どんな天気でも無敵!GNDフィルターのポートレート活用方法
はじめに
みなさんこんにちは!セルフポートレート写真家のRinatyです。
いきなりですが、みなさんはGND(ハーフND)フィルターを使ったことはありますか?
NDフィルターやCPLフィルターは使われたことのある方が多いと思いますが、GNDフィルターは風景写真に使うイメージが強く、使ったことがなく手を出しづらいとよく聞きます。
しかし私にとってGNDフィルターは無くてはならない存在で、どんな撮影でも必ずカバンの中に入れています。
今回はその使い方や魅力をお伝えしていこうと思います!
フィルターの紹介
まずGNDフィルターがどのようなフィルターであるのか解説しましょう。
GNDのGはグラデーションという意味で、フィルター上端が最もNDの濃さが強く、中央もしくは下端に向かって段々とNDの濃さが弱くなっているフィルターです。それとは反対に中央に向かって濃くなっていく「リバース」という種類のGNDフィルターもあります。
私はH&Y FilterのSoft GND 8(0.9)と、Balancer GND 16(1.2)を愛用しています。
Soft GND 8(0.9)は上端がND8で中央に向かってNDなしへとグラデーションが変化していきます。例えば画面内で空と地面の境界が真ん中くらいにあり、輝度差が大きいシーンで活躍します。
Balancer GND 16(1.2)はSoft GNDよりもグラデーションの幅が長く、上端から下端に向かってND16→ND8→ND4→NDなしと、なだらかにグラデーションが変化していきます。こちらは明暗差がありつつも境界が曖昧なシーンで活躍します。単体であればとても自然な仕上がりとなり、Soft GNDなどの他のフィルターを重ね付けすることもできます。初心者、上級者どちらにもおすすめの商品です。

H&Y Filterはゴリラガラスが採用されており、衝撃に強く、防汚・撥水・防傷・低反射コートが施されているため、ハードなロケーションによく行く私も信頼して使えます。また、フィルターの周りにフレームがついており、手の小さな女性でも簡単に扱うことができます。
さらに、角型フィルターを装着するホルダーは「Kシリーズ フィルターホルダー Mark III」や「REVORING Swiftシステム」という画期的なホルダーがあり、着脱がワンタッチで行えます。特に愛用している「REVORING Swiftシステム」はステップアップリング無しで、どの口径のレンズにもマグネットでワンタッチで取り付けることができます。取り付けに時間がかからないため、急な天気の変化にも素早く対応することができるためオススメです。
フィルターの効果
ではフィルターがある時とない時でどれくらい違いがあるのかご覧いただきましょう。

■撮影環境:F2.8 1/80秒 ISO200 33mm
上は福井県で撮影したセルフポートレート(フィルター無し)。
日没前で空と地面の輝度差がかなり大きい状況でした。

■撮影環境:F2.8 1/200秒 ISO200 33mm
空が白飛びしないように調節した写真がこちら。
画面右側にある紅葉の部分がかなり暗く写ってしまいました。

■撮影環境:F2.8 1/80秒 ISO 200 33mm
このような状況で大活躍するのがGNDフィルター。
このフィルターを入れて、明るさを調整した写真がこちら!
空の部分はしっかり減光していますが、紅葉の部分が黒潰れせずにきちんと残ってくれています。
被写体もフィルターに被る部分は暗くなりますが、私の場合はストロボを使って持ち上げて撮影しています。
GNDフィルターを使わなくても後から編集で調整すればいいという声や、ブラケット撮影をして合成すれば良いという声をたびたび聞きます。
もちろんそのような方法はありますが、私は撮って出しの状態で、なるべく完成形に近づけておくことがすごく大切だと感じています。
暗くなった部分を編集で持ち上げると、ノイズが乗って画質が劣化してしまいますし、なにより編集の手間がかかってしまいますよね。
そして作品撮りに限らず、クライアントワークの際でも、より完成に近い状態で撮れた写真をその場で見せた時のほうが、感動がより大きくなります。
このような理由から、なるべく現地でベストを尽くすべきだと考えています。
作例紹介

■撮影環境:F9 1/125秒 ISO100
こちらの作品は私の代表作。
このロケーションは硫黄の白い煙が常時出ている場所です。しかしここで私が撮りたいものはもっとダークな世界だったため、Soft GNDを使用して煙の部分を減光させて真っ赤な衣装をさらに際立たせました。

■撮影環境:F9 1/125秒 ISO100

こちらの作品は北海道の網走で群生している珊瑚草の湿原で撮影しました。
この日はとても天気が良く、普通に全体的に減光していくと珊瑚草の赤色がかなり暗く沈んでしまうため、Soft GNDで空の部分だけを減光して撮影しました。
ちなみにこの時、ドレスについている布をライトスタンドに括り付けて引っ張りながら撮影しました。

■撮影環境:F8 1/60秒 ISO400 35mm
こちらの作品は、神奈川県で撮影している最中に突然大きな羽の形をした雲が現れたため、大急ぎで撮影しました。
地面と空の輝度差が大きく、地面の岩の質感もしっかり残しておきたかったため、Balancer GNDを使用しました。
日没前で風も吹いていて雲の形が変わりやすい状況でしたが、REVORING Swiftシステムならホルダーがワンタッチで素早く取り付けられる仕様なので、難しい状況でも逃さずに撮影することができました。

■撮影環境:F6.3 1/200秒 ISO125 24mm
この作品は立山連峰で撮影しました。夜明け前から30kgの荷物を背負い、2時間半かけて登山しました。
雲の形を残しつつ、青空と緑を美しく写したかったため、Balancer GNDとCPLフィルターを併用して撮影しています。
NDやCPLなど風景撮影によく使用するフィルターと重ね付けすることで、より絵画のような作品を残すことができました。

■撮影環境:F4 1/200秒 ISO50 14mm
この作品では空ではなく地面にグラデーションが濃い部分を持ってきています。
とても天気がいい日で土やドレスの裾の照り返しが非常に強かったため、白飛びを防ぎました。
Balancer GNDを使用しており、グラデーションがなだらかなため違和感がありません。

■撮影環境:F9 1/160秒 ISO100 14mm
この作品はオーストラリアのメルボルンで撮影。
建物と階段の部分と空の部分で輝度差があったため、フィルターを斜めにして空の部分だけ減光させています。REVORING Swiftシステムなら簡単に角度調整して自分が狙った場所を減光することができるため、とても便利です。
おわりに
いかがだったでしょうか。GNDフィルターは何となくハードルが高いと思っていた方も使ってみたくなったのではないでしょうか。私の作品達はいつもこのフィルターにたくさん助けられています。
角形フィルターを使うことに抵抗のある方は、保護フィルターなどと同様にレンズ前面にねじ込みできる円形タイプも発売されているため、こちらもおすすめです(角形だと装着する位置によってグラデーションの濃さの微調整が可能なところがメリットです)。気になった方はぜひお試しください。

■写真家:Rinaty
2021年よりフリーランスフォトグラファーに転身、大阪を拠点として全国で活動中。カメラマン・モデル・ヘアメイク・スタイリング・アートディレクションを全て一人でこなすセルフポートレート写真家として多くの作品を残す。フォトウォークやセミナー等の撮影イベントも多く開催し、上田安子服飾専門学校ファッションフォトグラフィックコースにて講師を務める。その一方でウェディング前撮り、成人式前撮り、プロフィール撮影、キッズ撮影、広告撮影、商品撮影など幅広く活躍している。
日本写真家協会 正会員・東京カメラ部2022 10選















