大容量で使いやすい!星空写真家・タイムラプスクリエイターが選んだカメラバッグ|VANGUARD「ALTA SKY 53」

成澤広幸
大容量で使いやすい!星空写真家・タイムラプスクリエイターが選んだカメラバッグ|VANGUARD「ALTA SKY 53」

はじめに

 みなさんに質問です。今使っているカメラバッグに満足していますか?この質問にYESと答えられる人はどのくらいいるのでしょうか。カメラという趣味は、よく「沼」だと言われます。そのときに購入したもので満足していても使っているうちに別のところに不満が出てしまい、次から次へとアップデートの波が終わらない……というものです(それが楽しいのですけどね)。実は、一番の沼はカメラバッグなんじゃないかなと私は思っています。

 こんなときに使う大きいやつが欲しい、あんなときには小さいやつが欲しい、買ってみたけどあれれ……そうか実際に使ってみるとここがこうなるのか!うーむじゃあそれができるやつはどれだろう?みたいな感じで、用途別に揃えたり、使ってみないとわからないことが多かったりという分野の沼、それがカメラバッグなのではないかと思います。

 今回はそんな私がなんと3年間も愛用しているカメラバッグ、VANGUARD「ALTA SKY 53」のご紹介と、私がなぜこのカメラバッグを選んだのかという理由についてお話したいと思います。

VANGUARD(バンガード)とは

 VANGUARDは台湾のカメラ・ビデオカメラアクセサリーメーカー。三脚・カメラバッグをメイン製品として展開しつつ、双眼鏡やスポッティングスコープ(単眼鏡)などの光学製品も手がけています。日本国内での取扱いは、VANGUARDグループ日本法人であるガードフォースジャパンが行っており、もちろんカメラのキタムラでも購入可能です。近年は製品の質が格段に向上し、同社のカメラバッグや三脚を使用しているユーザーも多いのではないでしょうか。

私とALTA SKY 53

購入初日に自宅で撮影した新品の状態。現在に至るまでの長い付き合いになりました。

 このカメラバッグを購入したのは2020年2月のこと。このときの私は大容量バックパックに飢えていました。一度に写真・動画・タイムラプス撮影をこなす私の撮影では、複数台のカメラとレンズを持ち歩くことは必然。そして同じ台数の三脚も必要になります。ときには赤道儀やタイムラプススライダーまで……なるべく大容量で、それでいて機能的なものを欲していました。

 私がこのカメラバッグをおすすめする理由は、非常に使いやすいカメラバッグであることに加えて、今現在まで一度も壊れていないことです。色々な厳しい環境に持っていき、ハードに使用していましたが、今のところどこも壊れていませんし、壊れる様子もありません。私が壊したカメラバッグは数知れず、そんな私が長く使えているということがこのカメラバッグの一番のセールスポイントなのでは、なんて思ったりします。

 それではVANGUARD「ALTA SKY 53」を紹介しながら、私がカメラバッグを選ぶポイントを説明しましょう。

選ぶポイント1:大容量、大型レンズが“縦”に収納できる

大容量で機材がたくさん入ります。でも自分が持ち運べる重さ・大きさなのかどうかも注意して選ぼう。中敷は自由に付け替えられるので自分の機材に合わせてカスタマイズ可能。

 なるべくたくさんの機材を持ち歩きたいので、大容量なカメラバッグであることが第一条件。ALTA SKYシリーズは5種類あり、ALTA SKY 53は3番目に大きなカメラバッグになります。これよりも大きなカメラバッグも使いましたが、さすがに大きすぎて持ち運ぶのが辛くなりました。

 また、容量だけでなくバッグの奥行・深さも気にしています。基準は、星空撮影向きの超広角レンズが縦向きに入ること。超広角レンズは長いものが多いので、カメラバッグの奥行が足りないと横向きに収納することになってしまい、スペースを効率的に使用できません。ALTA SKY 53は大きな出目金タイプの広角レンズもだいたい縦に収納できます。

星景写真用レンズでよくある大口径レンズが縦に入るかどうか。収納スペースを確保するためには気になるポイントだ。ALT SKY 53は奥行(深さ)があるのでこの点も安心!
ここで収納しているレンズは「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」。「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art」や「TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2」などの一眼レフ用大口径超広角レンズでも収納できた。

選ぶポイント2:三脚は後ろに、サイドポケットは両サイドに必ず欲しい

 カメラバッグに三脚を取り付けて運ぶ時、最もポピュラーなのは横に三脚を固定するタイプだと思います。でも私はそれがあまり好きではないんです。

 手軽ではあるのですが、片側に荷重がかかり歩くのが疲れてしまうというデメリットがあります。そうならないように、両サイドの重さのバランスをとる配慮が必要になったりするので、軽めの機材だと運用がしづらいと感じます。ALTA SKY 53はカメラバッグの後ろに取り付けることができるため、片側に荷重がかかって歩きづらいということはありません。

このように外側のカバーを外すと三脚を取り付ける部分が現れる。アタッチメントも複数ついており、位置も変えられる。
重くはなりますが、太めの三脚でもがんばれば2本取り付けることが可能です。
Leofoto LS-365CとLS-324CEXをカメラバッグに取り付けた状態。さすがに重かったがこれで頑張って運んでいた。両サイドに取り付けてバランスが崩れるよりは遥かに持ち運びしやすい。
三脚によっては2本同時に運搬するのはきつい場合もあるので、1本はカメラバッグに、1本は三脚ケースに持ち歩くなど、無理せずに運搬しよう。
動画撮影時はここを開かずにジンバルを挟んで運搬するなど、三脚以外のものを運搬するときにも重宝する。ここで取り付けているのはMOZA Air 2Sだがちょっとはみ出し具合が気になる。MOZA AirCross 3くらいだとちょうど良いサイズで運搬できた。

 そして両サイドにも、もちろん大きく深めのポケットが欲しいです。スマホやペットボトルを入れるために重宝します。かなり深めのポケットなので運搬中に落下してしまうこともありません。

 私はタイムラプス撮影でIFOOTAGE Shark Slider miniというスライダーをよく使用します。このスライダーはレールが分割できるので、このように両サイドのポケットにスライダーレールを差し込んで運搬しています。

 タイムラプススライダーを使った実際の撮影風景。現地ではこのように組み立てて使用します。このシステムが入るカメラバッグであることが私には重要。

 最近は大きい三脚をがんばって運ぶことをやめて、より軽量なトラベル三脚を2本つけて運んでいます。2本使うならこのくらいのサイズ感がちょうどいいかもしれません。

この装備でちょっとした登山をすることもあります。ここで取り付けているのはLeofoto LS-224CとLS-255CEXです。

選ぶポイント3:開閉は背中側から、PCは背中側に欲しい

 カメラバッグの荷物を取り出す開閉は背中側が大きく開くタイプが好きです。背中側(内側)が開くタイプであれば、反対側(外側)を地面に置くことができ、再度カメラバッグを背負ったときに自分の背中が汚れることがありません。また、PCも背中側に入れるタイプが好きです。これも反対だとカメラバッグをぶつけてしまったときにPCが破損する恐れがあるからです。

 また、PCって意外に重いので、背中側に入れたほうがバランスが良くなり歩きやすくなるメリットもあります。ALTA SKY 53はこの点もパーフェクト。画像で収納しているのはiPad miniとMacBook Pro 13インチ。PCはもっと大きいサイズのものでも収納可能です。

選ぶポイント4:丈夫なファスナーとチェストベルト、そして複数のポケット

 大容量を持ち歩くので、生地はもちろんですがファスナーも丈夫でなければなりません。私が使うカメラバッグはだいたいファスナーから壊れます。大きくしっかりしたファスナーがいいですね。そして私はなで肩なのでチェストベルトも必須!これがないとずるずると肩からショルダーベルトが落ちてしまい、かなりのストレスになります。安定した運搬・歩行をするためにも細かいですが大事なポイントです。

 そしてこのカメラバッグ、紹介できないほどに小さなポケットも数が多いです。大きいものだけでなく、小さい物を収納できるスペースも充分に確保しています。

上部が開閉して瞬時にカメラを取り出せる

 歩いていて、突然カメラを構えたくなるときもあります。そんなときに備えて、レンズを装着したカメラをいちばん上に入れておきましょう。ALTA SKY 53は上部からもアクセスができます。カメラバッグを前に持ってきてカメラバッグの上部を開ければ、すぐにカメラを取り出して撮影することも可能です。

最後に

 いかがでしたでしょうか。カメラバッグは妥協せずにご自身のこだわりポイントをしっかりと網羅したものを購入すべきだと思います!少々高くても自分にあったものを選びましょう!このカメラバッグはまだまだ私の撮影で活躍してくれることでしょう。

 ALTA SKY 53は私のYouTubeチャンネルでも解説しています。カメラバッグの中身を全部見せているので、こちらも合わせてご覧ください。

 

 

■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」「星空写真撮影ハンドブック」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員

 

関連記事

人気記事