OM SYSTEM OM-5 レビュー|趣味人におすすめ、頼りになるスーパーサブ

秦達夫
OM SYSTEM OM-5 レビュー|趣味人におすすめ、頼りになるスーパーサブ

OM-5への誘い

カタールで行われていたサッカーワールドカップが日本時間で深夜放送と言う事もあって、寝不足の日々を送っていたユーザーさんも多かったんではないでしょうか?現在では日本代表がワールドカップに出場するのは当たり前の時代ですが、ひと昔前まではワールドカップに出場するなんて夢のような話しでした。

そんな時代に「スーパーサブ」なんて言葉が流行りましたよね。往年のサッカーファンなら心躍るワードだと思います。「スーパーサブ」には「頼りになる存在」「何かやってくれる」と言う期待感がありますよね。逆に「スタメンじゃないんだ」とネガティブなイメージも付き纏いますが、日本代表に選抜されるだけでも名誉なことですから、スーパーサブとして起用される実力はワールドクラスだと思います。

今回紹介するOM SYSTEM OM-5はそんなカメラではないかなと僕は思っています。その実力は前モデルOM-D E-M1 Mark IIIに匹敵することからも理解出来ると思います。このお話は後ほど詳しく紹介しますね。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
■撮影環境:1/200秒 F4 ISO400

始めにOM-5の立ち位置と言うか、どんなユーザーさんに手にして欲しいのか?そんなお話をしたいと思います。兄貴分のOM-1はガチな写真&カメラファンをターゲットにしたカメラだと思います。対して、弟分のOM-5は「○○と写真が好き」と思うユーザーさん向けのカメラだと僕は考えています。

令和の世の中、趣味は多種多様です。登山や釣り等のアウトドア派。車やバイクなどのツーリング派。旅や探訪と言ったツアラー派等等。これらの趣味を楽しむ人達は道具への拘りも強いと思います。そんな拘りを持ったユーザーさんが持つべきカメラだと僕は思います。スマホでは「物足りない」「思うような撮影ができない」と感じ始めたユーザーさんに手にして欲しいカメラなんですよね。

兄貴譲りの凄いヤツ

道具に拘りがありながらカメラに拘りを持たないなんて趣味人として勿体ない。だったらフラッグシップモデルで!と言いたいところだけど、そこまでカメラに拘りはない。でも、拘っている姿勢は貫きたい!だから、チープなカメラは持ちたくない。そんな我が儘に応えてくれるのがOM-5だと思います。

このカメラの凄いところは、センサーや映像エンジン等をOLYMPUS時代のフラッグシップOM-D E-M1 Mark IIIと同等のものを搭載している事にあります。これだけでも拘り感があると思います。

しかも、ボディとともにM.ZUIKO PROレンズのED 12-45mm F4.0 PROとED 40-150mm F4.0 PROの2本を一緒に持っても重量は1kgを切るんです。この重さなら第一趣味を邪魔することなく撮影を楽しむ事ができますよね。だからスーパーサブなんですよね。

しかも、OMデジタルソリューションズが発足してから初めて、軍艦部に「OM SYSTEM」の冠を付けたカメラなんです。ここも拘りポイントの1つですね。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:1/400秒 F8 ISO200

このカメラでしか撮影出来ない世界がある

OM SYSTEMのミラーレスカメラには「コンピュテーショナル フォトグラフィ」と言うシステムが搭載されています。簡単に代表的な機能を紹介していくと、「ライブコンポジット」星の軌跡を撮る機能。「ライブND」明るい場所でスローシャッターの撮影ができる機能。「ハイレゾショット」より高画素で撮影できる機能。「深度合成」接写時に浅い絞りで背景をぼかしながら撮影を複数枚行い、背景のボケを活かしながら意図した部位は精密なピントで撮影を行う機能、等があります。これらを活かして撮影していくと、まるでプロが撮影したような写真の仕上がりになるんですよね。

僕はライブコンポジット機能が使いたくてOM SYSTEMを使っていると言っても過言では無いほど、この機能に惚れ込んでいます。それからタイムラプス撮影が簡単に行えるのも魅力なんですよね。タイムラプスとはパラパラ漫画をイメージして欲しいのですが、静止画を連続撮影しそれをカメラ内で繋げて動画を生成する機能の事です。やり始めるとハマりますよ。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:20秒×180ショット F4 ISO1600

 

ライブコンポジット&星空AF

星の軌跡を撮影するためには長時間露光が必要となります。デジタルカメラの場合、長時間シャッターを開けた撮影をするとノイズの多い写真になりがちです。しかし、ライブコンポジットは短いシャッター速度の撮影を繰り返し、1枚の写真に合成する機能となっており、長時間露光から発生するノイズの心配が無いんです。

難しい言葉で言うと「比較明合成」ですね。合成する時は1度露光した明るい情報は除外されるため露出オーバーにならないんです。これらの操作をカメラ内メニューで行えるのは凄いことですよね。しかも、ライブコンポジットが開発されて何世代も受け継がれてきているので、その完成度はお墨付きです。

それから、星撮影で一番難しい作業がピント合わせです。普通のAFでは星にピントを合わせる事はほぼ不可能ですが、「星空AF」を使用する事でマニュアルフォーカスでピントを探る必要がなくなったんです。以前まではフラッグシップにしか搭載されていなかった機能です。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:20秒×180ショット F4 ISO1600

 

ハイレゾショット

「ハイレゾショット」とは、カメラ内での画像の合成処理によってセンサーが持つ画素数よりも大きな画素数で撮影できる機能です。具体的にお話しすると、2000万画素のOM-5でも最大8000万画素(JPEGの場合5000万画素)の画像データを作り出すことができる機能です。

ハイレゾショットには「三脚ハイレゾ」と「手持ちハイレゾ」の2種類あり、状況に応じて使い分ける事ができます。カメラ選びの時に画素数はとても重要なポイントの1つだと思いますが、いつも大きな画素で撮影したい訳ではないと思います。ここ一番と言うときにハイレゾショットに切り替えて撮影する。そんな選択肢もあって良いのではないでしょうか。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
■撮影環境:1/400秒 F8 ISO200

 

ライブND

「ライブND」とは、NDフィルターと同じ効果を発揮するシステムの事です。NDフィルターとは減光効果、つまりシャッター速度を遅くするためのフィルターです。例えば、滝などの流水を明るいときでも絹のように表現することができるフィルターです。

段数で管理されており数字が大きくなるとシャッター速度がより遅くなります。NDフィルターを使う際は一般的に複数のフィルターを持たなければならず、しかも各フィルターの見た目はほぼ同じなので管理が少しややこしい存在です。

しかし、ライブNDはメニュー内から導き出すことができて分かりやすいです。フィルターを持つ手間が減り、準備も簡単に行えるメリットがありますね。ただし、絞り優先モードでは使用できません。使えるモードが限定されているので注意して下さい。僕はシャッター優先モードでの使用をお勧めしています。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:1.6秒 F20 ISO200

「スーパーサブ」と言うもう一つの由縁

写真&カメラファンの中にはフルサイズ神話が存在すると思います。僕もフルサイズのカメラを使っていますし、名の通った写真家の使用しているカメラはフルサイズだったりしますよね。撮影データの優位性の観点からするとセンサーが大きいに越したことはありません。

しかし、フルサイズじゃないから駄目なデータになる訳ではありません。OM-5も全紙プリントに充分耐えられる撮影データを作り出しています。僕もOM SYSTEMで撮影した作品で個展を何回も行っております。

しかし、来場者の方々に画質について難点を言われたことは一度もありません。むしろ「本当にマイクロフォーサーズで撮影したのか?」と疑われるくらい高画質を生み出します。自信を持って皆さんが求めるクオリティーがあると言い切れるカメラです。

とは言えフルサイズへの憧れやプライドがあって、フルサイズ以外に触手が伸びない気持ちも分かります。そこで提案です。メインのカメラは今まで通り使用して、予備のカメラとしてOM-5をバッグに忍ばせておくのはどうでしょう?コンパクトで軽量。場所を取りません。肩からぶら下げても苦になりません。写真は気楽に撮影したカットが意外と良い作品になったりするんですよね。だからスーパーサブなんです。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:1/80秒 F4 ISO200
■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:1/160秒 F6.3 ISO200
■撮影機材:OM SYSTEM OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:1/500秒 F5.6 ISO200

 

 

■写真家:秦達夫
1970年長野県飯田市(旧南信濃村)生まれ。後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始め写真に自分の可能性を感じ写真家を志す。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。
日本写真家協会会員・日本写真協会会員・Foxfireフィールドスタッフ

 

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