ソニー α7C II レビュー|コンパクトなボディに確かな機能がつまった第2世代

山田芳文
ソニー α7C II レビュー|コンパクトなボディに確かな機能がつまった第2世代

はじめに

今回は「今αでいちばん売れているカメラです」といった声をよく耳にするカメラ、ソニー α7C II(2023年10月発売)のレビューをさせていただきます。

前モデルのα7Cは2020年10月に発売されました。3年経って発売されたα7C IIはα7Cと比べて、どのようなところが進化して、便利になったのかを中心にお伝えします。

イメージセンサーのアンチダスト対応

前モデルのα7Cと比べると、α7C IIは写真を撮る道具として非常に使いやすくなりました。

僕が個人的に気に入っているところは次の3つです。
【1】グリップが深くなったので、握りやすくなった
【2】シャッターボタンが大きくなったので、シャッターを押しやすくなった
【3】イメージセンサーのアンチダスト対応

なかでも、【3】のイメージセンサーのアンチダスト対応は声を大にしてアピールしたいポイントです。
メニュー画面からセットアップ → セットアップオプション → アンチダスト機能 → 電源OFF時のシャッターで「入」を選択します。
こうすることで、電源をOFFにした時にセンサーの前にシャッターをおろした状態にできます。

これによって、レンズを交換する時にセンサーにゴミがつきにくくなりました。
僕はいろいろなレンズを使い分けるので、個人的に非常にありがたい機能となっています。

アンチダスト機能を「入」にすると電源OFF時にシャッター幕が閉じる

ロスレス圧縮が追加

RAWの出力形式に非圧縮と圧縮に加えて、3つのサイズ(L、M、S)のロスレス圧縮が追加されました。
非圧縮と同等の画質を小さいファイルサイズで記録できるロスレス圧縮は、地味に思われるかもしれませんが、非常に便利です。ぜひお試しください。

解像性能の検証

それでは、ここからは作例とともに性能をチェックしていきます。まずは僕の記事では恒例の、解像性能の検証から進めていきます。

僕はα史上最高の解像性能を謳うカメラ「α7R V」を常用しているので、くっきり、はっきり、よく写ることに関しては少々のことでは驚きませんが、α7C IIはなかなかのものだと感服しました。

もっとも身近な野鳥のスズメで解像性能の検証をしましたので、以下結果をご覧ください。

左がノートリミングのフル画面、白の枠で囲ったところを拡大したのが右。
拡大画像を見ると、フォーカスポイントの目とその周辺が凄まじいほど解像していることがよくわかる。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:400mm/F8/1/250秒/ISO 800
カメラの本当のポテンシャルは引きで撮影した時によくわかるので、上と同じ日に同じ場所で検証したのがこちら。
拡大画像を見ると、羽毛の構造までわかるほどに解像していることがよくわかる。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:137mm/F8/1/250秒/ISO 400

手ブレ補正が7段に

ソニー公式ホームページによると、α7C IIは7.0段のボディ内手ブレ補正効果があると記載されています。前モデルのα7Cが5.0段の補正効果だったので、手ブレ補正は2段も進化したということになります。
ちょっとビックリしたので、自分の目で確かめるべく手ブレ補正について検証しましたので、皆さんにも結果を見ていただきたいと思います。

※手ブレ(カメラの外からの振動)補正の検証が目的なので、カメラの中の振動がほぼゼロになるように、シャッター幕が動かず物理的な振動のない電子シャッターを選択。オートフォーカスはリニアモーターが動くので、その振動がないマニュアルフォーカスで撮影しました。

左が三脚でカメラ位置を固定してセルフタイマー2秒に設定して撮影したもので、右は手持ちで撮影したもの。
右は手持ちのためフレーミングがガタついているが、ご容赦いただきたい。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:125mm/F8/1/4秒/ISO 320
上の写真だとブレているかどうかがわかりにくいので、それぞれを同じ倍率で拡大。
デスクトップPCの大きな画面で拡大して見比べても違いがわからないので、手ブレ補正の効きは確かであると言える。
三脚+セルフタイマーのカット(左)は1枚の撮影で、手持ちの撮影(右)は4枚撮影した中から良好な結果の1枚を選んではいるが、数枚撮影すれば、確実に補正されたカットを撮ることができると言える。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:125mm/F8/1/4秒/ISO 320

AIプロセッシングユニットによるリアルタイム被写体認識AF

α7Cの被写体認識の対象は人物と動物の2種類でしたが、α7C IIはこの2つに加えて、鳥、昆虫、車/列車、飛行機の5つが新たに追加され、合計7つから選択できるようになりました。

今回は、鳥、動物、列車、飛行機の4つで、それなりにハードルを上げてテストしました。
以下、結果をご覧ください。

▼鳥認識

イワツバメが巣材に使う泥を取りにきたところ。下を向いた時に瞳をロストせず合焦するかどうかをテストするために、AF-Cで左手前の個体を追い続けたが、下を向いた時も瞳をロストせず合焦してくれた。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:F5.6/1/1000秒/ISO 500
イワツバメを周囲の風景も含めてまるっと表現。認識部位は瞳を選択しているが、これぐらい小さく写しても瞳を認識、合焦してくれる。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:140mm/F4/1/500秒/ISO 500
水たまりで水を飲んでいるユリカモメを撮影。このようなポージングで水面に映りこみがあっても、瞳を認識、合焦してくれた。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:361mm/F8/1/1000秒/ISO 500

▼動物認識

認識対象を動物に設定、認識部位を瞳/頭/体にセットして、池でぷかぷかと浮かんでいたヌートリアを撮影。目を閉じると一時的に瞳をロストしたこともあったが、目を開けるとすぐに再認識、合焦してくれた。全身が見えていない状況でも、これぐらいの距離であれば問題はないと思われる。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:400mm/F8/1/500秒/ISO 400

▼列車認識

周囲に建物が多いところを走る電車を撮影。認識対象を車/列車に、フォーカスエリアを広めのトラッキング:ゾーンに設定して、建物を列車と誤認識しないかどうかテストしたが、一時的に建物に引っ張られることもなく余裕で認識、合焦し続けてくれた。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:200mm/F5.6/1/2000秒/ISO 500

▼飛行機認識

認識対象を飛行機に設定して撮影。空だけのシンプルな背景で飛行機をそれなりに大きく写しているので、認識しないはずはない、合焦しないはずはない、と予想していたが、予想通りの結果となった。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:200mm/F5.6/1/2500秒/ISO 250
高温で、もやっとした空気の日中。「写真を1枚の絵」とするならば撮影はしないような条件だが、認識テストだと逆に好都合なので撮影。さすがにここまで小さく写すと認識は困難であろうと予想していたが、何の問題もなく認識、合焦してくれた。もう少し小さく写しても認識、合焦するのではないかと思われる。
■撮影機材:ソニー α7C II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:70mm/F8/1/1250秒/ISO 200

まとめ

軽量でコンパクトなα7C IIは、旅先に持っていって撮影を気軽に楽しむ人やスナップ撮影を楽しんでいる人に人気があり、よく売れていると聞きます。そのような用途はもちろんですが、実は、このカメラは本格的に写真表現を極めたいと思っている人にも最適なカメラで、カジュアルなイメージからは考えられないような、確かな機能がコンパクトなボディにつまっています。

時代の最先端をいくリアルタイム認識AF、解像力が確かなGマスターをはじめとするαレンズと組み合わせることで、活きてくるクリアな解像感と十分な解像度など、たくさんの人に体験していただきたいと思います。

 

▼α7C II解説書のご案内
今回の解説に加えα7C IIの全機能を解説した「SONY α7C II 完全撮影マニュアル」が2024年6月15日に発売されます。操作と撮影方法の基本から人気レンズの使いこなし、多彩な撮影機能・絵作り機能の詳細まで丁寧に解説しています。ハンディサイズの本なので撮影のお供に持ち歩くこともできます。ぜひこちらの書籍もお手に取ってみてください。

 

 

■写真家:山田芳文
「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)、『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)など。 最新刊は『SONY α7 IV 完全活用マニュアル』(技術評論社)。

 

 

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