ネイチャースナップのすすめ|C-PLフィルターを使いこなそう

小林義明
ネイチャースナップのすすめ|C-PLフィルターを使いこなそう

はじめに

写真がデジタル化して後処理で色々なことができるようになってから、フィルターの出番はだいぶ減ってしまった感じがします。そのなかでも異色の存在がC-PL(円偏光)フィルターです。

後処理では得られない効果があるため、いろいろなシーンで活用されています。私も使用頻度が高く、なくてはならないフィルターとなっています。今回はネイチャースナップの視点から、このC-PLフィルターを紹介したいと思います。

北海道・大雪山の一足早い紅葉。今年も9月中旬には秋らしい景色を見せてくれた。このようなシーンを色鮮やかに撮影するために欠かせないのがC-PLフィルターだ。後処理では得られない効果を持っているので、ぜひ使いこなして欲しい。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR + C-PLフィルター
■撮影環境:F14 1/80秒 ISO800 WB太陽光

C-PLフィルターの役目

C-PLフィルターは何をするものかというと、「偏光」をカットするためのフィルターとなります。
光はさまざまな方向に振動していますが、物体にあたって反射すると特定の方向だけに振動する「偏光」となります。フィルターには偏光膜という特定の方向に振動した光だけを通す膜が貼られていて、被写体からやってくる偏光の振動と違う角度にすることで、この偏光をカットすることができます。

簡単にいうと、被写体の反射をとる効果があるのです。詳しいことを知りたい方は、フィルターメーカーのWEBサイトなどに図解入りで分かりやすく解説されていますので、見てみてください。

表面がツルツルしている葉の表面では強い光の反射が起きている(左)。そのまま撮影すると、反射しているところは白っぽく写り、被写体本来の色は失われてしまう。C-PLフィルターで反射を取り除くと、被写体本来の色が再現できるようになり、鮮やかに撮影できる(右)。
いち早く色づいたクロマメノキ。葉の表目はツルツルしていて逆光気味だと反射が強く起きるので、C-PLフィルターで反射を抑えて本来の色を再現した。葉の角度によっては反射の残っているところもあるが、秋らしい色を見せることができた。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR + C-PLフィルター
■撮影環境:F14 1/80秒 -0.7EV補正 ISO800 WB太陽光

反射をとる

被写体の反射をとることで得られる効果は、色を鮮やかに再現できることです。身の回りにある景色の中には、常に反射があるといっても過言ではありません。とくに日差しが強い時には、太陽の光が強く反射して光って見えるところがあちこちにあるはずです。
 
風景を撮影しているときを考えると、葉の表面や水面に反射が起きています。この反射を取り除くことで、被写体本来の色を再現できるようになって、鮮やかさが増すというわけです。

肉眼で何気なく景色を見ている時には、頭の中で補正されて反射しているところも色が鮮やかだったように感じるかもしれませんが、じっくり冷静に見てみると、あちこちに反射があるのがわかるでしょう。

広い紅葉の風景をそのまま撮影すると、葉の反射が多く白っぽく写ってしまうところが多く、いまいち冴えない(左)。そこでC-PLフィルターを使うと反射がとれて色鮮やかな景色となった(右)。景色に興奮していると反射に気づかないことも多いので、冷静に反射を見極めることが大切だ。
斜面に広がるウラジロナナカマドの見事な紅葉。まだ完全なピークとはなっていないが、北海道の秋らしい景色だ。この鮮やかさを再現するために、C-PLフィルターは必須のアクセサリーとなっている。
■撮影機材:Nikon D850 + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM + C-PLフィルター
■撮影環境:F11 1/250秒 ISO800 WB太陽光
水辺の景色では、必ずと言っていいほど水面に反射があり、この反射をどう扱うかで作品のイメージが変わる。反射があると水面下の様子が見えにくくなり、透明感も弱くなる(左)。C-PLフィルターをつけて反射を取ると、水面下の様子もはっきり見えるようになって、水の透明感が強くなる(右)。
きれいな青い水が湛えられている小さな池の景色。この水の澄んだ様子を伝えるにはやはりC-PLフィルターで反射をなくして撮影した方がわかりやすい。完全に全体の反射がなくなるわけではないので、どこに反射が残るかも意識してフレーミングすることが必要だ。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR + C-PLフィルター
■撮影環境:F13 1.3秒 ISO200 WB太陽光

水辺の景色では水の透明感を再現したいと思っても、水面に景色が映っていて目で感じたような透明感を再現できないことが多いです。しかし、C-PLフィルターで水面の反射を取り除けば透明感を再現できます。

ただし、すべての反射を取り除けるわけではありません。反射してくる角度が30°から40°の範囲のものに限られます。水面を真上から撮影している時に自分の写り込みを消したいと思っても、これは無理なのです。

色を鮮やかにしたいからといってカメラの色彩設定の彩度が高いものにしても被写体の反射がなくなるわけではなく、かえって不自然な色合いになってしまうことがあります。まずはC-PLフィルターで被写体の反射を抑えて、それから好みの彩度に調整することが必要です。

濡れた岩の表面にも反射は起きている。曇天なので反射が弱くパッと見るとあまり違いがない感じがするが、流れの間に見える岩の部分に弱い反射がある(左)。C-PLフィルターを使うと、反射がとれて岩の黒さがしっかり再現されて流れの白さも強調できる(右)。
滝の流れを表現するときに、周りの岩など黒い部分がしっかり黒く見えていないとメリハリがつかずに印象が弱くなってしまう。C-PLフィルターで反射を取ることで岩の黒さやしっとりした湿った雰囲気を再現できるので、魅力的な作品に仕上げられる。
■撮影機材:CANON EOS R5 Mark + RF24-240mm F4-6.3 IS USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F13 1/80秒 +0.3EV補正 ISO640 WB太陽光
ここでは花ではなく背景に注目してほしい。普通に撮影すると周りにある葉の表面で反射が起きていて、背景は白っぽい色になりやすい(左)。そこでC-PLフィルターをつけると、反射を取り除いてきれいな緑が再現できる(右)。背景のボケているところでも色の違いははっきりでる。
トリカブトをクローズアップ。後ろにはササの葉があり反射が強く白っぽくなるため、C-PLフィルターをつけて反射を取り除いた。すると緑がきれいに再現されてみずみずしい雰囲気に再現できた。ただ、玉ボケは弱くなっているので、意図によって使い分けてほしい。
■撮影機材:CANON EOS R5 MarkII + EF100mm F2.8 Macro USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F3.5 1/200秒 +0.7EV補正 ISO1600 WB太陽光
水面には空が映り込むので、青空のときには水面が青くなる(左)。そこにC-PLフィルターを使うと透明感をだすことはできるのだが、水面全体の反射を取り除くことは無理で、水面とカメラが30度くらいの範囲に限られる(右)。広角レンズでは映る範囲が広いためにこのような写り方になることを覚えておこう。

空の青さを強調する

自然写真のなかでは空の青さを強調するのもC-PLフィルターが活躍するシーンです。後処理で空を青くすることは可能ですが、稜線部の境目などが不自然な仕上がりになってしまうこともあり、撮影時に思い通りに撮れている方がいいと思います。

ただ、空の青さを強調する場合には制約があります。空を青くできるのは、太陽とカメラマンを結んだ線に対して90°の位置にあたる部分に限定されるのです。
朝や夕方の太陽が低い時は空の高い部分で効果があり、日中の太陽が高い時なら順光の方向で効果が得られます。空の一部分にしか効果が得られないため、画角が広いときには空がムラになってしまうこともあります。ムラが気になる時には、後処理でムラを抑える必要がでてきたり、フィルターをつけない方がいいこともあるでしょう。

また、湿度が高くかすんでいたり薄い雲が広がっていたりする時にはあまり効果がありません。すっきりと晴れている部分だけに効果が得られると覚えておいてください。
 

青空を強調したい時にもC-PLフィルターは有効だ。そのまま撮影してもそれなりに青い空で撮影はできる(左)。しかし、C-PLフィルターを使って撮影すると空はより濃い青に再現できる(右)。青空を強調する場合はいろいろ条件があるので、そのあたりも理解して使うようにしよう。
青空を背景に色づき始めたナナカマドを撮影。C-PLフィルターを使うことで被写体だけでなく青空も強調できて、秋らしい雰囲気を演出できた。これからの紅葉シーズン、C-PLフィルターを使いこなせば、見事な紅葉風景を撮影できるはずだ。
■撮影機材:CANON EOS R5 MarkII + RF24-240mm F4-6.3 IS USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F9 1/320秒 ISO1600 WB太陽光
水蒸気の多い霞み気味の空ではC-PLフィルターを使っても劇的な変化は得られない。肉眼で見て霞んでいるようなとき(左)は、C-PLフィルターを使っても多少コントラストが上がる程度だ(右)。
秋っぽい気温になってきたものの、夏の名残を感じさせる雲が浮かんでいた。やわらかな夕陽があたる入道雲の姿を少しでもくっきりと浮かび上がらせたくてC-PLフィルターを使って撮影した。
■撮影機材:CANON EOS R5 MarkII + RF24-240mm F4-6.3 IS USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F10 1/400秒 +0.7EV補正 ISO640 WB太陽光
青空を強調する効果が得られる範囲にも限りがある。左はC-PLフィルターなし。右側はC-PLフィルターをつけているのだが、画角が広いために画面の中央のあたりは空の青さが強調されているが、右下のあたりは効果がなく空にムラができている。広角レンズで撮影するときは気をつけた方がいい。
広がりのあるガレ場の景色。空には月が浮かんでいる。24mmで撮影したカットでは空のムラが目立つ感じだ(左)。画角を狭くして44mmで撮影したカットでもよく見るとムラが残っているのがわかる(右)。
ややメリハリがなくなってしまうのだが、ここでは空のムラがおきないようにC-PLフィルターの効果がない状態で撮影したカットを採用することにした。後処理で整えることもできるが、撮影時にできるだけ完成させたいと考えている。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR + C-PLフィルター
■撮影環境:F11 1/250秒 +0.3EV補正 ISO800 WB太陽光

効果の確認方法

C-PLフィルターは持っているけれど、使い方がよくわからないという声を聞くことがあります。

まずC-PLフィルターは付けるだけではダメで、効果が得られるようにフィルターの前枠を回転させる必要があります。90°毎に効果の強弱が変化しますから、ファインダーを覗きながらフィルターを回して効果の得られる角度にしてから撮影するのです。

効果があるかどうかは、画面の反射して白っぽく見えている部分を見ながら判断します。反射が抑えられると被写体本来の色が見えるようになったり、水面なら映り込んでいる反射そのものがなくなったりします。空の青さを強調する場合は、空が一番暗く見えるようにフィルターを回します。画面のどの部分を見ていれば効果の違いがわかるのかは、何度か練習して慣れていくようにしましょう。

これらの効果は、光学ファインダーのカメラの方が確認しやすいように思います。ミラーレス一眼では反射が抑えられるのと同時に見えている像の明るさが変化して、C-PLフィルターの効果が出ているのが分かりにくいことがあります。

私はEVFの輝度を手動で設定してファインダーの明るさが変化しないようにしているのと同時に、シャッターボタン半押しでAEロックがかかる設定にしていて、C-PLフィルターを回す時にはシャッターボタンを半押ししたままで露出が変わらない状態にしています。

D850では初期設定でシャッターボタン半押しのときにAEロックがかからないので、設定を変更してAEロックを有効にしている。AEロックを利用できた方が、C-PLフィルターの効果を微調節しやすくなる。
EOS R5 MarkIIのようなミラーレス一眼ではEVFや背面液晶の輝度を固定しておかないとC-PLフィルターの効き具合がわかりにくいことが多い。基本設定は「自動」になっているものが多いので、「手動」で適度な明るさに設定して使ってみてほしい。

効果の強弱を使い分けよう

C-PLフィルターは常に最大効果で使うのが正しいわけではなく、表現に合わせて中間の効果で使った方がいいこともあります。いつでも完全に反射をとってしまうのではなく、ほどよく反射を残すことでイメージ通りになることもありますし、シーンによっては反射が強い方がいいこともあります。

ファインダー上では効果の違いがわからないときには、小刻みにフィルターを回して撮っておくといいでしょう。このような微調節が一味違う作品へとつながります。

また、C-PLフィルターはつけっぱなしという人も多いのですが、効果があまり得られないシーンなど必要がない時には外すようにしましょう。C-PLフィルターは偏光をカットするためフィルターを通過する光量が減っていて、1絞りから2絞り近く光量が減ることがあります。その分の光量を補うために感度を上げたり、シャッター速度を遅くしてブレの可能性が増えたりするなどいいことはありません。

C-PLフィルターの効果を弱くしながら撮影したもの。一番左が最大効果で、右で効果がない状態だ。90度回転するなかでだいたい4等分になるよう回している。水面の反射と空の青さを見比べてみてほしい。一番左側では水面の反射がほぼ完全になくなっているが、水底の泥が見えてあまりきれいではない。逆に効果が出ていない一番右側のカットでは空の青さがイマイチだ。

 

見比べた中で右から2番目に当たる弱目の効果が出ているカットを採用することにした。決め手は画面の中で目立つ水面に青空の反射があってサンゴソウの青と適度なコントラストを生み出していることと、青空が少し強調されていることだ。このあたりは自分のイメージに合った効果を得られるよう、撮り比べてみるといい。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR + C-PLフィルター
■撮影環境:F13 1/125秒 +0.7EV補正 ISO400 WB太陽光
左がC-PLフィルターの効果なし。右が効果最大となっている。このシーンでは、水面の反射そのものが被写体となっているので、C-PLフィルターをつけなくてもいい。
水面に映り込んだ緑が美しいシーン。このようなシーンではC-PLフィルターはあえて使わない方がいいことも多い。C-PLフィルターをつけっぱなしにして忘れていると、必要ないのに反射をとってしまっている可能性もあるので気をつけよう。
■撮影機材:Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm 4G ED VR
■撮影環境:F13 0.4秒 -0.7EV補正 ISO200 WB太陽光
白い虹を撮影。左がC-PLフィルターの効果なし。右が効果最大となっている。虹を撮影する時にC-PLフィルターの効果を強くすると虹が薄くなったり消えてしまう。ファインダー上でもっとも虹が見える位置を探ってから撮影しよう。
霧が晴れてきた釧路湿原に白い虹が出てきた。肉眼ではうっすらを見える感じだが、C-PLフィルターを使って撮影するとよりはっきり見せることができた。七色の虹も同様にC-PLフィルターで強調させることができるので、活用しよう。
■撮影機材:CANON EOS R5 MarkII + RF24-240mm F4-6.3 IS USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F9 1/160秒 +0.7EV補正 ISO500 WB太陽光
クロマメノキを真上から撮影している。この角度からだとC-PLフィルターの効果はなく、じっくり見比べても違いがない。このような条件のときは、C-PLフィルターを外して撮影した方が感度を下げられるなど画質面でのメリットが出てくる。面倒がらずに外すこともしよう。

応用した使い方

反射を抑える目的ではなく、ちょっと応用した使い方もできます。C-PLフィルターをつけると光量が減ることを利用して、ND(減光)フィルターの代わりにもなります。減らせる光量は少ないですが、スローシャッターを使いたい時には低感度と併用することで効果が得られます。

これは特殊な使い方になりますが、C-PLフィルターを2枚重ねると減光効果が大きくなり、どうしても大幅に光量を減らしたい時に有効です。ただ、色が変わったり濁ったりしてしまうことがあるので、緊急用として考えてください。またフィルター枠が画面の四隅に写ることもあります。

C-PLフィルターをつけることでどのくらい減光効果が得られるかを比較している。C-PLフィルター1枚で約1段半ほど。2枚重ねると3段近い減光効果があるが、かなり黄色味がかった発色になっている。
ここではC-PLフィルターを3枚重ねて波打ち際を撮影している。減光効果はかなり得られているので、日中でもそれなりのスローシャッターとなって幻想的な写り方になった。ただ、フィルターを3枚重ねると画質的にはあまりいいとは言えないので、このような効果を得ようとする場合は、NDフィルターの利用が正しいと思う。
■撮影機材:Nikon D850 + Tamron SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 + C-PLフィルター
■撮影環境:F22 1.6秒 +1EV補正 ISO100 WB太陽光

知っておくといいこと

C-PLフィルターは前枠を回して使うために、使い方にもコツがあります。
まずはきちんとフィルターをねじ込んでおくことです。取り付けが甘いとフィルターが外れて落ちてしまうことがあります。とくに前枠を回す時に、フィルターが外れる方向(カメラを構えている時に時計回り)に回すと、だんだんフィルターが緩んでいって外れてしまうことがあるので、注意が必要です。

フィルターを取り付ける時には、ちょっと斜めになったまま無理やりねじ込むとフィルター枠が歪んでスムーズに前枠を回せなくなってしまいます。取り付ける時はレンズを上に向けてC-PLフィルターを被せて平行になっていることを確認してからゆっくり回していくとうまく取り付けられます。
逆にフィルターが固く締まってしまい外れない時には、力を入れずに緩くフィルター全体を手で包むようにしてゆっくり回すと外れやすいです。力を入れるとフィルター枠が歪んで楕円になって外れにくくなってしまうのです。

また、頻繁にフィルターを回すため、ついフィルター面に触れてしまって手の脂がついて汚れてしまうことも多いです。そのまま撮影すると汚れがフレアのように写ってしまうこともあるので、ときどきフィルター面を確認して、汚れていたらクリーニングしましょう。

そして、C-PLフィルターが古くなると偏光膜が変質して撮影される色が黄色くなったり赤くなったりします。そうなったら寿命なので交換しましょう。

C-PLフィルターの表面に汚れがついてしまっている(左)。そのまま撮影すると、汚れがフレアのような感じで写ってしまうことがある(右)。ときどきフィルターのガラス面の汚れを確認しよう。
逆光に輝くススキを撮影。ススキのきらめきを強調できるよう、ススキの背景が暗くなるような構図で撮影している。ススキの葉のテカリをとるためC-PLフィルターをつけている。雲がなくギラギラと太陽が輝いている厳しい光線状態で、フィルターに汚れがついていると写るので、フィルターをきれいに清掃してから撮影した。
■撮影機材:CANON EOS R5 MarkII + RF24-240mm F4-6.3 IS USM + C-PLフィルター
■撮影環境:F20 1/500秒 -1EV補正 ISO1600 WB太陽光
古いC-PLフィルター(左)と新しいC-PLフィルターで撮り比べている。古い方は偏光幕の変色によりやや黄色みがかっているせいで、空の青みが薄くなっているのがわかる。新しい方はすっきりとした色合いになっている。

まとめ

自然の景色を鮮やかに再現してくれるので人気が高いC-PLフィルターは、持っている人は多いと思いますが、うまく使えていないことも多いようです。今回の記事を見ながら効果がしっかり得られるように使い方を練習して、撮影シーンに合わせて使い分けていきましょう。
まずは、カメラを構えたらC-PLフィルターの前枠を回すという一連の動作がクセになるくらい練習するといいと思います。

ちょっと高価なフィルターなので複数買えないという場合は、自分が持っているいちばん大きなフィルター径のものを購入して、ステップアップリングでサイズを合わせて利用するのもいいですよ。

 

 

■自然写真家:小林義明
1969年東京生まれ。自然の優しさを捉えた作品を得意とする。現在は北海道に住み、ゆっくりとしずかに自然を見つめながら「いのちの景色」をテーマに撮影。カメラメーカーの写真教室講師などのほか、自主的な勉強会なども開催し自分の視点で撮影できるアマチュアカメラマンの育成も行っている。

 

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