これはAF前夜。Canonのフィルムカメラ AL-1 レビュー
はじめに
こんにちは。杉本です。
今回は初めてフィルムカメラのレビューをします。
昨今フィルムカメラが流行中なのか、SNSでもフィルムユーザーの写真を多く見かけます。
しかしフィルムカメラは情報が少ないのが実情で、購入に勇気が必要な環境なのかなとも感じています。それでも以前よりはかなり充実している印象ですが、この記事ではCanon AL-1を中心に、カメラの立ち位置やフィルムの種類を記載できたらと思います。
基礎情報
Canon AL-1の発売は1982年、なんと昭和57年です。僕もまだ生まれていません。
CanonにはHP内に歴史館があり、細かい時系列はこの辺りで調べることが可能です。
一応僕も読んだことはありますが、全てを暗記しているわけではありません。間違いを堂々とは書きたくないので細かい歴史に興味のある方はこちらをご覧ください。
https://global.canon/ja/c-museum/history/story06.html
またこちらのキヤノンカメラミュージアムでも同機の情報をみることが可能です。
https://global.canon/ja/c-museum/product/film106.html
これらの基礎情報はカメラを扱う上で必須というわけではないです。でもフィルムカメラ等の古いカメラが好きな方や興味のある方は、こういった情報が好きな方も一定数いらっしゃる印象があるので貼っておきます。僕もフィルムカメラを買う時はこういった歴史などを調べるようにしています。
ちなみにAF前夜と書きましたが現実にはAF(オートフォーカス)はこの数年前にオートボーイで実装されているはずです。なぜタイトルでAF前夜と書いたのかについては後述します。
基本情報(使用感)

■KODAK ProImage100
上記の「製品」としての基礎情報とは別に、ここでは僕が愛用している中で感じた基本的な情報を書いておきます。
AF前夜とは。
この辺は複雑なので開発の流れを細かく書いていくと、それだけでレビューでは扱えない文字量になります。先ほどの歴史館でみてもらう方が間違いないと思います。
僕が言いたいのはこのカメラにAF機能はないということです。
僕はこのAL-1の前にAE-1というカメラを使っていました。このカメラにもAFはありません。しかしAL-1はピントが合った時にファインダー内に丸いマークが点灯します。
AE-1などはそういった機能がなく、あくまでもファインダー内で目視で合わせる必要があります。僕は乱視があるのですが、ピントがあっていると信じてシャッターを切っても合わないことが頻発しました。そこで、「どうにかMFでもピントが正確にあうカメラ」ってないのかなーと調べてAL-1に行き着いたという経緯があります。当時はフィルムカメラ初心者だったこともあり調査不足でAE-1を購入した感じですね。その後AL-1に乗り換えてからはこのカメラはずっと手放さず使用しています。
AFではないですが、ピントが合っていることを教えてくれるカメラ、そしてその後AF機が普及していくその間を担ったカメラとして今回AF前夜と表現しました。
マウント
ここは少しややこしいです。ある程度カメラの知見がある方は問題ないと思うのですが、そこまで詳しくないと思わぬトラップに陥る事があるのでしっかり書いておきますね。
Canonの現行モデルはミラーレス機が主流です。ミラーレスのカメラは「RFマウント」というマウントです。
一眼レフの時代(RFの前)は「EFマウント」というマウントのレンズが使用されていました。マウントが違うと直接カメラにレンズを取り付けることはできません。アダプターというマウント変換器が必要です。
さらにフィルムカメラ時代は「FDマウント」というマウントのレンズが使用されています。ややこしいことにFDマウントの後に「NewFDマウント」というものが存在します。
これらの違いは基本的にはレンズ脱着の際にレンズの根元にあるリングを回すのか、レンズごと回すかの違い程度の認識でいいと思います。大切なことはどっちのマウントでもAL-1で使用できるということです。
ちなみにさらにややこしい話でCanonの後期のフィルムカメラはEFマウントになっているものもあります。
まとめておきます。
カメラ名がEOR R5、R5 Mark II、R6などミラーレス機はRFマウントです。
EOS 5D Mark IVや6D Mark IIなどはEFマウントです。
AL-1をはじめ、AE-1やFTbなどはFDマウントです。
そしてEOSという名前がつくフィルムカメラはEFマウントです。
購入前に必ずマウントがどれであるかを確認してください。最初はややこしいですが慣れるとそんなに難しく感じません。Canonの一眼レフだからフィルムカメラもCanonで揃えようと思って買ってみたらレンズが嵌まらないというのはあり得る話です。
前置き長くなりましたが
今回初めてフィルム機のレビューをするということもあり、かなり丁寧に長く書きました。次回以降はこの部分は省略できるかもしれません。

■KODAK PORTRA400
写りは基本的にフィルムとレンズに依存します。
どんなフィルムを入れてどんなレンズを使うのか、デジタルカメラと違ってセンサーに当たる部分のフィルムも入れ替えなければならないので、カメラは自分のイメージした操作感と合っているのかが非常に大切です。あとは、このレンズを使いたいからこのマウントのボディを選ぼうみたいな思考が一般的だと思います。
このカメラを選ぶメリットとしては、以下のようなポイントが挙げられると思います。
・FDレンズは今でも選択肢や球数が多く安価なものも多いこと
・ピントが合っていることをカメラが教えてくれる
・単四電池で稼働する(コンビニなどでも買いやすい)
・MFで手間をかけた感じが楽しみやすい
・露出の調整もそこまで難しくない
等々の理由が自分の求めているものとマッチした時に選択肢になると思います。
操作は簡単

■FUJICOLOR PRO400H
基本的に任意のF値にして、あとはファインダー内で指定してくるシャッタースピードに変えてあげるのが簡単な運用だと思います。
ただしシャッタースピードが1/1000までしかありません。
例えばF1.4で撮影したいけど、1/1000では明るすぎるとなった場合には絞って露出を合わせていく形になります。
FDレンズの選択肢も多い

■FUJICOLOR PRO400H
現在は多少値上がりしてきたものの、FDレンズは安価なものが多いです。
僕はFD28mm F3.5とFD50mm F1.4、FD135mm F2.8などを所有していますが、当時は3本合わせても一万円以下で購入できました。カメラ本体のAL-1も使いやすいさと裏腹にまだまだ安価に手に入る部類だと思います。フィルム価格が高騰していますが、機材そのものはセットでもある程度揃えやすいので非常におすすめのカメラです。
弱点もある

■KODAK ProImage100
古いカメラですから弱点は当然あります。
まず電池室の蓋が脆いです。脆いというか調べた範囲だとスプリングが強すぎるらしいです。購入するときは健康なものを選びましょう。また先にも述べましたがシャッタースピードが少々遅く、特にISO400以上のフィルムを入れた日中などは開放で撮れないことも多々あります。この辺を嫌うならNDフィルターやISO100のフィルムを使うなどの工夫が必要ですが、毎回そういった手間をかけるならもっと高速でシャッターを切れるカメラを購入する方がいいと思います。最高速で1/1000です。ISO400のフィルムなどを入れると日中に開放で撮影することは難しくなります。
ただしやれることがそこまで多くないゆえに扱いやすい、シンプルな操作性が魅力という側面もありますね。僕も結構な台数のフィルムカメラを使用してきましたが、レンズ交換式ならこのカメラはすごく使いやすく気に入っています。
現像

■KODAK ProImage100 (期限切れ)
フィルムには使用期限があります。切れて撮るとこのように少し濁った写りになります。僕はこの感じも好きで特にデニムを撮影する時には期限切れのフィルムを使うこともあります。基本的には期限内のものを使いましょう。
また、このメディアの掲載元であるカメラのキタムラなど現像できる場所は調べると意外と多くあります。データ化してもらったり、スマートフォンにデータを送ってもらうなども可能ですので店員さんに相談してみましょう。
デジタルとは違う楽しみ方

■KODAK ProImage100 (期限切れ)
フィルムは撮影枚数が決まっています。
24枚撮りや36枚撮りなどフィルムによって違いますし、ISOも基本的に途中で変更できません。デジタルのようにその場で確認したり消したりもできません。
はっきり現代の価値観で言ってしまえばコスパも悪いです。
でもフィルムにしかない楽しさもあると思っています。
デジタルとフィルム、優劣があるとは思っていませんが撮影体験として楽しいのは間違いないのでぜひ興味のある方は試してみてください。
Canonのフィルム一眼レフは選択肢が多く健康な球数も多いです。またレンズもラインナップが豊富で安価なものが多いので、これから始める方にはとてもおすすめのカメラです。
僕は他にも色々なフィルムカメラを所有していますので、またお気に入りの機材を紹介できたらなと思います。ではまた。
■写真家:杉本優也
東京都生まれ東京都在住。妻を撮影し続けている活動がテレビメディアに特集されたことを機に、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。ライブ撮影やメーカーへの作例提供、機材レビューなどの活動をしている。















