PENSION くらんぼーんと、今回お話を伺った「くらんぼーん倶楽部」黒原範雄代表

グループ展に集合された
「くらんぼーん倶楽部」の皆さん

周りのペンションとの差別化を
”写真“で確立。


 カメラマンとして会社に勤めていましたが、家族と一緒に過ごす時間が欲しくて一大決心をしてペンション経営の世界に飛び込みました。裏磐梯でペンション”くらんぼーん“を始めて13年が経ちます。この名前は、私が大好きな宮沢賢治の作品『やまなし』冒頭に出てくる”クラムボン“からいただきました。
 最初の3年間はペンションの仕事を覚えるのに精一杯でしたが、やがて仕事にも慣れ、まず考えたことは、ペンションに何か個性を持たせたいということでした。私にできることと言えば、写真です。あらためて周りを見てみると、すごくいい風景があることに気が付きました。そこでペンションをPRしてくれるところに、写真撮影というテーマで特色を出していきたいことを相談したのですが、担当者は首を傾げていました。それが今では、私のペンションに泊まる方の90%以上は写真撮影が目的のお客様です。

身近なものを自分の眼で見て、
楽しく撮ることを指導。


 『くらんぼーん倶楽部』は全国各地に約200名の会員の方がいます。ペンションに泊まって撮影に行ったことが入会のきっかけになった方がほとんどです。皆さんからの要望もあり、写真塾は定期開催しています。さらに、裏磐梯以外での撮影ツアーも年に1〜2回実施しています。
 自分の身近なものを自分の眼で見て撮ること。人の真似ではなく自分の写真を撮ることを心がけるように、そして、楽しく写真を撮るように指導しています。身近なものといっても、裏磐梯に来て身近なものを撮るということではなく、皆さんそれぞれが地元のエリアで撮るのが一番だということ。やはり、自然風景写真を撮るには地元の人が有利だと思います。あまり難しく考えず、自分の気持ちが豊かになっていくようなものの見方や、撮影方法をするように提唱しています。
 また、先日フォトギャラリーキタムラで写真展を開催された丹地敏明先生とは「裏磐梯フォトフェスティバル」立ち上げ当初から、10年ほどの親交になります。丹地先生には「裏磐梯風景写真学校」の講師としてご参加いただいて、いつも大変お世話になっています。

裏磐梯はコンパクトなエリアの中に
自然風景の要素が全て揃っている。


 『くらんぼーん倶楽部』の写真展は、これまでも年に一回開催してきました。
 今回のグループ展は、私の撮影塾で撮った裏磐梯がテーマです。裏磐梯の四季の表情をさまざまな角度から表現しています。裏磐梯の魅力はコンパクトなエリアの中に自然風景の要素が全て凝縮されて揃っていることでしょうか。このような裏磐梯の撮影では、ポイントからポイントへの移動も少ない時間で済みます。
 そして、何と言っても裏磐梯は四季の変化がハッキリしていることも大きな魅力。全国的にみてもかなり恵まれている所だと思います。ペンションをやりながら写真の方もやっているので、忙しくて体がいくつあっても足りませんが、これからも積極的に写真と関わっていくつもりです。


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