富士フイルム X-T5先行体験レポート|XF30mmF2.8 R LM WR Macroも登場

ShaSha編集部
富士フイルム X-T5先行体験レポート|XF30mmF2.8 R LM WR Macroも登場

はじめに

 2022年11月2日開催のX Summit TOKYO 2022にて発表された富士フイルムの新作APS-Cミラーレスカメラ「X-T5」。X-H2で採用された第五世代「X-Tran CMOS 5 HR」センサーと「X-Processor 5」を搭載し最新の性能を手に入れた、X-Tシリーズの5機種目となるカメラが誕生しました。

 3ダイヤルの操作系統は引継ぎつつ、従来モデルのX-T4から小型軽量化、静止画撮影に最適な3方向チルトモニターの採用、動物・鳥・飛行機なども検出できるようになった被写体検出AFなど、大幅なアップデートが施されており、特に「写真」を最優先に設計されたカメラに仕上がっています。

 同時に発表された交換レンズ「XF30mmF2.8 R LM WR Macro」も、今までのXレンズでカバーできていなかった標準マクロを埋めるレンズということで注目を集めています。小型軽量で持ち出しやすいのに等倍マクロまで撮れるという、日常のスナップにさらなる表現の幅を与えてくれるレンズになりそうです。

 こちらの新製品2種は2022年11月25日発売ということで、詳細の情報が気になるユーザーも多くいることと思います。今回は編集部が先行展示にて実際に触り、感じたことを交えつつレポートしていきたいと思います。

 

X-T5の特徴

X-Tran CMOS 5 HRセンサーで高画質を実現

 X-T5ではXシリーズ第五世代にあたる、裏面照射型約4020万画素「X-Tran CMOS 5 HR」センサーと「X-Processor 5」を搭載。前機種X-T4は約2610万画素だったので大幅に画素数をアップさせています。高画素化とプロセッサーの進化で解像性能が向上し、X-H2と同様にXシリーズ史上最高画質を実現しました。よりシャープで階調豊かな描写を楽しめることと思います。

 X-Tran CMOS 5 HRセンサーは、画素構造の改良により多くの光を効率的に取り込むことができるようになり、従来モデルでは拡張感度であったISO125が常用感度として利用可能に。より低い感度から撮影ができるようになりました。また、電子シャッターのシャッタースピードが最速1/180000秒に設定できるようになり、晴天での大口径レンズを用いた絞り開放撮影などで役立つことでしょう。

 撮影に関する様々な機能も追加されましたが、その一つが「スムーススキンエフェクト」です。GFXにはすでに搭載されていた機能であり、人物の肌のレタッチをカメラ内で自動で行ってくれるので、ポートレート写真などより短時間で完成度の高い画像データを作成できるようになります。

 オートホワイトバランスもディープラーニング技術を活用することで進化しました。AIによりオレンジがかった暖かみのある電球色を正確に識別し、より精度の高いホワイトバランスを実現しています。正しく白が出せず後加工で補正していた、という手間も減ってくれることでしょう。

 4倍の解像力と忠実な色再現による撮影が可能な「ピクセルシフトマルチショット」も搭載されました。ボディ内手ブレ補正機能によりイメージセンサーをシフトしながら自動撮影を行うことで、1回のシャッターで20枚の画像を取得し、専用ソフトウエア「Pixel Shift Combiner」を用いて画像を処理することにより、約1.6億画素の画像を生成が可能に。高画質な画像生成が求められるコマーシャルフォトといったデジタルアーカイブ用途に最適です。

 富士フイルムでは欠かせない機能である「フィルムシミュレーション」には、高彩度かつ柔らかい階調表現を特長とする「ノスタルジックネガ」が追加されました。文字通りノスタルジックなエモい写真を撮影したいときにぜひ使いたいですね。フィルムシミュレーションは全19種類のモードを搭載しており、富士フイルムならではの多彩な色表現を楽しむことができます。

 

高性能AFと被写体検出

 処理能力を向上させた画像処理エンジン「X-Processor 5」のおかげでAF性能も進化しました。特にディープラーニング技術を用いて開発された「被写体検出AF」は第5世代機の大きな特徴で、人物だけでなく動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車を検出できるようになっています。検出する被写体はメニューから選択式ではありますが、今までピント合わせに苦労していたシーンもカメラ任せで撮影を楽しめると思います。

 もちろん、AFの予測アルゴリズムが進化したことで動体へのAF追従性能も向上しました。人物に対してはマスクをしていても瞳AFがしっかりと働くようになったのは嬉しいポイントです。被写体検出の様子はぜひ下記動画から確認してみてください。

 また、X-H2と同じくイメージセンサーの高画素化により位相差画素の数が従来モデルより増加したことで、動物の毛や細かい葉っぱなどの高周波な被写体に対してAF-Sの合焦精度が向上しています。

 

ハード面の変更点

 X-Tシリーズが継承してきたISO感度・シャッタースピード・露出補正の3ダイヤルオペレーションはそのままに、細部の使い勝手を増したデザインのブラッシュアップが加わりました。まず、手に取って感じるのはX-T4からの小型軽量化。初代X-T1を思わせるコンパクトなボディながら性能はなにも損なっておらず、最新の機能を持ちだしやすいボディで楽しむことができます。ボディサイズは幅129.5mm、高さ91mm、奥行き63.8mmで、質量も約557g(バッテリー、 メモリーカード含む)とX-T4より50g軽くなりました。

 グリップの形状もX-T4から変更されワンハンドでのホールド感を増したほか、レリーズボタンがやや前方に配置されたことで人差し指が自然と置けるようなレイアウトになっています。コマンドダイヤルの感触も改良され、回しながら不意に押し込んでしまうような誤操作も防げるよう考えられています。右肩についている露出補正ダイヤルも薄く大きくなり、ファインダーを覗きながらでも親指で回しやすくなりました。さらには、背面のボタン類もより押しやすい形状に変わったほか、ブラックボディに関しては塗装が変更され質感も向上しています。

左:X-T4 右:X-T5
左:X-T4 右:X-T5

 X-T5では5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機能を搭載。X-T4のボディ内手ブレ補正は最大6.5段だったので、この部分も性能が上がっているようです。夜景などの暗い撮影シーンや動体を追いかける撮影でも、快適な手持ち撮影を可能にします。

 X-T5で注目ポイントが、3方向チルト液晶モニターを搭載したこと。動画撮影も考えたX-H2やX-T4はバリアングルモニターを採用していましたが、X-T5は静止画撮影を重視してチルトモニターになりました。モニターが光軸と同じ位置で可動するため静止画撮影がしやすい反面、自撮りには向いていないので注意してください。3方向に可動するため縦位置でのローアングルも撮りやすいと思います。モニター自体は3.0型で大きさは変わらないものの、X-T4の162万ドットから184万ドットにアップしています。

 ファインダーのスペックで言えば、369万ドットは従来と同じですが、ファインダー倍率が0.8倍に向上したほか覗いた時のレスポンスも良くなりました。さらには光学系を刷新しており、画面周辺まで見えの良さを確保。パッと構えた時の瞳の位置ずれにより発生する像流れや歪みを抑制し高い視認性を実現しています。

 バッテリーはX-T4と同じ「NP-W235」。ただ、第5世代プロセッサーは省電力化したことで静止画撮影枚数が約740枚(エコノミーモード時)と、X-T4の600枚から大きく数字を伸ばしています。もちろんボディは防塵・防滴・-10℃の耐低温構造など、ユーザーが使いやすいように設計された富士フイルムのこだわりが随所に見受けられます。

 

6.2K/30Pなど充実の動画性能

 動画機能においても多彩なアップデートが盛り沢山。X-T5では高画素センサーになったことで6.2K/30P 4:2:2 10bitのカメラ内記録が可能になりました。同じセンサーを採用するX-H2は8K動画が記録できたので、その部分でフラッグシップとの差を感じますね。

 6.2Kの豊富なデータ量から高品質な4K映像を生成する「4K HQ」モードも搭載し、「X-Trans CMOS 5 HR」の高画素センサーを生かした解像感の高い映像を実現します。

 また、従来のX-T4では動画の連続記録で30分制限がありましたが、X-T5では熱やバッテリー切れなどで止まらない限り無制限で連続記録ができるようになりました。ただ、ボディサイズから察するにX-H2シリーズのような放熱構造ではないですし、別売りアクセサリーの冷却ファンも装着できないので、その点は理解して使いましょう。

 X-H2ではProResコーデックなどを記録するためにCFexpress Type Bカードに対応していましたが、X-T5は従来から変わらずSDカード対応のデュアルスロットを採用しています。新しいカードを購入する手間もなく、統一されたメディアフォーマットで動画撮影できるのは嬉しいですね。

 その他にも階調豊かな映像記録が可能な「F-Log2」も搭載。より広いダイナミックレンジで動画を記録でき、思いのままにカラーグレーディングすることができます。さらにはHDMI経由の外部出力でProRes RAWやBlackmagic RAWも記録できるので、本格的なムービー撮影の現場でも使うことができますね。

左:X-T4 右:X-T5
接続端子は同じものの、レイアウトや蓋デザインが変更された

 

XF30mmF2.8 R LM WR Macroの特徴

標準焦点距離のマクロレンズ

 本レンズは標準域にあたる焦点距離30mm(35mm判換算:46mm相当)のマクロレンズです。既存ラインナップのマクロレンズはXF60mmF2.4 R MacroとXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroの2本で、やや焦点距離の長い中望遠系のレンズでした。対してXF30mmF2.8 R LM WR Macroは人間の視野に近いとされる標準域の焦点距離で、自然な遠近感のあるポートレート撮影やスナップ撮影で活躍するレンズとなっています。

 注目のスペックが最短撮影距離10cm、最大撮影倍率1倍(35mm判換算:1.5倍相当)という点でしょう。レンズ先端からなんと最短約1.2cmまで被写体に近づいて撮影することが可能です。植物や昆虫などを大きく写した迫力のある等倍マクロ撮影ができるのはもちろん、シズル感などの繊細な表現が求められるテーブルフォトなど、撮影距離が限られたスペースでもシャッターを切ることができ、1本で多彩な写真撮影ができるようになります。

 

高速&高精度AF・コンパクト設計を実現

 非球面レンズ3枚とEDレンズ2枚を含む9群11枚を採用し、非球面レンズの形状や配置を最適化。レンズの構成部品を軽量化したことで、質量約195g・長さ約69.5mm・フィルター径43mmのコンパクト設計を実現しました。手に持ってみてもかなり細身に感じるサイズ感で、携帯性の高い日常使いの標準レンズとしても活躍してくれそうです。Xレンズらしい金属外装の高品位な外観、Aポジションロック付きの絞りリングも装備されています。

 広角マクロでは一般的な全群繰り出しではなく、インナーフォーカス設計を採用した点も特徴。しかも、モデル名の「LM」の通りAF駆動にはリニアモーターを使用しており、ストレスのない高速&静音AFを可能としています。従来のレンズはリニアモーターを搭載するとその構造上どうしても鏡筒が太くなっていましたが、XF30mmF2.8 R LM WR MacroはAFユニットが小型化できたことでコンパクトプライムレンズで初めてリニアモーターを搭載した製品となっています。

 

さいごに

 X-T5は原点回帰とも言うべき、静止画重視の使い勝手を向上させたことで、X-T4とはまたひと味違った魅力的なカメラになったと感じました。動画も撮るならフラッグシップのX-H2シリーズがおすすめですが、静止画のみというユーザー、チルトモニターが使いやすい!という人にはまさにX-T5がマッチするでしょう。

 XF30mmF2.8 R LM WR Macroも、Xレンズの標準域マクロを待っていたユーザーには嬉しいラインナップ拡充ですね。小型軽量で機動力も高いので、持ちだす頻度も高くなりそうです。これらの新製品は動画でも解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。今後ShaShaでは本製品のレビュー記事も展開していきますので、ぜひそちらも楽しみにしていてください。

 

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