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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.05.27【Vol.013】

今は無くなったカメラ機能の話

カメラの進化やフィルムの話しなどが続いていますが、今回はかつて備わっていたカメラの機能についてお話しします。

いまとなっては、フィルムをいちいちカメラに装填することなく、写真を撮影できるようになりました。カメラの進化のところでも触れたように、デジタル化がもはや一般的になったからです。それに伴いデジタルカメラではフィルムを装填する部分、フィルム室が無くなり、またフィルムを巻き上げる機構そのものが廃止されました。当然カメラの背面はフィルムを入れるために開閉式の蓋(裏蓋)になっていて、開けると中心にシャッター幕がむき出しで見えていました。今はその代わりに撮像素子、センサーが埋め込まれ、バッテリーの大容量化に伴い、電池室がかなりのボディーの多くの面積を占めています。フィルムに関連すると他にもフィルムの巻上げレバーが廃止されたり、撮影後の巻き戻しボタンやクランクもなくなりました。

一方で、ISO感度に関連する機構は形を変えながら残っています。フィルムの場合、感度はすべてフィルムによって変更していました。ですので、今使っているフィルムを撮影者が把握していないといけません。いつも使うフィルムの銘柄が決まっていればいいのですが、いろいろ変えたり、長い期間撮影していないと忘れてしまいます。そのためカメラにはフィルム覚え用の指標が付いていました。またカメラに露出計が付いているものは手動でカメラにISO感度を設定したりと、撮影前に行う準備が必要でした。現在は、ISO感度を一枚ごとに変更できるので、そのような操作自体が必要なくなりましたが、ただ感度を変更する認識するという点では形を変えて備わっています。

他に、レンズそのものに備わっていた絞り操作環もそのほとんどが現在では消えてしまいました。ボディー側で露出にかかわる操作すべてが行えるようになったからです。また、一部高級機種ではファインダーそのものを交換することも出来ました。非常にコストの掛かる機構であり、シビアな防塵、防滴性能も密封している場合よりは少なからず劣ってしまいます。今となっては消えてしまったカメラの機能の一つです。

フィルムカメラも成熟期を迎えたものはその機能のほとんどが自動化され、使いやすくなりましたが、それでも撮影者による多少の知識によってようやく撮影が出来ていました。それを考えると、今のデジタルカメラは本当に易しく扱えるようになりました。