キヤノン EOS R10 |軽くて小さいので毎日持ち歩ける本格性能のミラーレスカメラ

ShaSha編集部

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はじめに

 キヤノンからRFマウントのAPS-Cセンサーサイズのミラーレスカメラ「EOS R10」を、2022年7月下旬に発売するとアナウンスがありました。同時に発表された「EOS R7」同様にEOS Rシリーズで初のAPS-Cセンサー搭載モデルとなります。小型・軽量ながら、メカシャッターで最高15コマ/秒、電子シャッターでは最高23コマ/秒という高速連写が可能で、上位機種と同性能の被写体検出エンジンを搭載しているなど、エントリーモデルの皮を被った本格性能のミラーレスカメラのようにも感じます。今回はキヤノンフォトハウス銀座の先行展示機を触ってきましたので、そのレポートを是非ご覧ください。

小型・軽量・本格性能

 ボディーはバッテリー、SDカードを入れた状態で約429gと非常に軽く、持ち歩きに便利になっています。また、キットレンズの「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と組み合わせても約559gと驚きの軽さになっています。

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EOS R10 + RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM

 同時発表された同じAPS-Cセンサー搭載モデルの「EOS R7」と大きさを比べてみても一回り小さいサイズになっているのが分かります。

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左「EOS R10」、右「EOS R7」

 今回同時に登場したAPS-C用につくられたレンズが2本あり、レンズキットではどちらか一方を選べるようになっています。左側の「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」はフルサイズ換算で約29-240mm相当の焦点距離となり広角から望遠域まで楽しめ、光学式の手振れ補正機能が搭載されています。右側の「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」はフルサイズ換算で約29-72mm相当の標準ズームレンズの焦点域を楽しめ、質量は約130gと非常に軽くなっています。

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左「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」、右「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」

 ボディーの正面向かって左下にはオートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の切り換えが行えるフォーカスモードスイッチが付いていて、フォーカスモードスイッチを備えていないレンズを装着したときでもファインダーを覗いたまま、指先の操作だけで素早く切り換えられるようになっていて便利です。

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 背面はファインダーのすぐ右横にマルチコントローラーが付いていますので、素早くピント位置を調整する事が可能です。

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 上面中央にはマルチアクセサリーシューがありますので、外付けのマイクなど、電源供給しながら収録する事が出来ます。また、右側にはメインコマンドダイヤルに加えてサブコマンドダイヤルも用意されていますので、必要に応じてマニュアル露出での操作も容易に行えるようになっています。「M-fn」と記載されているところはファンクションボタンになっておりカスタマイズ性にも優れています。

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 液晶モニターはバリアングル式になっていますので、自撮りは勿論、自由度の高いアングルで撮影を楽しめます。

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 コンパクトで大容量なリチウムイオンバッテリーパック「LP-E17」に対応しています。EOS Kissシリーズや同じEOS RシリーズのEOS RPなどともバッテリーは共通です。

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 SDカードはシングルスロットでこの位置から抜き差しできます。

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 有効画素数約2420万画素のCMOSセンサーを搭載し、人物の肌や植物の鮮やかな色合い、空のグラデーションなどを高画質に描写することが出来ます。また、高性能な映像エンジンDIGIC Xとの組み合わせにより、静止画常用最高ISO感度は32000を実現し薄暗いところでも低ノイズで撮影が出来るようです。動画の常用ISO感度は最高12800で、拡張すると最高25600にする事ができます。

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高速性能

 高速連続撮影はメカシャッターで最高約15コマ/秒、電子シャッターではAF/AE追従で最高約23コマ/秒となっていますので素早く動く被写体を高速に捉えることができます。

▼連写音はこちらの動画でご覧頂けます。

 電子シャッターを使ったRAWバーストモードでは、少しクロップした状態にはなりますが最高30コマ/秒の連続撮影を行えます。また、シャッターボタンを全押しした瞬間の約0.5秒前から記録できる「プリ撮影」も可能なので、素早い動きをする被写体も確実に狙うことができます。

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 EOS R10は上位機種譲りの高精度な被写体検出エンジンを搭載しており、カメラが被写体の特徴を判断してフォーカスを合わせた後トラッキングを開始してくれます。「人物」の検出では、激しい動きにより顔や頭部を捉えられない状況でも胴体などから人物を検出し安定したトラッキングを継続してくれます。また、瞳の検出では横顔やマスク装着時などの、これまで瞳を認識しずらかった状況でも高精度に検出してくれるようです。

▼キヤノンフォトハウス内で「人物」検出時のトラッキングの様子をキャプチャしましたのでご覧ください。

 動物優先では犬、猫、鳥を検出し、乗り物優先では高速に動く二輪、四輪のモータースポーツの撮影に有効とのことです。

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 また測距エリアは、縦100%、横90%の範囲で被写体検出を行う事ができ、更に被写体を検出した後は縦横共に約100%の範囲で被写体を追従する事が可能です。

動画性能

 4K UHD 30Pの撮影では実質6Kの画質で記録して4Kにリサイズする「6Kオーバーサンプリングプロセッシング」を採用していますので美しい映像を記録できます。クロップ時は4K60Pでの記録も可能で、高画質で滑らかな動画に仕上げる事ができます。

 フルHDでは120Pでのハイフレームレート撮影も可能です。シネマティック動画の中ではよく使われるスローモーションでの表現を楽しめます。

 そして何より優れたフォーカス性能は動画でも発揮してくれますので、狙った被写体にしっかりとピントを合わせた美しい映像を記録できます。

さいごに

 「EOS R10」はいかがでしたでしょうか。優れた操作性能を持つ小型・軽量モデルですので、初心者の方にとって非常に扱い易いカメラになっていると思います。また特にAF、高速性能では本格性能を持ったカメラですので、これらの性能に拘って趣味の写真を撮られる方にも満足できる作りになっているのではないでしょうか。次回は写真家によるレビューを公開する予定ですので、是非楽しみにしていてください。

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