。

本レンズには進化したDCモーターを搭載。レンズ全体のフォーカス群を精緻に駆動させることができる設計のため、被写体に素早く・正確にピント合わせができます。被写界深度の浅い絞り開放時などピント合わせにシビアな環境でも、安心して使用できます。また、ベアリング機構を採用したことで、レンズ駆動時のDCモーターによる摩擦を徹底的に抑制することで、モーターの駆動音も低減されています。

XF56mmF1.2 Rとの違いとして、XF56mmF1.2 R WRはレンズ名に「WR」が付いた通り、防塵・防滴・-10°Cの耐低温構造を採用しています。今までは持ち出すのを少し躊躇った雨天や川・滝・海など、新たな撮影シーンへ連れ出したくなりますね。

XF18-120mmF4 LM PZ WR

「XF18-120mmF4 LM PZ WR」の発売により、Xマウントのズームレンズに新たな選択肢が生まれました。F4通しのズームレンズにも関わらず、35mm判換算27mmから183mm相当の焦点距離域をカバー。そして、モデル名の「PZ」の通りパワーズームを搭載しており、スチール・ムービーの両方で高品位な映像表現が楽しめるハイブリッドレンズに仕上がっています。

XFレンズでF4通しと言えば、多くの人が愛用しているであろう便利ズームの「XF16-80mmF4 R OIS WR」が思い浮かびますが、本レンズはズーム倍率6.7倍とさらなる汎用性の高さを実現しています。レンズ1本で様々な撮影をしたいユーザーにうってつけの製品です。

望遠側が120mmとあってレンズサイズはØ77.3mm×123.5mmと全長はやや長めですが、手に持った時にはその長さに対して細いなという印象を受けました。質量も約460gと軽く、取り回しの良さは抜群です。広角域~望遠域までの幅広い撮影領域をカバーしながら、Xシリーズらしい機動性の高い撮影を楽しむことができそうです。

小型軽量なフォーカスレンズ群をリニアモーターで駆動させるインナーフォーカス方式を採用し、このフォーカスレンズ群を小型化することで約0.02秒の高速・高精度AFを実現。撮り逃したくない一瞬のシャッターチャンスに強い1本です。

また、X-H2Sとの組み合わせでは、ピントの追従性が大幅向上しており、カメラ側の高速フォーカス駆動制御に対応したことで、動画撮影中であっても動く被写体に自然なピント合わせが可能となりました。

本レンズはムービーユーザーに役立つ機能が盛り沢山。ズームもしくはフォーカスを可変速で制御できる「ズーム/フォーカスコントロールリング」を新搭載。リングを回した量に応じてズーム/フォーカス速度が変化するので、細かな速度コントロールも簡単に行うことができます。動画撮影における映像表現の自由度を高めてくれること間違いなしです。

このコントロールリングはレンズ側面の「Z/Fボタン」によってズームとフォーカスの切り替えが可能。同じくレンズの側面には一定速度でズーム駆動できる「ズームボタン」も新装備されています。

また、このレンズも鏡筒の13ヶ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用しています。急な天候の変化が発生する風景撮影などでも安心して使用できますね。

GF20-35mmF4 R WR

今回唯一のGFレンズ新製品「GF20-35mmF4 R WR」。GFレンズ史上最広角となる35mm判換算16mmから28mm相当の焦点距離をカバーした、GFXユーザー待望の広角ズームレンズです。既存ラインナップで最広角がGF23mmF4 R LM WRだったので、それよりも3mm分画角が広くなっていることが分かります。GFXシリーズでさらなる広角撮影が可能になるとあって、特に自然風景や都市景観などを撮影するユーザーには最適なレンズではないでしょうか。

焦点距離全域で開放F4の明るさを持つ超広角ズームレンズながら、質量約725g、長さ約112.5mmの小型軽量化を実現。構成部品にマグネシウム合金を採用したことで軽量性と高剛性を両立し、レンズの鏡筒をスリム化したことで、高いホールド性を発揮してくれます。また、ワイド端が35mm判換算16mmと超広角ながらレンズ前面にフィルターを装着することも可能です(フィルター径は82mm)。

手に持ってみても、ラージフォーマットセンサーを積んだカメラと組み合わせるレンズ、かつF4通しの広角ズームレンズとしては、かなりコンパクトな設計になっていると感じました。さらにインナーズームが採用されているので、ズーム操作をしてもレンズ全長が変わりません。取り回しの良さも抜群です。

レンズ構成は非球面レンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、EDレンズ3枚を含む10群14枚。歪曲収差や色収差などを抑制し高い解像性能を発揮します。また、ナノGIコーティングなどにより広角レンズ特有のゴースト・フレアも低減しています。GFXならではの高画質・高解像を画面の隅々まで余すところなく楽しめるレンズです。

鏡筒にはもちろん防塵・防滴・-10°Cの耐低温構造を採用。鏡筒の12箇所にシーリングを施すとともに、レンズの前玉にはフッ素コーティングをすることで撥水・防汚性能も備えます。広角レンズを使用する風景撮影において、雨・雪・猛暑などの過酷な環境での撮影や、悪天候下での撮影にも安心して使用できます。

まとめ

新作レンズの「XF56mmF1.2 R WR」「XF18-120mmF4 LM PZ WR」「GF20-35mmF4 R WR」についてご紹介しました。それぞれのレンズで、Xマウント・Gマウントユーザーが渇望していた機能を多く盛り込んだことで、ラインナップが広がると同時にレンズ選択を悩ませる、そんなワクワクする新製品発表でした。今後各レンズでレビュー記事も展開していきますので、ぜひそちらもご覧ください。

 

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