キヤノン PowerShot V1レビュー|小さいからと侮るなかれ。写真が楽しくなるコンデジ

杉本優也
キヤノン PowerShot V1レビュー|小さいからと侮るなかれ。写真が楽しくなるコンデジ

はじめに

こんにちは。杉本です。

今回はCanonのPowerShot V1です。
いわゆるコンデジですね。一眼やレンズのレビューではないのですが、これがなかなか、小さいからと侮るなかれというカメラでしたので詳細についてレビューしていきます。よろしくお願いします。

基本性能

細かいことは絶対に公式を見るべきだというのが個人的な信念ですが、例の如くそれだけではレビューと呼べないので僕が感じた性能について記しておきます。

公式ページはこちらから。
https://personal.canon.jp/product/compact-digital-camera/powershot/v1/feature

センサーは1.4型CMOSセンサーです。動画撮影時で最大1870万画素、静止画撮影時で最大2230万画素のセンサーです。1型センサーと1.4型センサーでは1.4倍の違いに聞こえますが、面積にすると約2倍の違いがあります。
動画撮影時は35mm判換算(以下、換算)で17-52mm、静止画撮影時は16-50mm(F2.8-4.5)と広角から標準域をカバーするズームレンズが搭載されています。

コンデジですから、レンズ交換はできません。つまりカメラを買えばレンズも付いてきます。この辺りは出費を抑えつつ良いカメラが欲しい方には大変ありがたい仕様です。あるいはサブ機に少し小さいカメラが欲しいなど。カメラに詳しい方にとっては常識ですが、始めたての方とってこの辺は少しややこしい箇所だと思います。カメラにはレンズ交換式とレンズ一体型があります。いわゆる一眼レフやミラーレス一眼というのはカメラと別にレンズを購入する必要があります。コンデジというのはレンズが付いていて交換できないものが基本です。

バッテリーやメモリーカードを含むと約426gです。500mLのペットボトルより少し軽い程度ですね。大きさは約118.3(幅)×約68.0(高さ)×約52.5(奥行)mmとなっています。
僕はアウターや、太めのパンツであればポケットに突っ込んで持ち歩いてます。服装によってはポケットに入らないので、すごく小さいかと言われればそんなこともないのですが、小型で軽い部類に含まれることは間違いありません。

ファインダーはなく覗いて撮るような動作はできず、背面にある液晶を見ながら撮影するスタイルです。背面液晶はバリアングル式になっていて動画にも強くVlogや自撮りをしたい方にも優しい作りになっています。その他の詳細はぜひ公式を見てみてください。

ズームで広角から標準まで

■撮影環境:8.2mm(換算約16mm) F3.5 ISO125 SS1/2000

こちらが最も広角の写真です。換算16mm相当ですね。かなり広く撮れます。16mmですので左端に小さく写っている看板などは少し広角歪みで曲がっています。とはいえ16mmでこの歪みは許容範囲でしょう。もう少しカメラをまっすぐ構えれば歪みは緩和しますが、青天時に頭より上にカメラを掲げるように撮影していますので多少は仕方ないと思います。

■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO125 SS1/2000

こちらが最も望遠側、つまりズームにした状態で換算50mm相当です。
ストレートな写りと言いますか、標準域なだけあって癖のない写りです。

歪みを避けたいシーンでは望遠側で撮影し、広大さを表現したい時には広角側にすることで、一台で幅広い撮影が可能です。広角側が換算16mmというのもコンデジの中では珍しい部類だと思います。

意外とボケる

■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO125 SS1/2000

換算で50mm相当、F値は4.5と通常であればあまりボケないようなイメージです。しかし1.4型センサーのおかげでしょうか、実際には気持ちよくボケます。しかも輪郭はなだらかで奥行きを感じる良いボケ方をしてくれます。撮った時に少しびっくりしました。正直ここまでボケるとは思っていませんでした。もちろんボケやすいように撮ってはいるのですが、それにしても綺麗だなと。

繊細な写り

■撮影環境:18.5mm(換算約35mm) F4.0 ISO100 SS1/800

この写真の一部を切り取ります。

この白い四角形の部分をアップにしたものが下の画像です。

どうでしょうか。葉っぱの輪郭や表面の線、凹凸の陰影までも見て取れます。
かなり拡大してこの解像感なので通常のトリミングの範囲内であれば全く問題ないと思います。葉っぱや影、様々な緑色もしっかり写してくれていて品質の高さが伺えます。換算50mmからトリミングすれば実質70mmくらいまでは使えてしまうのかなというのが個人的な見解です。僕はトリミング肯定派なので結構ガンガン使います。それも相まって16-50mmというカメラの設計距離より使いやすい印象はあります。

色がとても良い

■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO100 SS1/80

実はこの記事中で使っている写真は最低限の微細なレタッチはしているものの、ほとんど撮って出しに近いものです。少しだけハイライトを上げているとか、シャドウを下げている程度で基本補正以下の項目はほとんど触っていません。Wi-Fiでスマートフォンへ転送して軽く調整するだけでも充分な色です。この色と質感は非常に頼りにできます。ピクチャースタイルで撮って出しを追い込むのも一つの手段です。背面液晶の発色もいいので現場でいい感じにするのはさほど難しくなく手軽に調整可能です。

しっかりレタッチしても面白い

■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO100 SS1/1250

こちらは割としっかりレタッチした写真です。僕はRAWで撮影していますので、当然撮影した写真の編集領域も広く様々な表現が可能です。特別絞らずとも少し離れて撮影すればパンフォーカス(全体にピントがあっている状態)になりますので、その辺りも扱いに慣れるとスナップをより一層楽しいものへ昇華してくれます。線が綺麗なのも嬉しいですね。

AFが速くシャッターが軽い

■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO100 SS1/1250

AFが速いです。散歩中など、気になったものを瞬時に撮影可能です。
結構速いので操作にリソースを割かないで撮影に集中可能です。少しでも面白いと思ったものはバンバン撮っていこうという気持ちになれるのはハイスペックの恩恵だと感じています。

日常を楽しく撮れるカメラ

■撮影環境:12.1mm(換算約24mm) F4.5 ISO400 SS1/100
■撮影環境:8.2mm(換算約16mm) F4.5 ISO400 SS1/100
■撮影環境:14.6mm(換算約30mm) F4.5 ISO400 SS1/15
■撮影環境:25.6mm(換算約50mm) F4.5 ISO400 SS1/100
■撮影環境:10.2mm(換算約20mm) F3.2 ISO400 SS1/100

重いカメラを持ち歩きたくない日でもこのカメラがあれば楽しく撮影可能です。僕の場合都内を散策したり、友達と遊んだりなど写真がメインでない日にはこのカメラ一台で出かけています。軽い割にはズームができますし、それなりに寄れてポートレートも撮れるので万能感のあるカメラです。なんか良いなと思ったらシャッターを切っています。

強いて弱点を挙げると高感度の際に少しノイズが出るくらいです。ただし昨今のLightroomなどノイズ処理が優秀なことも合わせて気にするレベルではないというのが僕の見解です。

こちらがISO1600の写真です。あまりノイジーな感じはしませんよね。

ノイズ処理は一切施していません。また友達を撮る際にもカメラやレンズが小さいので緊張感のない写真が撮りやすいです。大きいカメラで撮ってしまうと構えてしまう人も多いですからね、このサイズは撮る方、撮られる方の双方にとって優しい仕上がりになっていると思います。

競合

コンデジには有名なGRシリーズをはじめ、CanonにもIXYやPowerShot G7、SONYのRX100シリーズなど様々な機種が存在します。いくつか例を挙げましたがこんなものではありません。機種により特徴は多種多様です。デザインなのか実用性なのか、自分の使い方にマッチしているのか、色々な要素が決め手になり得ます。

Leica QやD-LUXシリーズなどが候補になる人もいるでしょうし、カメラ沼やレンズ沼と等しくコンデジも奥の深い世界です。そんな中で僕がPowerShot V1を購入した理由は画質が良いこと、安価な方であること、ズームの距離が広く扱いやすいことなどが理由です。

単焦点を使うならフルサイズのカメラを使いたいので、コンデジはむしろ守備範囲の広いものの方が僕の感覚にはあっている気がしました。単焦点のコンデジも持っていますがこちらのカメラの方が使用頻度は高いです。良し悪しではなく向き不向きがカメラの世界だと思いますので、実機を触って比べるのも良いかもしれません。どれも競合になり得るし、どれも同じ性能ではないとも言えるのがコンデジなのでその辺りの多様性も含めて楽しんでもらえたらと思います。

そんな中で僕はこのカメラをおすすめと言っておきます。サブ機や会社の往復時にも持ち歩けるカメラがあると写真がより一層楽しくなるので、皆様もぜひ一台手に入れてみてください。ではまた。

 

 

■写真家:杉本優也
東京都生まれ東京都在住。妻を撮影し続けている活動がテレビメディアに特集されたことを機に、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。ライブ撮影やメーカーへの作例提供、機材レビューなどの活動をしている。

 

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