超広角レンズを使った撮影テクニック|ダイナミックな構図を使いこなすコツ

超広角レンズを使った撮影テクニック|ダイナミックな構図を使いこなすコツ

はじめに

こんにちは!フォトグラファーのKoichiです。普段は、風景に人を溶けこませるような写真やアート写真など「心に響く写真」をコンセプトに日常を切り取っています。

今回は超広角と呼ばれる、焦点距離20mm以下のレンズを使った撮影テクニックについて解説していきます。人間の目では見ることのできない、ダイナミックな写真を紹介できたらと思っているので、広角レンズを使ったことがない人は是非興味を持ってもらえたら嬉しいです。

Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO125 F3.5 1/500秒

 

広角レンズってどんな時に使うの?

まず、広角レンズとはどんなレンズのことを言うのか。一般的に焦点距離35mm以下のレンズを広角レンズと呼び、人間の視界よりもワイドに景色を写すことができます。その中でも、20mmより更に広角域をカバーするレンズを超広角レンズと言い、少しレンズを下向きに振ると自分の足が写るほどワイドに撮ることができます。

ではそのレンズをどんな場面で使うのかというと、狭い室内を広く写したり、周辺の歪みを利用して景色に迫力を出すために使ったりします。

広角レンズの特徴としては、中心から外に向かうにつれてレンズ特有の伸びが生じます。つまり人の顔を広角レンズの周辺部分に持ってきてしまうと顔が伸びてしまうということになります。ポートレートに使っても面白いレンズではありますが、少し撮り方に工夫が必要なレンズと言っても良いかもしれません。

 

普段使っている広角レンズ作例

私が普段使用している広角レンズは主に2つ。SIGMAの20mm F1.4 DG HSM | Artと、Irix(アイリックス)の11mm F4の2本です。各レンズで撮った写真の作例を見て頂けたらと思います。

 

SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art

Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO64 F16 6秒
Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO64 F16 15秒

広角域では最も使いやすい画角で、風景の撮影にも最適です。このレンズの特徴はなんと言ってもパリッとした解像感。花火大会の写真でも周辺までシャープに描写してくれました。

編集する前から地面の草や花火の煙、奥に写っている電柱まで細かい線がハッキリと写っていました。花火や夜景を撮るときはF値を大きめに設定して撮ると、このレンズの良さが最大限に発揮されるのではないかなと思います。

Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO64 F8 1/80秒
Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO64 F4 1/800秒

秋のポートレート撮影においても20mmは程よい距離感を保ちつつ、前景を使って面白い表現をすることができます。50mmや35mmほど近づき過ぎず、手前にボケを追加することで奥行き感を出して撮影をすることができます。

ポイントは、F値を下げ過ぎないこと。開放F値がF1.4のレンズなので、F値を小さくし過ぎると大きくボケてせっかくの前景や背景が分かりづらくなってしまいます。F5.6~F8くらいまで絞って撮ってあげることで、その場の雰囲気が伝わる写真に仕上がります。

Nikon Z 7II + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
ISO64 F8 1/125秒

空間そのものが広く写るので、手前に入れたらよさそうな木や葉っぱを探すと前景が作りやすくなります。この写真の場合、高い位置に色づいた桜の葉っぱがあったので、踏み台に乗って高位置から見下ろすようにして撮影しています。

広角ならではの前景の作り方を意識してみると普段見えている景色がまた違って見えてくるかもしれません。この構図に慣れると、どんな場所に行っても額縁を作れそうな構図を無意識のうちに探してしまいます。

 

Irix 11mm F4

Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO64 F16 1/25秒
Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO64 F20 1/50秒

続いて、超広角11mmの作例です。こちらのレンズは開放F値がF4と少し暗く、AFもついていないのでマニュアルフォーカスでピントを合わせます。

非常にワイドで、周辺部の像も大きく歪みます。そのため、一番見せたい被写体は中央付近に配置してあげる必要があります。そこだけ気をつければ、表現としては非常に面白い効果が得られると思います。秋の紅葉や春の桜などもこの効果を使うと迫力のある写真が撮影できます。

Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO64 F8 1/160秒
Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO64 F8 1/25秒

この写真も先ほどの秋の作例と同様、11mmを使用して撮影しています。花で被写体を囲むようにして前景を配置してあげることで、手前から被写体までの距離感を感じることができ、画面の隙間も埋まるので見応えがある1枚に仕上がります。

Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO160 F11 1/125秒

レンズのガラス面ギリギリまで寄って撮影をすると、このようにまるで動物の目線で見ているかのような景色を撮ることもできます。これも気を付けることは周辺部分に人物を配置しないことです。葉や花であればそこまでの違和感はありませんが、人物が端っこにきてしまうと大きく歪んでいることが目立ってしまうので気をつけましょう。

Nikon Z 7II + Irix 11mm F4
ISO64 F11 1/50秒

 

まとめ

広角レンズの特徴や使い方や魅力、伝わりましたでしょうか。普段自分の見ている世界とは大きく異なった景色を楽しむことができるのも、レンズ交換ができる一眼レフの特徴と言えるのではないでしょうか。特に、自分の視野よりも大きく引いた景色をファインダーを通して見ることができる広角レンズはカメラを構えただけでもワクワクすると思います。

また、標準レンズや望遠レンズとの違いとして、ほんの少しレンズを傾けたり位置を変えるだけで画が大きく変化することも面白さの1つです。高いところから撮ってみたり、隙間を見つけてみたり、虫や動物と同じ目線から屈んで撮ってみたり、自分の足を使って構図を探したくなるのも広角レンズの特徴です。

普段使っているレンズに飽きてきたら、是非使って体感していただきたいのが本日紹介した広角レンズ。非日常を是非味わってみてください。

 

 

■フォトグラファー:Koichi (岩松晃一)
岐阜県高山市出身のフォトグラファー。東京を中心に活動。主な作品は風景の中に人を入れた情景写真や、Photoshopを使ったアート作品。「心に響く写真」をコンセプトに、日常を切り取る。最近はフィルムカメラを通して写真の楽しさを伝える活動をしている。

 

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