#『コンパクトフィルムカメラの世界』|フィルムカメラの魅力 国分真央

国分真央

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はじめに

初めまして!フォトグラファーの国分真央と申します。
今後フィルムカメラについて連載をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回はフィルムカメラの中でもチャレンジしやすい、コンパクトフィルムカメラについて話していきます。

フィルムカメラは思うより難しくない

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■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film

フィルムカメラというと、デジタルより難しいんじゃないか、失敗したらどうしようと思われる方も多いと思います。今回はそんな方が1歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

まず写ルンですを始め、コンパクトフィルムカメラは意外と身近にあるものです。中古を扱うカメラ屋にも売っていますし、フィルム装填が簡単なのも魅力的です。

フィルムの入れ方が分からない場合は、買ったお店の店員さんも教えてくれますし、YouTubeでも見る事ができます。おすすめはオートフォーカスかつ自動巻き上げのタイプです。

カメラを手に入れたら早速、街取りのスナップから撮っていきましょう!

カメラと仲良くなること

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■機材:Konica BiG mini Rhodium
■フィルム:Kodak Gold 200
■遠くの光がとても印象的だった瞬間。

まず、カメラを手にいれたら思い切って、心のままに好きなものを沢山撮ってみましょう。ポケットに入る様な手軽さと、好きな瞬間をすぐ撮れるところが魅力的です。

『なんかいいな』と思った光や、街の風景を撮る事が、後から見た時に特別な瞬間に繋がるのだと思っています。

そうして、何枚も撮るうちにカメラの機能や使い勝手が自分の手に馴染んでいきます。私はまず手にいれたらカメラと仲良くなる様な、そんな感覚でシャッターを切ります。

自由に撮ることで見える「何か」

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■機材:Konica BiG mini Rhodium
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■整列された椅子に赤いベルトパーテーションが印象的だった。社会の縮図の様な。

私はよく、コンパクトフィルムカメラを持って散歩をする事があります。ポケットにカメラを入れて、好きな音楽を聴きながら心のままに撮ります。

何気ない風景もフィルムカメラで撮る事によって味が出て、スマートフォンで撮る写真とはまた違う雰囲気になります。心のままに、何の制約も無く、自由に撮れるところがコンパクトフィルムカメラの楽しいところであり、またそれが、このカメラの醍醐味でもあると言えるのかなと思います。

慣れてきたら身近な人を撮ってみよう

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■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film
■水たまりに映る友人の影を撮影してみた。

ある程度慣れてきたら、今度はポートレートも撮ってみたくなるものです。私の場合、スナップで街の人を撮るよりも友人を誘って出かけた時に撮ります。

コンパクトフィルムカメラはオートフォーカスのものが多いので、距離だけ気をつけて撮影します。今までのように風景ならある程度、俯瞰的で距離もあるのでピントが合っている事が多いですが距離感が近すぎると被写体がボケてしまうので、近いものを撮る時だけ距離感に気をつけます。

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■機材:Canon autoboy mini T
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■公園で一休み中に芝生で撮った1枚。友人のスカートの色と靴が似ていて双子みたいだなと。
花は買っておいたもので、より双子感を出す為に靴下にはさんでみました。

時間は関係ない

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■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film
■内蔵フラッシュを使用して夜の公園で撮影。ちょっとしたメタファーを意識。

持っているカメラがフラッシュ付きなら、夜の撮影にも使えます。
先述した通り、人や近いものを撮る時は距離感だけに気をつけて、あとはボタンを押すだけ。自分の表現を止めないというのも、すぐ撮れるコンパクトフィルムカメラの良さです。フラッシュ機能を使う事で、よりストリート性のある写真に仕上がると思います。

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■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■暗くなってきた河川敷で咲いていた菜の花と友人を撮影。
フラッシュONにし、自分が少ししゃがみ人と花を撮る事で、流れる様な目線で撮れた。

更に慣れてきたら、小道具を使って撮るのも良いですが、現地のものと組み合わせて撮るのもアリです。春になったら川沿いに咲いている花や石や漂流物でも、何でも私は使います。

まとめ

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コンパクトフィルムカメラの可能性は無限大です。
夕焼けが綺麗な町並みや日常を撮るのもよし、そこからポートレートやクリエイティブな撮影で使うのも良しです。撮るまでの動作が少ないので、より感覚的に楽しめるものですし、他のフィルムカメラを始める上でもステップアップの一つと成り得ます。

まだ持っていない方は、1台持っていても良いのでは?
勿論、フィルムカメラで撮影した写真は、カメラのキタムラで現像できます。
思うままに写真を楽しみましょう!

■写真家:国分真央
東京都出身/写真家。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に山梨県に移住し関東を中心に活動。美しい色合いと自然が溶け込む様な写真が特徴的であり、独特な色合いが特徴的な世界観を確立させている。書籍や広告写真、CDジャケット等活動は多岐に渡り、近年はフィルム写真での活動も幅広く活動中。

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