紫陽花をもっと可愛く!むらいさち流撮影術♪

むらいさち
紫陽花をもっと可愛く!むらいさち流撮影術♪

はじめに

みなさんこんにちは! あんこは、つぶあん派のむらいさちです。

あっという間に春も終わり、夏のちょっと手前、梅雨がやってきますね。写真を始める前は、正直この時期が憂うつでした。でも、写真を始めてからは「梅雨だからこそ撮れる写真」があることに気づき、今では楽しみにさえ感じるようになりました。その代表が、紫陽花です。
雨の日の撮影は正直嫌いな僕ですが、紫陽花のときだけは嬉々としてカメラを持って出かけます(笑)。これほど雨が似合うお花は他にないですよね。

今回は、そんな紫陽花をテーマに、むらいさち流の「ふんわり美しい紫陽花」の撮り方をお伝えできればと思いますので、ぜひお付き合いください。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:135mm・F2.8・1/250秒・ISO320
紫陽花の魅力は、なんといってもその繊細な色合いです。その色合いを活かせば、ふんわり美しい写真を撮ることができます。

おすすめの紫陽花とは?

紫陽花は日本が原産のお花です。いわゆるよく見る丸い紫陽花を「本紫陽花」と言い、花の周囲を装飾花が額縁のように囲んでいるタイプを「額紫陽花」といいます。本紫陽花のほうが僕らには馴染みがありますが、実は原種は額紫陽花であり、そこから品種改良されて本紫陽花が作られました。現在では、世界におよそ3000種もの紫陽花があるそうです。最近よく見かける少し変わった紫陽花は、海外で品種改良された「西洋紫陽花」のことが多いです。
では、ふんわり撮るにはどの紫陽花が向いているのでしょうか?

もちろん個人差はあるので、あくまでも僕の意見ですが「額紫陽花」がおすすめです。本紫陽花ももちろん美しく好きではありますが、撮影すると意外と手ごわい(笑)。ふんわり撮りたいのならば、まずは額紫陽花にチャレンジしてみてください。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F1.8・1/320秒・ISO200
花びらのように見える装飾花が縁をぐるりと囲む額紫陽花。花冠のような見た目が可愛らしく、種類も豊富なので撮影バリエーションも多くなります。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F1.8・1/125秒・ISO400
本紫陽花のように密集して咲かないのも、撮影しやすい理由のひとつです。近年種類も増えてきており、毎年見たことのない種に会えたりするのも魅力ですね。

華やかな背景を使う

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F1.8・1/800秒・ISO200
背景の美しさを活かすには、この紫陽花がぴったりだと思い選びました。前項で額紫陽花推しと書いたのに、本紫陽花の写真でごめんなさい(笑)

紫陽花の魅力といえば、やはりその豊かな色彩です。主役として写すのはもちろんですが、背景としてもその美しさは生きてきます。
ふんわりとした雰囲気を出したいときは、主役だけでなく、背景も華やかにすることを意識しましょう。背景が明るいと、写真全体がパッと華やかになります。僕は撮影の際、できるだけ明るい背景にならないかを、常に意識しています。もし難しければ、無理に撮らずその場を離れることもあります。そのくらい背景は大切なのです。

玉ボケを使ってキラキラ感をだす

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F1.8・1/320秒・ISO200
背景に玉ボケが入ることで、作品はよりファンタジックになります。

紫陽花は、木陰に咲いていることが多いお花です。そのため、木の隙間から差し込む光が背景で玉ボケとなり、写真をぐっと華やかに演出してくれます。

その場合、F値の小さい明るいレンズを使い、なるべく手前に被写体を配置して、下から煽るようにカメラを向けてみましょう。背景に美しい玉ボケが入ります。
ミラーレス機であれば、ファインダーや液晶を使って、玉ボケの位置を確認しながら、ベストな構図を探して撮影することができます。
玉ボケが入ることで、写真はぐっとファンタジックな印象に変わります。日陰を好む紫陽花ならではの表現ですね。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:35mm・F2.2・1/220秒・ISO640
紫陽花の隙間から木漏れ日が入り、こんなカラフルな玉ボケが生まれました。かわいいな~♡

マクロでぐっと寄ってみる

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:60mm・F2.8・1/200秒・ISO200
マクロで覗く世界は、とにかくかわいい・・・。背景に装飾花を入れて彩りを添えてあげると、一層華やかになります。マクロレンズでしか表現できない世界ですね。

紫陽花は世界に3000種類あると言われ、種類がとても豊富なお花です。色とりどりの美しさはもちろん、花そのものが大きく見ごたえがあるのも魅力です。
中心にある小さなお花や、周囲を彩る装飾花など、それぞれに美しく、どこを切り取っても絵になります。そんな紫陽花の魅力を引き出すには、マクロレンズがとても効果的です。

マクロレンズの楽しいところは、目には見えづらい世界をクローズアップして表現できること。ぜひ、紫陽花の美しさにどっぷりハマってみてください。
撮影に行く際は、マクロレンズも持っていってみてくださいね。

■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:80mm・F2.8・1/600秒・ISO640
紫陽花は本当に美しいお花です。その美しいと思う部分にぐっと寄って切り取ると、まるでスイーツのような愛らしさ。いつまででも撮っていられます(笑)

ボケるレンズで主役を立てる

■撮影機材:SONY α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:135mm・F1.8・1/200秒・ISO100
咲き始めの紫陽花が、ちょこんと顔を出していました。その“ちょこん感”を出したくてF値開放にて撮影、空間も多めにしました。

紫陽花は、花がまとまって咲くことが多く、他のお花のように「一輪だけを主役」にして撮影するのが少し難しいお花です。そんなときは、ボケの強いレンズを利用して、周りをぼかして主役をしっかりと立たせて撮影をしてあげます。これが満開のタイミングでは、花が多くちょっと難しいのですが、端っこに咲いているお花を選んだり、咲き始めの花数の少ないときに撮影すると良いと思います。レンズは、F値の小さい望遠レンズなどを使うと、大きなボケを得ることができます。

■撮影機材:SONY α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:135mm・F1.8・1/125秒・ISO100

主役のお花はもちろん、前景や背景の美しさも活かして構図を考えます。紫陽花は身近なお花ですが、撮り方で印象が大きく変わります。
時間をかけてじっくり向き合ってみてください。

■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
■撮影環境:75mm・F1.8・1/200秒・ISO200
紫陽花の合間から顔をのぞかせていたムラサキカタバミを発見。背景の玉ボケを被せて存在感を引き立てました。

さいごに

紫陽花は、僕らにとても馴染みのあるお花ですが、驚くほどたくさんの種類と色があり、その表現方法もさまざまです。これからの季節ひと月ほど僕らを楽しませてくれることでしょう。

紫陽花ほど、毎年撮影しても飽きずに楽しめるお花はなかなかありません。
どの撮り方が正解なのか、今でも僕自身分からないくらい奥が深いお花だと思っています。
だからこそ、毎年この時期が待ち遠しく、撮影していてもとても楽しいのです。

今回ご紹介した撮影方法を参考に、かわいい紫陽花を撮影してみてくださいね。
では、素敵なフォトライフを♪

 

 

■写真家:むらいさち
20歳の頃に沖縄県・座間味村に移住し、ダイビングガイドとして過ごす。
その後写真を始めてダイビング雑誌社に入社、日本を始め世界の海に撮影で訪れる。独立後は、水中に限らず地球全体をフィールドに独特の色彩のゆるふわ写真を発表している。写真の学び場として、オンラインサロン「ふんわりフォトサロン」を主宰。著書多数。20205年2月には子供の頃からの夢であった南極大陸に撮影で訪れる。現在南極旅行記を執筆中、2025年8月に書籍として発売予定。

 

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