「ケアラシ湧く朝」
感動的な夜明けだった。中禅寺湖畔の町灯りが、立ち上るケアラシで消え神秘的な光景になった。
■カメラ:ペンタックス645NII レンズ:33-55ミリ 絞り:f16 シャッタースピード:オート +0.3EV補正 C-PL  フィルム:フォルティアSP

冬には様々な自然の造形美があります。 それを発見して撮影することが楽しみです。
─冬は他の季節に比べ被写体が少ないように 思われていますが?


 冬は被写体が少ないように思われていますが、冬ならではの被写体があります。それは自然の様々な造形美です。皆さん意外と気がつかずに通り過ぎていますが、これを発見して撮影する楽しみが冬にはあります。  私はどの季節でも、そしてどこででも写真を撮っています。初めて訪れる場所でも、どこがいいポイントなのか長年の経験からすぐに分かります。皆さんにはもっと地元で魅力ある被写体を探し出して撮影して欲しいと思います。

 


「魅せられて」
トンネルを抜けると地蔵滝があった。普通は見つからない位置にある滝で日光の写友の案内で見事なツララと色に魅せられた。
■カメラ:ペンタックス645NII レンズ:150-300ミリ 絞り:f16 シャッタースピード:オート +0.3EV補正 C-PL  フィルム:フォルティアSP

発表された他人の写真を真似るのではなく、 自分で発想・発見して撮るのがいい写真。
─先生はいつも「写真は心の記録をする道具」 と言われていますが?


 撮影に臨むときは、最初から撮るものを決めてしまうと、それ以外のものが見えなくなってしまいます。ましてや、他人が撮った写真と同じような写真を撮ることが目的であれば、さらに視野が狭まります。  私が考えるいい写真とは、自分で発想して、そして発見をして撮った写真です。写真は心の記録をする道具なのです。陶芸や絵画のように過程を経て作りあげるものではありません。シャッターを押すだけ、記録するだけです。ですから、自分で何を感じて撮るのかが大事なことになります。


写真は大きくプリントすればするほど 力強くなります。
─プリントの重要性や、その力について お聞かせください。


 デジタルカメラが圧倒的なシュアを占めています。それに伴い、ご自分でプリントを楽しまれる方も増えてきました。しかし、中にはプリントに対する認識が低い方もいます。特に色に関してはつくり上げた色がいい色だと勘違いしているようです。本当の色を再現するのなら、やはり銀塩プリントを体験して欲しいです。ご自分でプリントしたものとお店の銀塩プリントを比べるといいでしょう。  また、写真は大きくプリントすればするほど力強くなります。L判と全紙プリントでは全然イメージが異なります。写真展などで他人の大判プリントを見ることもいいですが、自分の写真を大きくプリントすると、そのすごさを実感できるはずです。

 


「地吹雪襲来」
上空は雪晴れだが俄に地吹雪が盆地を覆った。田園の藁ボッチも 寒そうにその体を歪めていた。
■カメラ:ペンタックス645N レンズ:45-85ミリ 絞り:f8 +0.3EV補正シャッタースピード:オート フィルム:ベルビア50

自分の気持ちを第三者に伝えられる「力」が 写真にはあります。
─一枚の写真が持っている力とは?

「厳冬の朝」
-15度の世界は頬を刺す空気が流れていた。思いがけない美眺に、しばし現場に留まり、透過光にきらめく霜の華を記録した。
■カメラ:富士フイルム・ファインピックスF200EXR レンズ:フジノンズームレンズ5.4-32ミリ絞り:F3.3 シャッタースピード:1/200


 写真は「自分の気持ちを第三者に伝える力を持っています。」自分の気持ちを第三者に伝えることは意外と難しいことですが、「一枚の写真」にはその力があります。ですから、コンテストの審査をしているときも、作者はどんな気持ちで写真を撮ったのか、作者の気持ちを読み、考えながら選んでいます。


「暖炉に」
マイナス20度の朝、霧氷が美しく民家の暖炉に火が入り煙がたちのぼった。人の気配を感じながら写した。
■カメラ:ペンタックス645N レンズ:35ミリ 絞り:f16  シャッタースピード:オート +0.3EV補正 C-PL  フィルム:ベルビア50

 

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