テレコンが使えて撮影の自由度が広がるマクロレンズ、ソニー「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」
はじめに
今回紹介するのは2025年11月に発売された、ソニーG Masterシリーズ初のマクロレンズ「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」です。このクラスのソニー純正マクロレンズは、2015年に発売された「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」になるので、おおよそ10年ぶりに新しいモデルが発売された事になります。レンズのグレードも「G」から「GM」モデルになり、新しい技術も搭載された「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」の魅力とその写りの実力、そして使い勝手などをご紹介します。
ソニー FE 100mm F2.8 Macro GM OSSの基本スペックと特徴

ソニーのG Masterシリーズ初のマクロレンズ「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」は、「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」と比べてどう変わったのか、まずは基本的なスペックを比較してみました。
| FE 100mm F2.8 Macro GM OSS | FE 90mm F2.8 Macro G OSS | |
| 焦点距離 | 100mm | 90mm |
| レンズ構成 | 13群17枚 | 11群15枚 |
| 開放絞り | 2.8 | 2.8 |
| 最小絞り | 22 | 22 |
| フィルター径 | 67mm | 62mm |
| 絞り羽根枚数 | 11枚 | 9枚 |
| 最近接距離 | 0.26m | 0.28m |
| 最大撮影倍率 | 1.4 | 1.0 |
| 手ブレ補正 | 有 | 有 |
| テレコン対応 | SEL14TC、SEL20TC | 非対応 |
| 全長×最大径 | 147.9×81.4mm | 130.5×79mm |
| 重量 | 646g | 602g |
| 発売 | 2025年11月 | 2015年6月 |
焦点距離のアップや、絞り羽根の枚数、最短撮影距離がさらに短くなり、最大撮影倍率が1.4倍になるなどスペック的には大幅に変更されているのが分かります。レンズのサイズや重量も若干大きくなっていますが、その点についてはほとんど気にならないレベルです。





1.4X テレコンバーター(SEL14TC)を装着した状態



テレコンバーターを使用できるメリットは、最大撮影倍率を上げられることはもちろん、ワーキングディスタンスを稼げることが大きな魅力のポイントです。
テレコンバーターを使用することで、望遠マクロとして被写体との距離を確保できます。近くに寄って大きく撮れるのがマクロレンズの特徴ですが、昆虫などの被写体では寄っての撮影が難しい場合もあります。また、屋外の撮影では物理的に被写体に寄れないシーンもあります。そういったシーンで、焦点距離100mmのマクロレンズがテレコンバーターを使用することにより、140mm・200mmといった望遠マクロレンズとして使えると、撮影の自由度が大きく広がります。

■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF5.6 ISO800
焦点距離200mm


「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」は、マクロ撮影に最適化された機能・操作性が凝縮されています。手ブレ補正機能に関しては、新しい制御システムにより角度ブレ(Yaw/Pitch)に加えて、シフトブレ(X / Y)、前後方向(Z)のブレにも対応し、手持ちでのマクロ撮影時に起こる手ブレに対応できるようになっています。
ソニー FE 100mm F2.8 Macro GM OSSで花・植物撮影

■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF8 ISO800
焦点距離100mm
一般的にマクロレンズの使用で一番多いのは、やはりお花の撮影をするシーンになるかと思います。「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」は、イメージセンサーに被写体と同じ大きさ(等倍)以上での撮影が可能なレンズです。小さな被写体を大きく写すことができるマクロレンズは、肉眼では捉えきれないものもしっかりと写すことができる魅力的なレンズです。
マクロレンズで積極的に被写体に寄って撮影した場合、特にピント合わせはより慎重に行う必要があります。被写界深度が非常に浅いので、シャッター速度に余裕がある場合は、絞りをしっかりと絞って撮影したほうが安心です。

■撮影環境:シャッター速度1/25 絞りF18 ISO400
焦点距離100mm

■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm

■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF9 ISO1600
焦点距離100mm

■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF5.6 ISO800
焦点距離200mm

■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF5.6 ISO800
焦点距離200mm
「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」は、純正のテレコンバーターを使用することで、被写体との距離を確保したり、撮影倍率を上げることができるため撮影の幅と自由度が飛躍的に向上します。屋外での撮影では、やはり物理的な被写体との距離が制限されることが多いので純正のテレコンバーターがあると便利です。
ソニー FE 100mm F2.8 Macro GM OSSで昆虫・動物撮影

■撮影環境:シャッター速度1/3200 絞りF2.8 ISO1600
焦点距離100mm
次に「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」で昆虫や動物を撮影してみました。マクロレンズとしてアップで撮影するだけでなく、中望遠の単焦点レンズとしての実力も流石GMレンズと感じるシャープで解像度の高い描写を魅せてくれます。
オートフォーカスも、様々な被写体認識と合わせて素早く正確なフォーカスを実現しています。ただ、マクロ撮影でかなり被写体に寄って撮影する場合は、被写体認識がしづらくなる場合があります。
加えてマクロ撮影では被写体深度が非常に浅いので、被写体認識の範囲が大きい場合などはイメージしているところにピントが合わない場合もあるので、状況によって被写体認識のオンオフの切り替えやフォーカスエリアの切り替えなど柔軟に対応しなければならない場合があります。

■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF5.6 ISO800
焦点距離200mm

■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF5 ISO1600
焦点距離100mm ※被写体認識「昆虫」使用

■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm ※被写体認識「動物」使用

■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm

■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF2.8 ISO1600
焦点距離100mm ※被写体認識「鳥」使用

■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF2.8 ISO800
焦点距離100mm ※被写体認識「鳥」使用

■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF4.5 ISO1600
焦点距離100mm ※被写体認識「動物」使用
まとめ
10年の時を経て新しく進化したソニー純正の中望遠マクロレンズ「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」は、描写はもちろんオートフォーカス速度・精度も驚くほど進化しています。そして何よりも純正テレコンバーターが使用できることで、マクロ撮影の自由度が大幅にアップしています。
純正テレコンバーターは1.4倍と2.0倍の2種類ありますが、1.4倍テレコンバーターの組み合わせでも焦点距離140mm・最大撮影倍率が約2倍になるので、実用的には2倍のテレコンバーターよりも扱いやすいと思います。テレコンバーターは使用できるレンズに制限があるので扱いには注意が必要ですが、「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」を使用する際は圧倒的に自由度が高くなるので、ぜひ組み合わせて使用したいアイテムです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師














