Primaシリーズ第2弾 手軽に楽しむ超広角レンズ!軽量・コンパクトなサムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」
はじめに
今回紹介するレンズはサムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」。サムヤンレンズ第3世代「プリマシリーズ」の第2弾レンズです。
このレンズと同時にもう一本「AF 85mm F1.8 P FE」という中望遠単焦点レンズも発表され、そちらは先行して使用する機会を得たので先に紹介しましたが、今回は超広角単焦点レンズ「AF 16mm F2.8 P FE」です。サムヤンのレンズはリーズナブルな価格で高性能なラインナップを揃えていて、特に単焦点レンズには魅力ある商品が揃っています。その特徴とどのような描写をするのかをご紹介します。
SAMYANG AF 16mm F2.8 P FEの基本スペックと魅力

サムヤンの第3世代「Prima(プリマ)」シリーズですが、「Prima」とはラテン語で「最初の」を意味し、「撮影時に最初に手に取るレンズ」となるよう、小型軽量をコンセプトに設計されたレンズになっています。今回紹介する「AF 16mm F2.8 P FE」も、とても軽量でコンパクトなレンズに仕上がっています。
フルサイズ用の単焦点16mmのレンズというと、どのメーカーもズームレンズよりも開放F値が明るいF1.4~F1.8のものが多く、フルサイズ対応16mm単焦点で開放F値F2.8は他には無いレンズです。
同スペックで競合するレンズがないのですが、純正レンズ「SONY FE 16mm F1.8 G」との比較をしてみました。「FE 16mm F1.8 G」は今年発売されたレンズでサイズ感もかなり近いレンズになり、静止画の高画質はもちろん動画撮影において快適に使える性能を持っています。
さすがにGレンズと比べるとスペック的には少々酷かと思いますが、「FE 16mm F1.8 G」ほどのスペックが必要なく、動画も撮影しないというユーザーにとっては、お手軽な価格で超広角単焦点を楽しむことができる、魅力的なレンズになるかもしれません。
サムヤン「AF 16mm F3.8 P FE」とソニー「FE 16mm F1.8 G」のスペック比較
| SAMYANG AF 16mm F2.8 P FE | SONY FE 16mm F1.8 G | |
| 焦点距離 | 16mm | 16mm |
| レンズ構成 | 7群8枚 | 12群15枚 |
| 開放絞り | 2.8 | 1.8 |
| 最小絞り | 22 | 22 |
| フィルター径 | 62mm | 67mm |
| 絞り羽根枚数 | 7枚 | 11枚 |
| 最近接距離 | 0.12m | 0.15m(AF時)、0.13m(MF時) |
| 最大撮影倍率 | 0.33倍 | 0.25倍(AF時)、0.3倍(MF時) |
| 手ブレ補正 | 無 | 無 |
| フォーカスホールドボタン | 無 | 有 |
| フォーカスモードスイッチ | 有 | 有 |
| 全長×最大径 | 70.5×69.8mm | 75×73.8mm |
| 重量 | 約207g | 約304g |
| 発売 | 2025年8月 | 2025年4月 |








■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF22 ISO200
焦点距離16mmの超広角レンズでは、その画角の広さから太陽が入り込むシーンは非常に多くなってきます。上の写真は太陽を入れ込んで逆光の状態で撮影をしてみましたが、逆光耐性は思っていた以上に良好です。また、絞り羽根は7枚と今どきのレンズでは少ないですが、光芒線を活かすような撮影の場合、絞り羽根の枚数が少ない方がややスッキリします。

■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF2.8 ISO200
最短撮影距離が0.12mで寄れるレンズなので、スナップ撮影中に気になった被写体に思いっきり寄って撮影する事も可能ですが、実際に寄ってみるとレンズフードが被写体に当たってしまいそうな距離になるので少し注意が必要です。しかし超広角レンズで寄って撮影するのは、なかなか楽しいものです。
サムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」は、単焦点レンズなので一般的な16-35mmズームレンズに対して利便性・汎用性は落ちますが、軽量・コンパクトなサイズが魅力の超広角単焦点レンズです。
SAMYANG AF 16mm F2.8 P FEで都内ストリートスナップ撮影

■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF2.8 ISO100
「AF 16mm F2.8 P FE」を持って、最初は東京駅から丸の内、有楽町を散策しながら撮影をしてみました。個人的にこの辺りは大好きなスポットで、いろいろな焦点距離で撮れる被写体があってよく撮り歩きをします。
ファインダーから覗く超広角16mmのパースペクティブは魅力的な世界が広がります。そんな世界を楽しめる超広角レンズとして「AF 16mm F2.8 P FE」は、超広角レンズの入門用としてもお手頃で魅力的なレンズです。とても軽いレンズですので、標準ズームレンズにプラスしてカバンに入れて持ち歩いてもまったく苦にならないサイズと重さなのも魅力的です。重さで言えば小さいサイズの缶コーヒーと同じくらいの重量です。
中心部は絞り開放から非常にシャープですが、周辺はやや甘くなる傾向があります。この点に関しては絞りを絞っていく事で改善されます。

■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO100

■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.8 ISO100

■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF9 ISO400

■撮影環境:シャッター速度1/5000 絞りF2.8 ISO200

■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF8 ISO800
逆光耐性についても良好なので、強い点光源や太陽光など位置もあまり気にせず撮影の自由度は高いレンズです。
SAMYANG AF 16mm F2.8 P FEで横浜ナイトスナップ撮影

■撮影環境:シャッター速度1/13 絞りF2.8 ISO800
次に夕方から夜にかけて横浜みなとみらいの街をスナップ撮影してみました。三脚などは使用せず手持ち撮影でのお気楽ナイトスナップです。レンズ本体には手ブレ補正機能はありませんが、ボディ側の手ブレ補正で低速のシャッター速度でも絞りを開けて撮影すれば、ISO感度を無理に上げなくてもナイトスナップに対応可能です。

■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF2.8 ISO100

■撮影環境:シャッター速度1/30 絞りF2.8 ISO100

■撮影環境:シャッター速度1/15 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/2 絞りF5.6 ISO800
今回はお手軽手持ちナイトスナップ撮影をしてみましたが、サムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」は小型軽量なレンズなので、三脚を使って撮影する際も小型のもので対応可能になり、移動を伴うスナップ撮影を快適にする事が可能になります。
SAMYANG AF 16mm F2.8 P FEで屋内撮影

■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF2.8 ISO800
次にサムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」で屋内での撮影をしてみました。動ける範囲が制限される屋内での撮影は、超広角レンズが重宝します。被写体に寄って撮影する事で、肉眼で見たものよりもパースペクティブ効果でややデフォルメされたりしますが、この表現も超広角レンズならではの表現方法のひとつです。

■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/30 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF2.8 ISO800

■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.8 ISO800
限られたスペースの屋内では、標準ズームレンズなどでは収めきれない場合が多く発生します。そんな時にお手軽に持ち運べる超広角レンズ、サムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」が一本あると撮影の幅が広がり、より撮影を楽しくする事ができます。
まとめ
今回紹介したサムヤン「AF 16mm F2.8 P FE」は、16-35mmなどの超広角スタートのズームレンズに比べて汎用性や利便性などは劣りますが、超広角レンズの使用頻度がそれほど多くないユーザーや初めての超広角レンズを使う方に、小型軽量でコストパフォーマンスの高いおすすめできるレンズです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師












