旅行のお供に!軽量・コンパクトと高画質を両立したタムロン「G2」超広角ズームレンズ「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」

坂井田富三
旅行のお供に!軽量・コンパクトと高画質を両立したタムロン「G2」超広角ズームレンズ「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」

見出し

今回紹介するレンズは、2025年7月31日に発売されたタムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」(Model A064)のソニーEマウント版です。初代「17-28mm F/2.8 Di III RXD」(Model A046)から第2世代の「G2」としてリニューアルをし、ズーム倍率を拡大しながらも軽量・コンパクトと高画質を両立したモデルになりました。

使い勝手も向上した超広角ズームレンズ「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」(Model A064)を実際にいろいろなシーンに持ち出してきたので、気になるスペックとその写りをご紹介します。

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」の基本スペックと魅力

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」のポイントは初代から進化した焦点距離の拡張です。広角側が初代の17mmから16mmに拡大し、望遠側も初代の28mmから30mmに拡大されました。特にワイド側が17mmから16mmに拡大されたのはユーザーにとって大きなメリットと言えます。数字的にはわずか1mmですが、画角で比べると約3.79度の画角差があります。遠近感や奥行きを強調した撮影や、建築や風景などのダイナミックな撮影がさらに楽しめるようになりました。

下の写真は、同じ場所から「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」のワイド側とテレ側の両端で撮影したものになります。超広角の16mmはダイナミックな表現が可能で都市風景などの撮影によくマッチします。

▼16mm

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF11 ISO400

▼30mm

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF11 ISO400

初代「17-28mm F/2.8 Di III RXD」と第2世代「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」とのスペック比較を一覧にしてみました。こうして比較してみると焦点距離が拡大しているのに、レンズのサイズ感がほぼ同等レベルで確保しているのが凄いと感じます。

 

初代「17-28mm F/2.8 Di III RXD」と第2世代「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」のスペック比較

タムロン16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 タムロン17-28mm F/2.8 Di III RXD
焦点距離 16-30mm 17-28mm
レンズ構成 12群16枚 11群13枚
開放絞り 2.8 2.8
最小絞り 16 22
フィルター径 67mm 67mm
絞り羽根枚数 9枚 9枚
最近接距離 0.19m (WIDE) / 0.3m (TELE) 0.19m (WIDE) / 0.26m (TELE)
手ブレ補正
全長×最大径 101.8×74.8mm(ソニーEマウント版) 99×73mm
重量 440g(ソニーEマウント版) 420g
発売 2025年7月31日(ソニーEマウント版) 2019年7月25日

焦点距離のテレ側での最短撮影距離が少しだけ長くはなりましたが、ワイド側では最短撮影距離0.19mを維持しています。

レンズフードを外した状態の「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」
レンズフードを装着した状態の「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」

「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」のフィルター径は67mm。タムロンのレンズの多くがフィルター径67mmに統一されており、複数のレンズを同時に持ち歩いても携帯性が高いことに加え、PLフィルターをはじめとした各種フィルターも共用できるほか、レンズ交換時に径の異なるキャップを探す手間が省けるなど、ラインナップ全体で高い利便性を発揮します。

本レンズが初代から大きく進化したポイントは「ホールドボタン」の搭載と、レンズをカスタマイズできるコネクターポート(端子形状:USB Type-C)の搭載です。ホールドボタンに様々な設定を割り当てる事ができるため、自分好みに設定をカスタマイズする事ができます。

「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」ホールドボタンとコネクターポート
レンズをカスタマイズできるコネクターポート(端子形状:USB Type-C)

タムロンのレンズをより快適に使いこなすためのポイントとして、「TAMRON Lens Utility」というソフトがあります。パソコンまたはスマートフォンを使用して、コネクターポート(端子形状: USB Type-C)を搭載したタムロンレンズのカスタマイズやファームウェアのアップデートを行える専用ソフトウェアです。レンズを使いやすいように設定することで、撮影がもっと楽しく、もっとクリエイティブになります。

「TAMRON Lens Utility」の設定画面

「TAMRON Lens Utility」を使えば、A-Bフォーカス・フォーカスプリセット・フォーカスリミッター・フォーカスリング設定・AF/MF切り替え・フォーカス/絞りリング機能切り替え・カメラボディ機能割り当て、アストロフォーカスロック(アストロ FC-L)など様々な設定が可能です。

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」で建築物スナップ撮影

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF2.8 ISO100 焦点距離16mm

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」を持って、都内をブラブラしながら建築物の撮影をしてみました。超広角の16mmの画角は、大きな建築物を撮影するのに楽しい画角です。ワイド側では、絞り開放から非常にシャープな描写で暗い場所でも安心して撮影ができます。

今回の撮影では、カメラ側の設定で「歪曲収差補正」は「オート」にして撮影をしていますので、歪みに対する補正は良くされています。「歪曲収差補正」をオフにすると、ワイド側ではタル型、テレ側では糸巻型の歪みの傾向がみられるので、RAWデータで撮影される方は現像の際に調整ができますが、JPEGで撮影する方はカメラ側の「歪曲収差補正」は「オート」の設定にしておくのが良いでしょう。

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF11 ISO400 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.8 ISO100 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF8 ISO800 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO200 焦点距離16mm

開放F値F2.8でありながら軽い「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」は、街中のスナップ撮影で肩からカメラをぶら下げていても負担にならず、気軽に持ち出せる軽さなので快適に撮影を楽しむ事ができます。

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」で屋外スナップ撮影

■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/500 絞りF8 ISO100 焦点距離16mm

次にタムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」を持って、バイクツーリングで房総半島に出かけてみました。目的地はピンク色の花「桃色吐息」がキレイなマザー牧場。バイクツーリングの際には機材はできるだけコンパクトにしているので、今回はこのレンズ一本だけ持って出かけてみました。

超広角の焦点距離16mmで撮影する夏の青空と白い雲、そして桃色吐息のピンク色のコントラストが広がる「花の谷」を、広く迫力ある風景として収めることができました。また、テレ側の焦点距離30mmで撮影すれば「桃色吐息」のピンク色だけの風景を切りとることもでき、撮影のバリエーションにもしっかりと対応できます。

■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/500 絞りF9 ISO100 焦点距離30mm
■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF16 ISO100 焦点距離16mm

牧場にいた動物たちに近づいて撮影することができたので、思い切って寄って撮影をしてみました。焦点距離30mm側での最短撮影距離は0.3mですが、かなり迫力のある写真を撮ることができます。

■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO400 焦点距離30mm
■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF5.6 ISO400 焦点距離30mm

牧場で撮影した後、海の方に移動してみました。超広角レンズでは、その画角の広さから太陽が入り込むシーンは非常に多くなってきます。下の写真は太陽を入れ込んで逆光の状態で撮影をしてみましたが、逆光耐性は良好ですので撮影ポジションに悩むことなく様々なシーンで安心して使用できるのではないでしょうか。

■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF16 ISO200 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7 IV + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF16 ISO200 焦点距離16mm

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」で屋内スナップ撮影

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF2.8 ISO100 焦点距離22mm

タムロン「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」は、ちょっとした旅行や散策にも快適に持ち運べるサイズで、屋内でも撮影しやすい焦点距離を持ったレンズになります。開放F値の明るさもあって、少し暗めの室内においてもISO感度を極端に上げることなく撮影をすることができます。

■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF2.8 ISO400 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2.8 ISO800 焦点距離30mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.8 ISO800 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/640 絞りF2.8 ISO800 焦点距離30mm
■撮影機材:SONY α7R V + タムロン 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF2.8 ISO800 焦点距離16mm

屋内でも気軽に撮れる焦点距離と最短撮影距離なので、旅行の際に食事などの撮影も楽しくこなせます。今回旅行に持って行く際に、最初はこのクラス定番の「16-35mmF2.8」レンズよりもテレ側が少し短いので少しもの足りないかな~と思っていたのですが、このレンズを使用する時は圧倒的に16mm側を使うことが多くなる傾向もあるので、実際にはそれほどテレ側の不足は気にならず普通に撮影を楽しめました。

まとめ

今回「タムロン16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」を使用してみて、気軽に持ち運べる軽量なレンズでありながら、旅行・建築物・スナップからネイチャーまで幅広く対応できるレンズではないかと感じました。特に旅行の際には常用レンズとしてカメラボディに装着しておくと使い勝手の良いレンズになると思います。

 

 

■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師

 

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