ソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS レビュー|野鳥撮影コスパナンバーワンの超望遠ズーム
2025年9月27日(土)に山田芳文さんを講師に迎えたソニープロカメラマンセミナーを開催します。「αで撮る日本の野鳥風景」をテーマに撮影のコツやおすすめの機材などを解説します。
セミナーは全国のカメラのキタムラ50店舗にて無料ライブ中継!野鳥撮影について学びたい、ソニーのカメラやレンズを使ってみたいと考えている方はぜひ奮ってご参加ください。セミナーの詳細は文末に記載しています。
はじめに
今回はソニーのαを使って野鳥を撮影している人が、いちばん使っているレンズ(ではないかと僕が感じている)FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを紹介していきます。このレンズは位置づけこそGレンズではあるものの、Gマスターと遜色ないほどの解像力で野鳥をシャープに描写してくれます。そしてプライスもお得感があり、野鳥撮影レンズのコスパでランキングをつけるのであれば、このレンズがいちばんではないかと個人的には思っています。そんな野鳥撮影で定番の超望遠ズームレンズを作品とともに解説していきます。


200mmと600mmの画角を比較(フルサイズボディの場合)
フルサイズのボディをつけた時に200mmと600mmでどれぐらい画角が違うのかを撮り比べましたので、下の2枚をご覧ください。
それなりに広い池にいたヨシゴイを200mmで撮影した上のカットは、池が大きいことは十分にわかる写真となっています。ヨシゴイは全長が35cm前後しかなく日本のサギの仲間では最小の鳥です。写真の中でヨシゴイの面積配分が小さく、周囲の環境も広めに写っているので、そのサイズ感が伝わります。
一方で、600mmで撮影したカットは池の大きさやヨシゴイのサイズ感は伝わりにくいかと思われますが、画面はシンプルにスッキリと整理され、主役のヨシゴイが浮かび上がっています。
▼200mm

■撮影環境:200mm F16 1/125秒 ISO400
▼600mm

■撮影環境:600mm F6.3 1/500秒 ISO400
200mmと600mmの画角を比較(APS-Cボディの場合)
次にカメラ本体をAPS-Cセンサーのα6400と組み合わせた時に、200mm(35mm判換算300mm相当)と600mm(35mm判換算900mm相当)で撮り比べたコアジサシの幼鳥をご覧ください。
換算で300mm相当の画角になった上のカットは、画面の上に水が写っているので、コアジサシという鳥を知らない人が見ても水辺に生息する鳥で、さらに後方にもう1羽いることがわかる写真になりました。
一方で、下の写真は換算900mm相当の狭い画角になっているため、水辺は写っていないものの、主役が大きく写っているため、コアジサシの幼鳥がどのような姿・形をしているのかがよくわかります。
また、同じカメラボディをつけて、カメラ位置を三脚で固定することで撮影距離を同じにして、絞りも同じF6.3に固定して撮り比べているために、焦点距離の違いによる被写界深度の違いがよくわかる写真となっています。
▼300mm相当(35mm判換算)

■撮影環境:200mm F6.3 1/1250秒 ISO200
▼900mm相当(35mm判換算)

■撮影環境:600mm F6.3 1/1250秒 ISO200
シャープとボケの検証
次に、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSの解像力についてです。Gレンズという位置づけなので、Gマスターしか使わないという人にとっては不安に感じるかもしれませんが、何の問題もなく、くっきり・はっきりと写すことができ、文句のつけようがありません。コハクチョウの足を撮影して検証しましたので、結果をご覧ください。
フォーカスポイントの周辺を拡大したものを見ると、足がどのような構造になっているかがよくわかるぐらいシャープに像を結んでいます。くっきり・はっきり写っているがゆえに、長い年月使い込んでいる足であろうことがわかり、顔が写っていなくても成鳥であることが想像できる写真になりました。拡大前の画像では、背景のボケはもちろん、前ボケも柔らかく滑らかで、ただシャープに写るだけのレンズではなく、ボケも心地いいレンズであることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

■撮影環境:600mm F8 1/250秒 ISO500


300mmより短い焦点距離で鳥がいる風景として撮る
主役の鳥だけでなく、周囲の風景も画面に取り入れて鳥がいる風景写真として撮る場合、300mm以上の焦点距離だと画角が狭いため、風景的に撮れる条件はどうしても限られてしまうので、それよりも短い焦点距離の出番が多くなります。
今回は200mmで撮影したコヨシキリ(上)と298mmで撮影したシマセンニュウ(下)を見ていただきます。
▼200mm

■使用機材:SONY α7R III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:200mm F5.6 1/500秒 ISO500
▼298mm

■使用機材:SONY α7R III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:298mm F6.3 1/125秒 ISO640
600mmで画面をシンプルに構成
テレ端の600mmにして撮影することで、ごちゃごちゃした印象になりにくく、画面をスッキリと整理することができます。「シンプルイズベスト」のイメージで撮りたい時は600mmまでズームするのがおすすめです。
ここでは異なる場所で撮影した別個体のオオジュリンを1枚ずつ見ていただきます。

■使用機材:SONY α7R III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:600mm F6.3 1/800秒 ISO320

■使用機材:SONY α7R III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:600mm F6.3 1/1000秒 ISO400
APS-Cボディにつけて900mm相当で撮影
野鳥への負荷を低減させて撮ることで、撮影結果が良好になる可能性が高くなります。撮影圧を低減させる方法は、
1.ブラインドなどを活用して自分が隠れて撮る
2.カメラを隠したり周囲にカモフラージュさせたりして、撮影者がカメラから離れて遠隔で撮る
のふたつに大別できます。
多くのシーンではこのふたつのどちらかの方法で撮ることができますが、広大なフィールドで撮影者が入っていくことができないところや池のなかほどに鳥がいる場合などは1と2のどちらの方法も困難となります。このような場合、僕はFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを600mmにして、かつAPS-Cのカメラを組み合わせて換算900mm相当で撮影します。
また、大写しした方が伝えたい内容が伝わりやすくなると判断した時は、鳥が近くにいる場合でも換算900mm相当にして撮影することもあります。以下3点、900mm相当で撮影したものをご覧ください。

■使用機材:SONY α6400 + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:600mm F6.3 1/1000秒 ISO1000

■使用機材:SONY α6400 + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:600mm F6.3 1/500秒 ISO320

■使用機材:SONY α6400 + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:600mm F6.3 1/640秒 ISO400
まとめ
コスパではいちばんと僕が思っているレンズFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSは、位置づけこそGレンズではあるものの、隠れGマスターと言ってもいいぐらいの解像力と柔らかなボケで野鳥を美しく描写することができます。300mmよりも短い焦点距離を使って鳥を風景的に撮ることもでき、APS-Cのカメラと組み合わせることで、900mm相当の超望遠域も楽しめる万能な1本です。
これから野鳥を撮影してみようと思っている人からベテランのバーダーまで、全ての野鳥写真愛好家におすすめのレンズです。
ソニープロカメラマンセミナー「αで撮る日本の野鳥風景」
9月27日(土)開催
山田芳文さんによるソニープロカメラマンセミナー「αで撮る日本の野鳥風景」を2025年9月27日(土)に開催します。山田さんが愛用しているα1 IIやα7R V、FE 300mm F2.8 GM OSSなどを使った撮影のコツや、野鳥撮影で使うソニーのおすすめ機材などを解説します。普段からαを使って野鳥撮影を楽しまれている方も、これからソニーのカメラやレンズを使って撮ってみたいと考えている方へも役立つ内容になっています。
本セミナーは全国のカメラのキタムラ50店舗でライブ中継にて開催します。参加費は無料!講師への質問もできますのでこの機会にぜひお気軽にご参加ください。セミナー終了後、一部の店舗では普段取り扱いのないカメラやレンズが特別に体験できます。開催店舗をぜひご確認ください。
【概要と申込み】
■開催日:2025年9月27日(土)
■時間:【第一部】11:00~12:00【第二部】14:00~15:00
■参加費:無料
■場所:カメラのキタムラ ライブ中継先店舗(下記店舗一覧よりご確認ください)
■定員&申込み:希望店舗へお問い合わせ、ご連絡ください
■申込み期限:各開催日前日の店舗営業時間内
【店舗一覧】
募集状況や申込み、ご質問などは申込み希望店舗へお電話ください。
★の表記がある店舗では当日限定のラインナップでカメラやレンズの体験ができます。
■北海道:札幌/羊ケ丘通り店★
■北海道:札幌/元町店
■青森県:弘前/高田店★
■青森県:青森/青葉店
■秋田県:秋田/広面店★
■山形県:山形/馬見ヶ崎店★
■福島県:いわき/平店
■栃木県:小山/小山店
■群馬県:太田/太田店
■茨城県:水戸/下市店
■茨城県:つくば/つくば店
■埼玉県:埼玉/狭山富士見店
■千葉県:千葉/おゆみ野店
■東京都:新宿/北村写真機店
■神奈川県:平塚/平塚店★
■静岡県:富士/市役所前店★
■静岡県:静岡/草薙店
■静岡県:藤枝/田沼店
■新潟県:新潟/とやの店
■長野県:松本/並柳店★
■富山県:富山/掛尾店★
■石川県:小松/小松店
■石川県:金沢/有松店
■石川県:金沢/浅野本町店★
■福井県:武生/武生店★
■福井県:福井/バイパス南店
■愛知県:豊橋/牧野店
■愛知県:豊川/諏訪店
■愛知県:一宮/中島通り店
■三重県:四日市/西浦店★
■滋賀県:草津/野村店
■京都府:京都/四条西院店
■大阪府:堺/福田店
■大阪府:河内長野/河内長野店
■兵庫県:姫路/英賀保店
■岡山県:岡山/東岡山店
■岡山県:岡山/下中野店★
■鳥取県:鳥取/鳥取店
■島根県:松江/学園通り店★
■広島県:広島/祇園店
■山口県:宇部/南浜町店
■香川県:高松/高松南店★
■愛媛県:松山/朝生田店
■高知県:高知/堺町店
■福岡県:福岡/ミーナ天神店★
■福岡県:久留米/上津店
■大分県:大分/光吉店
■熊本県:熊本/東バイパス中央店
■宮崎県:宮崎/中央店★
■鹿児島県:鹿児島/中山バイパス店
【山田芳文プロフィール】
「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。野鳥の周囲の風景も大きく取り入れた鳥がいる風景写真をライフワークとする。「α6600 基本&応用撮影ガイド」(技術評論社)、「写真は構図でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23」(エムディエヌコーポレーション)など著書多数。最新刊は「SONY α7C II完全撮影マニュアル」(技術評論社)。















