家族と風景~オススメの撮り方3選~|photo_booooy
はじめに
皆様、初めまして。福島県で家族写真や四季折々の風景写真を撮影している、アマチュアフォトグラファーのphoto_booooy(フォトボーイ)と申します。
以前は風景撮影をメインに活動していましたが、子供が生まれてからは家族を撮影する機会が多くなり、そこから徐々に家族と風景を一緒に撮影するというスタイルがメインになっていきました。
そんな中で今回、私の写真についてご紹介していただく機会を頂戴しましたので、以下に書かせていただきたいと思います。ご興味がありましたらぜひお読みいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

■撮影設定:ISO100 155mm F2.8 SS1/500
我が家での家族写真のルール

■撮影設定:ISO100 63mm F16 SS1/320
家族写真と一括りに言っても、色々な撮影スタイルがあると思います。日常の中での家族の表情や仕草を収めたり、お出かけの何気ない様子を撮影したり、はたまた衣装やロケーションにこだわった作品を撮影するなど、人によってそのスタイルは様々です。
そんな中、我が家ではフォトコンテストへの応募やSNS・WEBへの投稿時に守るべき、家族写真の絶対的ルールがあります。それは『顔を写さない(もしくは認識出来ない範囲の横顔まで)』というルールです。
もちろん、家族の素敵な笑顔や悲しげな表情、ふざけた顔や真剣な眼差しなども思い出用の写真として沢山撮影はするのですが、妻と話し合った結果、昨今の様々な事情を鑑みてそういったルールが生まれました。
今回はそういった我が家の撮影ルールを前提として、私の写真を通して撮影時の考え方やポイントをご紹介出来ればと思います。
撮影をする前に

■撮影設定:ISO800 100mm F6.3 SS1/400
撮影をする前には機材の忘れ物がないかなどの入念なチェックはもちろんのこと、事前の準備があるかないかで当日の撮影のスムーズさや求める一枚を撮ることが出来る確率が大いに変わってきます。
では、具体的にはどういった事を準備すれば良いのか?
まず、撮りたいと思っている場所のロケハンです。とはいえ、実際に撮影前に現地を訪れてロケハンをするのは時間や労力の面から難しい場合もあるため、個人的にはSNSやGoogleマップなどを活用してのスマホ上でのロケハンをお勧めします。
SNSでの情報収集では、既にその場所で撮影をされた方の作品を拝見して、そこがどういった場所か・どんな風に撮れるのかを確認しますが、ここでの注意点としては『あまりじっくりと見過ぎない』事です。
もちろん『こう撮りたい!』といったイメージがあるのであれば詳細まで見る事は大切ですが、じっくりと作品を見る事で先入観が生まれてその作品から自然と影響を受けてしまい、気付かないうちにどこかオリジナリティーに欠けた写真を撮るようになってしまいます。もしも『自分だからこそ撮れるオリジナリティー溢れる写真』を目指す場合は、作品はあっさりと見る程度にとどめる事をオススメします。
次に、現地に到着した後に行う事として、少しの時間でも構わないので、カメラを持たずにその場を歩いて下見します。この作業をせずにいきなり子供を連れて行くと、その時その場で撮りたい気持ちが出て来たとしても子供達がどこかへ行ってしまい、思っていたポイントで撮り逃してしまうという事があります。
そこで少しでも現場を見ておく事で『ここで、この方向で、こういう構図で撮ろう』とおおよその目星をつける事ができるので、そのポイントに到着した時に思い描いていた一枚を撮影する事が出来ます。ほんの少しの作業ですが、私の中では大切にしているポイントです。
おススメの撮り方
被写体と風景のバランスを考える

■撮影設定:ISO100 111mm F7.1 SS1/320
家族写真といえば、言わずもがな主役は家族であり、それが一目で分かるように大きく写す事がほとんどだと思います。しかし、今回は『家族と風景』がテーマであるため、そのバランスが重要になってきます。もちろん『この大きさで撮るべき!』なんていう決まりは存在せず、撮影する場所や写したい風景によってバランスは変わってきますが、いくつか考えるべきポイントがあります。
まずは『その場所の風景をどこまで切り取るか』です。その場所に到着した時、印象的な雲や木、もしくは遠くの山々など写したい風景を決め、それをどの程度の広さで収めるのか、どのくらいの大きさで切り取りたいのか、その画角を決めましょう。
次に、その風景の中のどこに被写体を配置して、どれくらいの大きさで写すかを決めます。あまり家族を大きく写し過ぎると風景の存在感が薄れ、逆に小さく写し過ぎると家族の存在感が薄れてしまいます。
もちろん、それぞれの好みやどう写したいかという意図にもよるため一概には言えませんが、あくまでも私の場合は家族と風景の存在感がなるべく釣り合うように、決してどちらかが目立ち過ぎないようにバランスを調整しながら撮影をしています。
ただし、どちらかを少し目立たせたい場合には、敢えて家族を思っていたより少し大きめに写したり、もしくは風景を広めに写す事もあるので、その時の自分の意図を反映させて撮影するようにしましょう。
指差しや体の向き、目線などを活用する

■撮影設定:ISO100 170mm F2.8 SS1/640

■撮影設定:ISO1250 17mm F22 SS1/160
これまでに作例として載せさせていただいた作品は主に家族を下部の真ん中に配置した写真でしたが、ここで紹介させていただく作品は指差しや体の向きがポイントになっている作例です。
上の春の作品では、妻は左上部を指差し、息子は左上部を向いています。それらを活用する事でどういった効果が得られるのかというと、この写真を見た方の視線をうまく誘導し、想像を掻き立て、作品に広がりを持たせる事です。
ここではまず家族へ視線が向きますが、そこから指と目線の向きに誘導されて、左上部へ抜けのラインを作る事が出来ます。
こうする事で、この作品を見た時に『左上に何かがあるのだろうか』『日が当たって花が綺麗に輝いているのだろうか』『指差す先に鳥がいたりするのだろうか』という想像を働かせてもらう事が出来ます。
また、下の青空の写真では家族が遠くの山を眺めている事で自然と『全体の風景→家族→山』といった流れで視線を誘導することができ、作品に奥行きを生み出す事が出来ます。
これらは簡単かつ誰でも出来る事であるため今すぐにでも活用出来るポイントになりますが、ここでもう一つだけポイントがあります。
それは、指差しや目線の方向のスペースを少し広く取り、家族の配置をその反対側へ寄せるという事です。

上の作品では家族を構図の真ん中に配置していますが、どうしても目線が向いている左側に比重が偏ってしまい、アンバランスさが生まれてしまいます。

では、こちらはどうでしょうか?ここでは上述した通りに家族を右側の場所へ配置しているのですが、目線を向けた側の風景と家族のバランスが上手く保たれているように感じていただけると思います。
ここでのオススメポイントとして『指差しや体の向き、目線を活用する』というところを伝えさせていただきましたが、合わせてこちらのバランスの取り方も活用していただければと思います。
構図に道を入れて、歩いている姿を撮影する

■撮影設定:ISO200 125mm F6.3 SS1/640

■撮影設定:ISO100 80mm F5.6 SS1/640
これらの作品は道のある風景で撮影したものですが、道を入れる効果としても自然な流れで視線を誘導できる点にあります。
家族を道の奥に配置すれば前景を、家族を道の手前に配置すれば後景を効果的に見せる事が出来ます。それによって自然と奥行きが生まれ、深みのある作品になります。
また、ここでのポイントとしては足の裏が見えた瞬間を収めるというところがあります。そうする事で静止画という世界で動きのある写真にする事が出来ます。これまで歩んできた道のり、これから歩んでいく道のり、構図のどこに家族を置くかで写真の見せ方や表現の仕方が変わってくるので、ぜひとも参考にしていただければと思います。
まとめ

■撮影設定:ISO100 70mm F2.8 SS1/1250
以下が記事のポイントのまとめになります。
1.被写体と風景のバランスを考える
2.指差しや体の向き、目線などを活用する
3.構図に道を入れて、歩いている姿を撮影する
家族と風景を撮影する上で、出かけた先の風景の美しさや壮大さも、そこに写る家族と過ごした記憶も、あとから写真を見た時に良い思い出として蘇るような一枚を目指して撮影を続けていますが、今回書かせていただいた内容が読んで下さった皆様のお役に立てたら嬉しいです。
さいごに

■撮影設定:ISO200 24mm F5.6 SS1/500
今回は【家族と風景〜オススメの撮り方3選〜】というタイトルで書かせていただき、我が家での撮影ルールを前提として、その撮影にあたっての私の考え方やポイント等をご紹介しましたが、もちろんこれらが正解というわけではありません。
撮影者の方々の数だけ、それぞれの意図や表現の仕方もあると思いますし、今回の記事の内容とは全く違った考えや撮り方もあると思います。
いずれにしても、これを読んで下さった皆様が撮った家族の写真がその人にとって大切な一枚で、そして宝物となる一枚であればそれが正解だと思います。
今回ご紹介させていただいた内容はあくまでも撮影時の一つの方法として参考にしていただき、これからも家族とのお出かけを楽しんで、家族と過ごしたかけがえのない瞬間を、カメラで記録していっていただければと思います。
■写真家:photo_booooy
1988年生まれ。福島県出身・在住のアマチュア写真家。主に福島県内で活動しており『Beautiful Fukushima』『Unknown Fukushima』『家族に褒めて貰える一枚を』をテーマとして趣味で撮影を楽しんでいる。
東京カメラ部写真展やCANON Galleryでの作品展示、国際的なフォトコンテストにおいて金賞を受賞するなど、国内外で多数の実績あり。東京カメラ部10選2020、郡山市観光協会公式SNSアンバサダー。















