キヤノン EF50mm F1.2L USMレビュー|RFマウントのミラーレスカメラでEFレンズを楽しもう!

杉本優也
キヤノン EF50mm F1.2L USMレビュー|RFマウントのミラーレスカメラでEFレンズを楽しもう!

はじめに

あけましておめでとうございます。杉本です。

今回はCanonのEF50mm F1.2L USMのレビューです。このレンズは昔からすごく有名です。EF時代からのCanonユーザーはご存知の方も多いのではないでしょうか。今もコアなファンが多く、ミラーレス機への移行でマウントがRFへ変更された今もアダプターを介して使用されているレンズの一つだと思います。

僕も元々は友人におすすめされて購入したのですが、今はものすごく愛用しています。
今回の記事で使用したボディはEOS R6 Mark IIです。通常僕はEOS 5D Mark IVにこのレンズを付けて、ミラーレス機の方にはVCMシリーズのレンズを着用して2台体制にしていることが多いのですが、今回はミラーレス機にマウントアダプターという仕様で撮影しています。

基本情報

基本的な情報は公式を見るのが間違いないと思いますが、最低限の情報はここにも記載しておきます。

重量は約590g、最短撮影距離は0.45cm。フィルター径は72mmです。
特筆すべきはやはりF値ですね。レンズ名からもお分かりの通り開放値でF1.2です。これはなかなか他にはないF値で非常に美しいボケを生み出します。

また、これはレンズを実際に手にしてみないとわかりにくいのですが、全長が短いです。大口径レンズですので幅はそれなりにあるのですが、全長の短さのおかげでカメラバッグに収納しやすく持った感触も意外と重くないです。持ってみるとバランスの良い作りになっているなと感じると思います。毎回書いていますが、カメラやレンズの重量の感じ方は個人差がありますし用途や移動手段の影響も受けます。個人個人で感じ方が違うので購入前に実際に手に取ってみることをおすすめします。

発売は2007年です。19年前のレンズですが、僕のように現在も使用している方の多いレンズとなっております。

ボケについて

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/1250 F1.2 ISO100

前ボケ、後ろボケともにかなり柔らかくボケています。
背景の葉っぱはメインの花からそこまで極端な距離があるわけではないのですが、明暗差も相まって距離を感じさせてくれます。一方で右上が顕著ですが前ボケは強烈なボケで輪郭まで溶けています。

注意点としては右下のような前ボケで、あまり極端に色の境目をぼかすとレタッチの際に色の境目が痛みやすいです。このような色の境目の違和感はLightroomなどで調整すれば現像やレタッチで直せるのですが、今回はレンズレビューということでそのままにしてあります。ただしこれはレンズ特性というより一般的なボケを扱う際の注意点に近いですね。最新のレンズでも起こり得る問題ですので、撮影者の注意力でケアしてあげるのがベストだと思います。

ピント面の雰囲気

先ほどの写真のピント面を拡大したものです。
ちなみに今回はあえてAFで撮影しています。本当にシビアに追い込むならマニュアルフォーカスも視野に入ると思うのですが、EOS R6 Mark IIはアダプターを噛ませてもAFが優秀ですので通常はカメラに任せています。

さて、ピント面ですがいわゆる最新レンズに比べると境目の描写などはやはり柔らかい印象です。しかし解像度が悪い感じはあまりないですね。これだけトリミングで拡大しても花びらの表情やコントラストは綺麗に出ていますし、黄色の中にもしっかり色の差やコントラスト差が残っていてべたっとした印象はありません。

この柔らかさと描写のバランスがいまだに多くの方を魅了するポイントの一つだと思います。ポートレートを撮る時には肌が綺麗に見えやすいのも嬉しいポイントです。

逆光耐性

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/500 F1.2 ISO100

逆光耐性を「フレアやゴーストが出にくい」という概念で語るならば逆光耐性は高くないです。はっきり言っておきますが全く高くないです。でもそれゆえにとんでもなく美しい光を取り込みます。特有の光の柔らかさと線は非常に美しいです。またこういった派手なレンズ特性を備えつつも、先述したように解像感がありますので品質的に綺麗に見えます。

この光は僕が撮影時に意図的に入れています。光を隠したり、角度を変えれば逆光気味でもスマートに撮ることも可能です。今回は作例的にもかなり大胆に入れています。おそらくですが多少個体差もあるのではないでしょうか。逆光撮影でも非常に楽しいレンズです。またこれほどの逆光でもAFは問題なく機能します。

パープルフリンジ

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/8000 F1.6 ISO200

若干出ますね。逆光気味のハイライトなど、出やすい条件の時には出ます。
ただし、そこまで悪目立ちしないのであまり神経質にならなくて良いのかなと感じています。これらもレンズの個性と思って受け入れられるかどうかで選択肢になるのかなと。逆光耐性やフリンジについては最新のVCMシリーズなどは比べものにならないほど耐性が強いので、そこと自分の写真の相性で決めたら良いと思います。僕のように併用している人も多いと思います。

拡大図です。Lightroom等でも簡単に処理できますし、少なくともこれが原因でこのレンズを避けるはあまりないのかなと思うものの、出やすいのでレビュー記事中では説明しておきます。

ポートレート

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/160 F2.0 ISO200

肌が綺麗に見えますし、線も非常に綺麗です。少し絞ると背景のボケも開放に比べスッキリしますね。後ほど寄りの写真も載せますが、ピント面がシャープなんですが、キレが良すぎないので馴染みがよく室内でも使いやすいです。むしろ開放値がF1.2なので晴れた屋外などでは少し絞らないと色が飛んでしまうケースもありますね。
ハイライトが良い雰囲気に滲むので、肌のコントラストも優しく写るあたりは非常に良いところだなと思います。

寄りのポートレート

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/20 F1.8 ISO3200

ミラーレスのボディと組み合わせた時の最大の利点が手ぶれ補正の恩恵だと思います。
ISO3200まで上げてシャッターがこの速度なので暗いのがわかると思うのですが、ブレずに撮れています。以前のレンズでも性能をフルに引き出せるのは現代特有の利点ですね。

こちらも優しい印象です。開放気味ということもありますし、おそらく2400万画素のボディを使用している影響も少なからずあると思いますが非常に良い雰囲気です。

絞った時

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/250 F4.0 ISO100

絞った時はしっかりシャープです。

こちらは背景の一部を拡大したものです。
抜けの良さと解像感が同居してくれます。50mmという距離の素直さも相まって非常に安定感のあるレンズだと思います。

■撮影機材:キヤノン EOS R6 Mark II + EF50mm F1.2L USM + マウントアダプター
■撮影環境:1/6400 F1.2 ISO100

引いても開放で撮るとこれだけ背景がボケます。
どれくらい写すのかの選択の幅が非常に広く、使っていて楽しいレンズです。
カメラの背面液晶の綺麗さも相まって現場でテンションが上がるタイプのレンズですね。

ただし大きいモニターでみると想定よりボケの面積が大きすぎることもあると思いますので、絞ったパターンも撮っておくと安心できると思います。

総評

現代レンズと比べると逆光耐性や解像感は一歩劣ると思います。
しかしながら、スペック以外のフレアやゴースト、描写の柔らかい印象などが放つ無二の存在感がある特別なレンズという印象です。僕が日常的に使用していて愛着が強いのもありますが非常に大切なレンズです。

最近CanonからRF45mm F1.2 STMというレンズが発売されたので強いて言えばそちらが競合になるのかなと思います。そちらは開発秘話的にFDの55mmを参考にしたみたいな記事も見かけましたが、どちらが良いのかは焦点距離で決めたら良いのかなと思います。
当然ですが45mmは50mmより少し広い感じがするのでそこの余白を求めるのか、50mmで寄り引きを楽しむのかは個人個人の好みの問題なのかなと。

今年も様々な機材のレビューを発信していきますのでよろしくお願いします。

 

 

■写真家:杉本優也
東京都生まれ東京都在住。妻を撮影し続けている活動がテレビメディアに特集されたことを機に、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。ライブ撮影やメーカーへの作例提供、機材レビューなどの活動をしている。

 

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