LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D レビュー|明るく寄れて、小さく軽い!万能超広角レンズ

齋藤千歳

LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dでの撮影画像

大口径超広角レンズでわずか約500gと小型軽量

LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dでの撮影画像

■LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D/Sony α7R III
■絞り優先AE(F8.0、1/500秒)/ISO 100/露出補正:+0.3EV
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド

 LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは35mm判フルサイズ対応のレンズで、ソニーのEマウント向けが最初に発売され、2019年8月8日からキヤノン RFとニコン Zマウント向け販売が開始されました。

 本レンズは、カメラ本体と情報のやりとりをする電子接点などをもたない「フルマニュアルレンズ」で、焦点距離15mmという超広角でありながら、絞り開放F2.0という明るさを実現しています。しかも、レンズの大きさは約82mmで、質量は約500g!大口径超広角レンズとは思えない小型・軽量を実現しています。

明るさF2.0を実現し、フィルターも装着可能

作例1

■LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D/Sony α7R III
■絞り優先AE(F2.0、1/100秒)/ISO 100/露出補正:+0.3EV
■WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド

 最近では35mm判フルサイズ対応の14mmF2.8などが、かなり低価格で普及しているので、超広角の15mmでF2.0と言われても、「そんなすごいこと?」と思う方も多いでしょう。ただし、F2.8とF2.0では丸々1段明るさが違いますので、超広角で撮影する方が多い夜景や星景写真などでは、撮影時のISO感度でも1段の差が出ることは重要な違いになります。
 開放F2.8のレンズでISO 12800を選択するシーンならISO 6400、ISO 6400を選択するシーンならISO 3200を選択できるわけです。暗所に強くなった最新のミラーレス一眼でも、高感度での撮影は1段違うだけで画質に大きな差が出ます。絞りの数値ではわずか0.8ですが、実際の撮影では大きな差を生み出してくれるのです。

 また、風景や星景写真などを撮影する方にとって嬉しい要素として、レンズ先端にねじ込んで使う72mmの丸型フィルターがそのまま使えることでしょう。最短撮影距離15mm以下(35mmフルサイズ換算)の超広角レンズでは、レンズ前玉が出ていおり、通常のフィルターが使用できないことも珍しくありません。

 しかし、LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは、星景写真では定番のプロソフトン、C-PL、NDフィルターなどをそのまま使えるので、超広角レンズでもフィルターワークに制限を受けず、自由な表現が楽しめます。

驚くほど寄れるクォーターマクロを達成

作例2

■LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D/Sony α7R III
■絞り優先AE(F2.0、1/500秒)/ISO 100/露出補正:+1.0EV
■WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド

 LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは、最短撮影距離が15cmで最大撮影倍率は0.25倍とクォーターマクロで撮影が可能です。この驚くほどの寄れるマクロ撮影は、非常に使えます。「驚くほど?」と思った方も多いでしょうが、最短撮影距離なので、カメラ撮像素子からの距離になります。
 ソニーのEマウントのフランジバックが18mm、レンズの長さはフードを付けて約120mmです。そのため、レンズのフードの先端から被写体までの距離は3cm以下です。ちょっと驚くほど短くないですか? 

 また、焦点距離15mmの超広角レンズを使用して絞り開放のF2.0で近接撮影すると、掲載した花の作例のように背景どころか、花の手前側まで大きくぼけてしまいます。寄れるということでLAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは、超広角レンズでありながら、大きなぼけを得ることも可能で撮影の幅が広がります。

絞り開放F2.0から高い中央部の解像力

作例3

■LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D/Sony α7R III
■絞り優先AE(F8.0、1/1,250秒)/ISO 100/露出補正:+0.7EV
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド

 明るく寄れて、小さくて、軽い!その上フィルターも装着可能な本レンズの画質について、電子書籍『LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D レンズデータベース』に掲載した実写チャートの結果を元に詳細にみていきましょう。
 解像力については、中央部は開放のF2.0から十分綺麗で、F2.8でさらにワンランクシャープに、そこからF16程度までキレのあるシャープネスが楽しめます。周辺部の解像力については、さすがに中央部にはかなわないものの、絞るほどにシャープネスが上がり、F8.0では中央部と遜色がないほどのレベルとなります。F5.6からF11あたりが画面全体をシャープに解像できるおすすめの絞り値です。
 
 レンズ名にはZERO-D(ゼロディストーション)とありますが、ディストーション(歪曲)は、製品名の通り気にするレベルではありませんが、ほんのわずかな陣笠形に発生することもありました。
 ぼけのディスクチャートの結果については、超広角レンズとは思えない優秀な結果といえます。大口径の超広角レンズなので、どうしても口径食による周辺部分のぼけの形の変形などは見受けられます。しかし、LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは明るく、近接撮影も得意なレンズのためぼけの発生に考慮されているようで、超広角とは思えない素直なぼけが得られます。

唯一の不安周辺光量落ちはRAWで対応

作例4
■LAOWA 15mm F2 FE ZERO-D/Sony α7R III
■絞り優先AE(F2.0、1/80秒)/ISO 6400/露出補正:-0.3EV
■WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド

 実写のチャート結果もよく、ミラーレス一眼用の超広角レンズなので、ピーキングを併用することを考えると、マニュアルフォーカスであることもほとんど気にならないですが、2点ほど気になるポイントがあります。
 
 1点目は多少見受けられる周辺光量落ちです。カメラ本体と各種情報をやりとりする純正レンズなどでは、周辺光量落ちや歪曲などは、撮影時にカメラ側でデジタル的に補正します。対して、カメラとの情報をやりとりする電子接点を持たないLAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dでは、撮影時RAW画像も撮影しておき、周辺光量が気になるシーンでは撮影後のRAW現像などの処理で対応するのがおすすめです。ただし、今回、掲載した作例はすべてRAWでの補正を行わないJPEGで撮影したままの画像なので、作例をご覧頂いて気にならない方にとっては問題ないかと思います。
 
 2点目は、レンズフードです。今回のLAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dの金属製レンズフードについては、装填がゆるくロックがないので、気付かないうちに動いてしまうことがありました。しかも、花型フードのため、動いているのに気が付かずに撮影すると広角レンズが故に画面内に写り込んでしまうわけです。私は撮影の途中からパーマセルテープでレンズフードを固定していました。レンズ自体のデザインがかっこいいだけに、何か対策があるといいなと思います。

さいごに

 様々な角度から述べてきましたが、寄れてぼけて軽くて小さく明るいLAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは、着けっぱなしの常用レンズとしても使える超広角レンズだと思います。開放F2.0の明るい超広角といった部分がクローズアップされがちですが、クォーターマクロを達成した「寄れる」という要素が、表現の自由度を劇的にアップしてくれるため、LAOWA 15mm F2 FE ZERO-Dは非常におすすめの超広角レンズです。

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