スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.18|所沢航空記念公園

富久浩二
スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.18|所沢航空記念公園

はじめに

 秋に撮るものと言えば紅葉が最初に頭に浮かんでくるが、私が秋一番通い続けているのがここ所沢航空記念公園だ。日本の航空発祥の地だけあって敷地が広く、秋の紅葉と冬のスナップを特に楽しむことができる。そんな公園での紅葉やスナップをどう撮るのか10枚ほど紹介したいと思う。

水たまりの紅葉

 去年ここで思いついた撮り方。まず、もみじの葉っぱを水たまりの中の小石などを使って水面に垂直に立たせるようにする。あと1つなにかあるとインパクトが出せるかなと近くにあるもので考え、蜘蛛の糸と長い枝で空から葉っぱを吊るしてみた。風でふらふらするので、こう撮るのはなかなか難しかった。

■撮影機材:ソニー α7R III + ミノルタ AF APO 200mm F2.8G
■撮影環境:1/400秒 f/4 200mm ISO1000

中央広場

 秋、道中に桜の木があれば虫食いの紅葉した葉っぱが沢山落ちているので、いい色、穴の開き具合のものがあれば手に持ったまま目的地へ。
 
 現場に着いたら、葉っぱを太陽に透かす為に逆光の状態で人が通る場所を選ぶ。ここで超広角レンズを思い切り絞ってカメラにくっつけ、穴の位置に被写体を入れるとこの様になる。ぼかすと葉っぱの模様が出せずあっさりしすぎるので、最大まで絞ること。 

■撮影機材:ソニー α NEX-5R + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D
■撮影環境:1/50秒 F22 ISO100

ススキに紅葉ボケ

 この様に撮るには条件がある。まず明るい135~300mm辺りの望遠、太陽の逆光、強い点光源があること。ここでは噴水の反射を使っている。レンズの表面に少し濡らしたモミジの葉を張り付け、あとは手前のススキにピントを合わせて点光源を背景にして、もみじボケになるところでシャッターを切る。点光源が重なりすぎても絵にならないし、難しいが決まると印象的な写真になってくれる。

■撮影機材:ソニー α7R III + ミノルタ AF APO 200mm F2.8G
■撮影環境:1/5000秒 f/2.8 200mm ISO100

消防署の出初式

 隊員の訓練中に赤い服の子供がやってきて、指図している様にみえたのが面白くてシャッターを切った。位置だけではなく手の形を見てほしい。まさにどんな状況?ってなる面白い写真になった。 

■撮影機材:ソニー α7R III + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:1/320 f/5.6 50mm ISO100

芝生広場1

 航空公園と言うだけあって中央広場では模型飛行機(ゴム動力可)を飛ばして遊ぶことができる。常時野外展示されている輸送機と大きめの模型飛行機、飛ばしている親子を三角で結ぶ構図で狙ってみた。

■撮影機材:ソニー α7R III + ミノルタ MD ROKKOR 50mm F1.2
■撮影環境:1/8000秒 ISO100

芝生広場2

 冬の雲一つない空と紙飛行機、それを見る赤いジャンパーの少年。電波塔が欠けてしまえばつまらない写真になっていたと思う。

■撮影機材:ソニー α NEX-5R + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D
■撮影環境:1/8000 秒 F22 ISO100

大きな枯れ葉と紅葉

 ここ航空公園は巨木が多く木の種類も多い。そんな中、紅葉した葉に引っかかっている大きな枯れ葉を見つけた。雨で葉緑体の透けた感じが良かったので逆光になる方から撮ってみた。その場で気に入った部分にフォーカスして、適正露出になる様に調整している。

■撮影機材:ソニー α7R III + ミノルタAF APO 200mm F2.8G

バスケットコート

 冬は午後2時でも十分に影が長くなるので、このような逆光シルエットの写真が撮りやすい。ボールの位置、人がなるべく被らない様に気をつけながら。

■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D

あとがき

埼玉県所沢市の航空記念公園は、秋の巨木の紅葉、冬の飛行機模型をからめたスナップと、他の公園が少し寂しくなる時に撮るものが増えるので重宝している。 

池袋、新宿からは思うほど遠くもないので、秋の終盤や冬にいってみると普段なかなか撮れない瞬間が沢山あると思う。冬は天気が良ければ終日、秋は朝と14時くらいがねらい目。

 

 

 

 

 

 

■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。

 

 

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