レトロシネマチックスナップ撮影が似合う単焦点レンズ「サムヤン AF 45mm F1.8 FE」

坂井田富三
レトロシネマチックスナップ撮影が似合う単焦点レンズ「サムヤン AF 45mm F1.8 FE」

はじめに

今回紹介するレンズはサムヤン「AF 45mm F1.8 FE」です。サムヤンの小型軽量・単焦点タイニーシリーズにラインナップする、標準単焦点レンズになります。発売されたのは2019年6月とすでに6年ほど経過しているレンズですが、筆者のお気に入りの1本でお散歩スナップ撮影で愛用しているレンズになります。焦点距離50mmと焦点距離35mmの間の絶妙な焦点距離45mmが、筆者にとって非常に使いやすく感じているポイントです。このサムヤン「AF 45mm F1.8 FE」の特徴とその特徴を活かした撮影方法をご紹介します。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE の基本スペックと魅力

サムヤン「AF 45mm F1.8 FE」は、正直言って高スペックのレンズではありません。レンズ本体もプラスチック素材を多用しており、外装に関してはチープな感じのレンズです。しかしプラスチック素材の多用により、徹底的な軽量化が施されているのでその軽さは魅力でもあります。

また焦点距離45mmという単焦点レンズは、ソニー純正レンズにはラインナップがない焦点距離です。このレンズの一番のライバルになるのはソニー純正レンズ「FE50mm F1.8」になると思いますが、スペック面ではかなり似ているものの価格面ではソニー純正レンズ「FE50mm F1.8」の方が安いので、純正レンズを選択するユーザーが多いのが現状です。

サムヤン AF 45mm F1.8 FE ソニー FE50mm F1.8
焦点距離 45mm 50mm
レンズ構成 6群7枚 5群6枚
開放絞り 1.8 1.8
最小絞り 22 22
フィルター径 49mm 49mm
絞り羽根枚数 9枚 7枚
最近接距離 0.45m 0.45m
最大撮影倍率 0.12倍 0.14倍
手ブレ補正
全長×最大径 56.1×61.8mm 59.5×68.6mm
重量 約162g 約186g
発売 2019年6月 2016年4月
レンズフード無しの状態
レンズフード装着の状態

サムヤン「AF 45mm F1.8 FE」の描写は、絞り開放からシャープでしっかりとした発色。前後もなめらかなボケでピントが合った面とのバランスは良好、あらゆるシーンに対応できるお手軽なレンズと言えます。特に日常のスナップ撮影などを、ニュートラルな表現ですることができ、小型軽量で携帯性のメリットもあり誰にでも扱いやすいレンズです。

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF1.8 ISO800
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/30 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
フィルター径は49mm 最短撮影距離は0.45m

フィルター径は小型の49mmなので、フィルター類も比較的安く購入でき活用できるメリットがあります。付属のフードは小さく効果がやや弱い感じも見受けられますが、レンズ保護の観点からも常用した方がよいでしょう。最短撮影距離が0.45mという点は少し物足りないと感じることがあり、撮影していてももう少し寄れたらと思う事がよくありました。

全体的にはコストパフォーマンスが高い軽量でお手軽な単焦点レンズなので、普段の撮影のお供にカメラバッグに一本いれておいても負担にならないレンズです。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE でスタンダードスナップ撮影

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)

最初はレンズそのものの特徴がよく分かる一般的なカメラ設定でスナップ撮影をしてみました。今回の使用カメラはソニー α7 IVです。基本的にはカメラはデフォルトの設定のまま、クリエイティブルックも「ST」で撮影をしています。

全体的には発色は重厚で少しクラシカルな印象を受ける感じで、絞りを開けて撮影した際には、周辺光量落ちの影響もあってオールドレンズで撮影したようにも見受けられるレンズです。

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/3200 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF1.8 ISO800
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.8 ISO800
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/640 絞りF1.8 ISO800
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)

オートフォーカス速度に関しては快適に動作し、上の写真のような「動物瞳AF」を使った撮影も精度高く、狙った瞬間を切りとることができて快適な撮影をサポートしてくれます。焦点距離50mmよりもわずかに広い画角が、狭い室内撮影でのお子様やペット撮影において扱いやすいのもこのレンズのポイントです。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE でレトロシネマ風スナップ撮影

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF1.8 ISO125
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)

先に一番スタンダードな設定で撮影しましたが、サムヤン「AF 45mm F1.8 FE」はややクラシカルな落ち着いた描写をするレンズです。その特徴を活かしてレトロシネマ風の描写のスナップ撮影をしてみました。レトロシネマ風スナップ設定は、カメラの設定で下記の項目を変更します

設定例)α7 IVの場合
・クリエイティブルック SH
・レンズ補正ー周辺光量補正 切
・レンズ補正ー倍率色収差補正 切
・レンズ補正ー歪曲収差補正 切
・ダイナミックレンジオプティマイザー OFF

上記の設定で、撮影時に少し露出をマイナス側に補正をして撮影したものが下の写真になります。

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/2000 絞りF1.8 ISO125
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/2000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/500 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(SH)

全体的に淡いシネマチックな表現をできるようになり、スタンダードな設定とはガラッと変わった描写を楽しむ事ができます。少しレトロな街並みでのスナップ撮影の際のサムヤン「AF 45mm F1.8 FE」には、特におすすめの設定です。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FEでモノクロスナップ撮影

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)

前述ではレトロロシネマ風の描写のカラーでのスナップ撮影でしたが、次はモノクロスナップをしてみました。カメラの設定は下記の項目を変更しています。

設定例)α7 IVの場合
・クリエイティブルック BW
・レンズ補正ー周辺光量補正 切
・レンズ補正ー倍率色収差補正 切
・レンズ補正ー歪曲収差補正 切
・ダイナミックレンジオプティマイザー OFF

■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/30 絞りF1.8 ISO400
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF1.8 ISO800
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)
■撮影機材:SONY α7 IV + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF1.8 ISO100
焦点距離45mm クリエイティブルック(BW)

少しアンダー気味に撮影してやや軟調気味のモノクロ表現でレトロ感を出しています。焦点距離45mmはレトロシネマ風のスナップ撮影表現には丁度良い焦点距離で、広すぎず狭すぎず目に見た世界に近い世界を切りとってくれます。

まとめ

サムヤン「AF 45mm F1.8 FE」は約162gという軽さが特徴的で、長時間のスナップ撮影でも気軽に持ち運べるレンズです。明るい開放F値のおかげで大きなボケを活かした撮影も気軽にでき、なによりもコストパフォーマンスの高さが魅力です。

スタンダードな設定で撮影すれば落ち着いた重厚な表現をしますが、少しカメラの設定を変更するだけで、レトロシネマ風なスナップ撮影が簡単にできる魅力あるレンズでもあります。またスナップ撮影の他にも、室内でのペット撮影においても使いやすい明るい単焦点なので、ワンちゃん・猫ちゃんを飼っているユーザーにもおすすめのレンズです。

■撮影機材:SONY α7R V + SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF1.8 ISO1600
焦点距離45mm クリエイティブルック(ST)

 

 

■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師

 

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