キヤノン EOS R6 V レビュー|小さいけれど本格派!最初に持つシネマカメラにお勧め!

水咲奈々
キヤノン EOS R6 V レビュー|小さいけれど本格派!最初に持つシネマカメラにお勧め!

はじめに

2026年6月に発売されたキヤノンの「EOS R6 V」は、シネマラインのフルサイズミラーレスカメラです。EOS系のシネマカメラは、同じくフルサイズの上位機種とも言える「EOS C50」や、APS-Cサイズの「EOS R50 V」などがラインナップされています。今回は、本機の動画性能をレビューいたします。

フルサイズセンサーなのにお手頃価格!

まず価格帯。プロ向けの「EOS C50」が50万円程であることを考えると、本機は同じフルサイズセンサーで、7K60PのRAW内部収録が可能なのに約33万円と、とてもリーズナブルに感じられます。

冷却ファンを内蔵しながら片手に収まるコンパクトさで、飛行機移動の旅でも、持ち運びにストレスを感じないサイズ感でした。

ファインダーがないことは賛否が分かれるところでしょうが、筆者は動画撮影時にファインダーを覗くことはほとんどなく、必要であれば外付けモニターを使用するほうが現実的であろうことから、このような小型の動画メインのミラーレス機は、コンパクトさを優先すればファインダーはなくてもいいと思っています。

※2026年9月8日カメラのキタムラネットショップ価格

ダイナミックレンジの広いCanon Log 2対応!

前半:Canon Log 2(無編集) 後半:同映像をカラーコレクションした映像
■撮影機材:EOS R6 V + RF20-50mm F4 L IS USM PZ
■アクセサリー:H&Y EVO VND3-1000+CPL 82mm

本機は「Canon Log 3」だけでなく、暗部の階調が豊かなガンマカーブの「Canon Log 2」に対応しており、「Canon Log 2」撮影時には最大15+stopsのダイナミックレンジを保持しています。

明暗の差が少ないシーンや、編集に時間をかけられないときなどは、「Canon Log 3」やカスタムピクチャー、カラーフィルターを使用してももちろんいいのですが、「Canon Log 2」で撮影した映像をじっくりと仕上げるのもまた、自分の色を作り出す楽しさを堪能できるなと、あらためて感じました。

こちらの作例は、前半は「Canon Log 2」で撮影したままの映像、後半は「Canon Log 2」で撮影した映像に、キヤノンから配布されている3D LUTを充てて「Canon 709」に変換し、DaVinci Resolveで軽くカラーコレクションしました。

今回の撮影では、見た目に近い色合いを出したいシーンが多かったので「Canon Log 2(色空間:Cinema Gamut)」を多用し、明暗差の少ないシーンではカスタムピクチャーの「BT.709 Standard(色空間:BT.709)」を、シネマティックに仕上げたいシーンではカラーフィルターの「StoryTeal&Orange(色空間:BT.709)」を使うことが多かったです。

7K30Pのオープンゲート記録が可能

■撮影機材:EOS R6 V + RF20-50mm F4 L IS USM PZ
■アクセサリー:H&Y EVO VND3-1000+CPL 82mm

本機の大きな特徴として、7K30Pのオープンゲート記録が可能なことが挙げられます。具体的にどのような記録方式かというと、静止画のフルサイズと同じアスペクト比の3:2で、センサー全体を利用した動画を記録する方式です。

この記録方式は、横動画と縦動画を同時に撮影するときにとても便利です。たとえば、YouTube用の横動画とInstagramリール用の縦動画を作成したいとき、別々に撮り直さなくても、後からそれぞれの比率に合わせて切り出しやすくなります。

上下をクロップした16:9の横長比率から、9:16の縦長比率に切り出すのはかなり難易度が高く、撮影時にどんなに気をつけても窮屈な画になりやすかったりします。また、画質の劣化も気になります。

その点、3:2のオープンゲート方式ですと、横比率はもちろん、縦比率の動画も上下に余裕ができるおかげで、撮影後の編集作業が楽になります。7Kの高精細な画像を録画できるので、切り出した画質の品質が高いのもメリットですね。

この3:2の比率の撮影は、特に静止画から動画を始めた方は構図が作りやすいと感じると思います。

7Kの高解像度を利用したリフレーミングが可能なので、三脚を使ってフィックスで撮影した動画も画角に余裕があるので、スライドさせたり、ズームさせたりなど、編集時に動かすことができるのも大きなメリットだと感じました。この作例も、横動画は上に、縦動画は右にスライドさせて編集してみました。

このオープンゲート記録は、RAW(6960×4640)とMP4(6912×4608)での記録が可能で、MP4での記録の際にはわずかにクロップされます。

スロー&ファストモーション動画モード

■撮影機材:カメラ:EOS R6 V + RF20-50mm F4 L IS USM PZ
■記録モード:スロー&ファストモーション動画モード
■カラーフィルター:StoryTeal&Orange
■アクセサリー:H&Y EVO VND3-1000+CPL 82mm

スロー&ファストモーション動画モードでは、手軽にスローモーションや、早送りのようなファストモーションを録画できます。

このモードですと音声は録画されないので、通常撮影の記録フレームレートを4K時最大119.9fpsに設定して、音声アリの素材を撮影して、編集時にスローモーションにすることも可能です。

が、筆者はスローモーション時にはBGMの演出をすることが多いので音声をそれほど重要視しておらず、気軽にスローモーションが撮影できるこのモードは、便利に使用しました。こちらの作例は、スロー&ファストモーション動画モードの5倍スローで撮影しています。

Base ISO感度は自動切り換え方式

ノイズが乗りにくいベースISO感度は、ガンマ設定によって決まっています。

ガンマ設定:Canon Log 2、Canon Log3のときのベースISOは800と6400。ガンマ設定:Canon 709.、BT.709、PQ,、HLG、ピクチャースタイル、カラーフィルターのときのベースISOは400と3200。ガンマ設定:BT.709 StandardのときのベースISOは160と1250です。

こう書き出すとややこしく感じるかもしれませんが、本機はベースISO感度は自動的にノイズが少ない方に切り替わるので、ベースISO感度に馴染みが少ない方も、戸惑わずに撮影ができるでしょう。

扱いやすい操作系統

■撮影機材:カメラ:EOS R6 V + RF20-50mm F4 L IS USM PZ
■撮影環境:焦点距離20mm 絞り値F4 シャッタースピード1/250秒 ISO感度1000 ホワイトバランスAWB

静止画と動画の両方を撮影していると、とにかくボタン操作が忙しくなります。筆者は特に、静止画で撮影したいイメージと、動画で撮影したいイメージが大きく違うことが多いので、機能ボタンのカスタマイズは沢山できるほどありがたいと思っています。

本機は7ヶ所のボタンとダイヤルに機能の割り当てが可能なので、必須機能はもちろん、必須ではないけど割り当てておくと撮影が楽になる機能をそれぞれ設定できて、とても便利でした。

パワーズーム内蔵の動画向けレンズ「RF20-50mm F4 L IS USM PZ」

今回は本機と一緒に、Lレンズで初めてパワーズームを搭載した「RF20-50mm F4 L IS USM PZ」をお借りして撮影しました。

これが使い勝手がいい!広角が欲しくなる動画撮影時に20mmの画角はありがたく、筆者が好きな「被写体に注目した人の視線」を表現してくれる望遠側の50mmの画角は、動画に変化をつけてくれるのにぴったりでした。

ズーミングはズームリングとカメラのズームレバーの行うことができ、速度も15段階で設定できます。手ブレ補正は中央で6段、ボディ内ISを搭載したEOS Rシリーズのカメラに装着した場合は、中央8段、周辺8段の手ブレ補正効果を実現しています。

また、ズームしても全長が変化しないので、ジンバルでの使用もしやすく、ピント移動時の画角変化(ブリージング)も抑制されているので、動画でも安定して使いやすいレンズに仕上がっています。

トライポッドグリップ「HG-200TBR」

本機をワンオペで使用する方で動画撮影初心者の方は、Bluetooth対応のワイヤレスリモコン「BR-E2」を搭載したトライポッドグリップ「HG-200TBR」を購入することをお勧めしたいです。

三脚としてはもちろん、グリップスタイルでの手持ち撮影がしやすい大きさ・形状なので、まさに買ったその日からVlog撮影が楽しめます。握ったときに指が来やすい位置にリモコンを装着する場所があるので、動画のスタート・ストップや、ズーミング、露出調整が直感的に行なえるのでセットで使用したいアクセサリーです。

最初に持つシネマカメラとしてお勧め!

最大7K60PのRAW動画の内部記録、最大15+stopsのダイナミックレンジ(Canon Log 2での記録時)、最大7Kのオーバーサンプリング4K記録など、小さなボディに上級機並みの性能を備えている本機は、Vlogから本格的な映像制作まで賄える機種として、価格帯もちょうど良いことから、最初に持つシネマカメラとしてもお勧めできる製品に仕上がっていると感じました。

 

 

■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。

 

 

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