イルミネーションポートレートの撮り方|Rinaty
はじめに
みなさんこんにちは!セルフポートレート写真家のRinatyです。
最近イルミネーションが綺麗な季節になりましたね。
今回はRinaty流イルミネーションポートレートの撮り方をご紹介していきます!
■カメラの設定
イルミネーションのライトはずっと点灯しているわけではなく、実は高速で点滅しており、速いシャッタースピードでシャッターを切る時と一部が暗く写ってしまうことがあります。(フリッカー現象)
そのため、イルミネーションを撮影する際のシャッタースピードは1/100秒以下にする必要があります。
また、カメラ側でフリッカー低減機能もオンにしておきましょう。
シャッタースピードを遅くすると手ブレしやすくなるため、手持ちの際はしっかり脇を閉めて撮影しましょう。
■必要な機材
カメラとレンズがあればとりあえずはOKです。
レンズはf値が小さく中〜望遠域のレンズがあると、ノイズが少なく、玉ボケが大きな写真を写すことができます。

ISO2000 f2.8 1/40s 133mm
こちらはLUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.のレンズで撮影したセルフポートレート。大三元レンズだけあって玉ボケが大きく、背景が美しく写っています。
セルフポートレートは望遠域かつf値が小さいほどピント合わせがシビアで難易度が高いので少し大変です笑

ISO2500 f4 1/30s 16mm
こちらはLUMIX S PRO 16-35mm F4で撮影したセルフポートレート。
イルミネーションの玉ボケはかなり控えめとなっています。
その代わりに広角レンズ特有のダイナミックな写りとなりました。
ちょうど小雨が降って来たタイミングで、歩道も美しく反射しています。
顔まわりを明るく美しく写す方法
イルミネーションと人物を写す際によく聞く悩みとして「顔が暗くなってしまう」「色被りする」という点が挙げられます。
特に寒色のイルミネーションは肌の色がかなり青っぽく写りやすい状況になります。
そんな時のおすすめは顔の近くに光源(ストロボやLEDライトなど)を持ってくること。
私は撮って出しの状態で、その場の雰囲気の美しさも保ちながら顔色を美しく写したいため、ほとんどの作品でストロボかLEDライトを使用しています。
ただし、金色のイルミネーションの場合はカメラの調整次第でライトがなくても色んな雰囲気で撮影することができます。同じシーンで5つのバリエーションで撮影してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
▼ライトなし
こちらはライトなし。
この中では最も自分の目で見たままの、現実に近い自然な雰囲気です。

ISO1000 f1.8 1/50s
▼ライトなし・現像で明るさ調整
ライトなしを現像で少し明るくしたものがこちら。
肌の部分にもマスクをかけて色味を調整しています。
上の写真よりも顔に視線がいきやすくなったと思います。

ISO1000 f1.8 1/50s
▼ライトなし・ホワイトバランス調整
ライトなしで、顔の色味重視でホワイトバランスを調整して明るめに撮った写真がこちら。
イルミネーションの温かみは減りますが、透明感のある写真になりました。

ISO1000 f1.8 1/30s
▼LEDライトあり
こちらはLEDライトあり。肌や髪、衣装の質感がしっかり出てきます。
編集なしで顔の明るさを保ちながら、背景をやや暗くしたり明るくするなど、全体的な雰囲気も好みで調整できます。

ISO1000 f1.8 1/50s
▼ミニライトあり
手の中にミニライトを隠して顔だけを照らしたバージョン。
ライトを設置しづらい場所で非常に便利な手法。明るさを顔だけに集中させることができます。

ISO1000 f1.8 1/50s
さて、皆さんはどの雰囲気がお好みでしょうか?
ご自身の撮りたい雰囲気に合わせて、ストロボやLEDライトを使用するかどうか決めることをおすすめします。

ISO100 f0.95 1/100s
こちらは本型のベッドライトを使って撮影したセルフポートレート。
ライトスタンドが立てられない際に、顔周りにこのような光り物を持ってくると、とても便利です。
ちなみにこちらはLAOWAの大口径レンズ、Argus FF II 35mm F0.95で撮影しています。
35mmで撮影したとは思えないほどの美しいボケ感で、ピント合わせは大変でしたが感動しました!

ISO100 f2.5 1/25s
こちらはストロボの特性を活かして撮影したポートレート作品。
ストロボは一瞬の光で被写体を止める効果があります。それを活かして、カメラをわざと大きく動かして撮影しています。
丸い形の可愛らしいイルミネーションをとてもカッコよく写すことができました。
フィルターを活用しよう
イルミネーションの時期にとてもおすすめなのがミスト系のレンズフィルター。
光源を柔らかく滲ませたり拡散させたりする効果があります。
カッコ良い映画のような雰囲気にしたい場合はブラックミスト、優しい雰囲気にしたい場合はホワイトミストをお勧めします。

ISO1000 f3.2 1/40s 70mm
こちらはH&YのBlack Promist 1/4フィルターを使用したセルフポートレート作品。
銀杏の落ち葉を投げて、ポージングを一瞬で決めて撮影しました。
明かりや銀杏が滲んで写っています。

ISO1000 f2.4 1/30s 56mm
こちらはH&YのWhite Promist 1/4フィルターを使用して撮影したセルフポートレート作品。
雨が降って反射したキラキラの地面とイルミネーションを入れ込み、タムロンの35-150mm f2-2.8のレンズでややイルミネーションを圧縮させて撮影しています。
歩き回りながら撮影する際にとっても便利なレンズです。

ISO1000 f2.2 1/125s
こちらはLensbaby(レンズベビー)のOMNIクリエイティブフィルターシステムを使用して撮影したセルフポートレート。
このフィルターを使うことで、周りにいる人や写したくないものをキラキラとした反射で隠すことができます。
実は画面の下側に動かすことができないアルミの椅子があり、作品に必要のない情報だったためフィルターで消し去りました。とっても便利!

ISO1250 f3.2 1/30s 35mm
こちらも同じくOMNIクリエイティブフィルターシステムを使用して撮影したセルフポートレート。
ガラス窓に映り込むイルミネーションが美しく、下部に映り込んだベンチだけをフィルターで消し去りました。
イルミネーションだけでなく、このように構造物にも目を向けるとリフレクションなど面白い構図を見つけることができます。
その他面白いレンズ
▼ボケ:雪の結晶

ISO2500 f1.8 1/50s
こちらはSG-imageのファントムレンズを使用して撮影したセルフポートレート。
このレンズは形状可変絞りを搭載しており、なんとボケの形が変わります!
ハート、星、雪の結晶、オーバル(楕円)という4種類の絞りプレートが内蔵されており、くるくるとリングを回すだけで切り替えることができます。
普通のボケ感に飽きてしまった方におすすめのレンズです。
▼ボケ:ハート

ISO2000 f1.8 1/80s
▼ボケ:星

ISO2500 f1.8 1/80s
▼ボケ:楕円

ISO2000 f1.8 1/50s
ボケの形によってガラッと雰囲気が変わるので楽しいです。
物撮りをされる方にもおすすめです。
いかがだったでしょうか。
ライトやフィルター、レンズの選び方によっていろんな面白い写真が撮れることを知っていただけたかと思います。
イルミネーションが点灯している時期は限られていますので、ぜひこの機会に挑戦してみてくださいね。
■写真家:Rinaty
2021年よりフリーランスフォトグラファーに転身、大阪を拠点として全国で活動中。カメラマン・モデル・ヘアメイク・スタイリング・アートディレクションを全て一人でこなすセルフポートレート写真家として多くの作品を残す。フォトウォークやセミナー等の撮影イベントも多く開催し、上田安子服飾専門学校ファッションフォトグラフィックコースにて講師を務める。その一方でウェディング前撮り、成人式前撮り、プロフィール撮影、キッズ撮影、広告撮影、商品撮影など幅広く活躍している。
日本写真家協会 正会員・東京カメラ部2022 10選














