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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.09.09【Vol.028】

ピントとAFの話

以前、「カメラの進化の話」のところで少し触れましたが、写真を撮影する上で大変重要なピントを合わせる機構については、写真が発明されて以来長年研究が続けられてきました。初めの頃は、レンズを回してピントを合わすというよりは、カメラの位置そのものを動かして被写体との距離を測りピントを合わす方法も多かったようです。次第にカメラにピントを調節する機構が備わったり、レンズをまわしてピントを合わすことが一般的になるわけですが、それでもレンズが暗かったり、機構的に精細なピント合わせが難しかったりと、撮影者にとって数ある撮影動作のうちでも大変負担を強いる作業でした。

時代が進むにつれ、カメラの電子化と共に現在ではAFによるピント合わせが当たり前になり、なお進化を続けているのですが、実際にカメラにAFが搭載されたのは、1963年の試作を経て、1977年に販売されたコニカC35AFが世界初のAFカメラになります。

では、どうやってAFでピントを合わすのでしょうか。AFの検出方式を見ていくと、大まかに分けて2パターンあり、レンズ面のピントを検出する方法と、被写体までの距離を検出する方法が挙げられます。そしてその分類の中にアクティブAF、パッシブAFという方式があります。それらの特徴をごく簡単に見てみると、アクティブAFは被写体に向け赤外線を照射して(一部カメラで超音波を照射するものもありました)距離を測りピントを合わし、パッシブ方式は被写体のコントラストを検出してそのズレ量によりピントを合わせます。またそれぞれ長所短所があり、比べてみると

  • アクティブAF方式
  • パッシブAF方式
  • 暗いシーンに強い
  • 暗いシーンに弱い(AF補助光の投影で補う)
  • 風景などの遠距離に制限がある
  • 距離に関係なしに検出
  • 透明ガラスなど反射物の影響
  • 遠距離、近距離が競合した場合に迷いやすい

などが挙げられます。

それぞれ、特徴を備えたカメラで実際に撮影を行うとわかりやすいのですが、主にコンパクトカメラにおいてアクティブ方式が採用され、一眼レフの場合はレンズを通過した光(TTL)を使ってピントのズレ量をカメラ内部やフィルム面(撮像素子面)で測るためパッシブ方式が採用されています。なお、一眼レフに使われているパッシブ方式の中でも細かく見ていくとピント検出の方式が分かれているのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。