Vol.42 2002 AUTUMN

季節の終焉である秋の輝きを自己表現としてとらえる。
 
異なる個性が集まることで、イベントとしての力が生まれる。
(上)【四万十川の朝】四国の名河川。四万十川の朝の風景である。川に架かる小さな沈下橋。沿岸の山腹には朝霧が漂っていて、河川の情感を一層引き立ててくれた。
■カメラ:ペンタックス645N2 レンズ:SMCペンタックス645 80-160mm F4.5 絞り:f16 AE-2/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:高知県西土佐村
―――今年の2月に竹内先生を含め、6人の方と「最後の清流 四万十川写真展」という、合同写真展を大阪で開かれましたが、そのきっかけはどのようなことでしょうか?
 この写真展は私自身が働きかけたのではなく、四万十川の地元である、高知県の中村市の要請で合同写真展を開催するにあたり、監修をしてほしいという申し出をいただいたのです。私は以前より四万十川に興味を持っていましたし、私の好きな川の一つでもあったので、監修だけにとどまらず、私もメンバーの一人になって、結局6人での合同写真展を開催することになりました。
 今回のメンバーは、全員がプロの写真家であり、四万十川というテーマでそれぞれが作品をつくり上げていきました。私も含め6人それぞれの個性があり、それを融合させていく面白さがありましたね。
 また、写真展と同じメンバーで写真集も出版しました。
(上)【若い夫婦】四万十川の若い川漁師の夫婦。この二人は仲むつまじく、二人の会話もほのぼのとした味わい。夕刻、魚を求めて出漁してい行った。
■カメラ:ペンタックス645N2 レンズ:SMCペンタックス645 300mm F4 絞り:f11 AE+1/3補正 フィルム:RDP-V PLフィルター・三脚使用 撮影地:高知県中村市

(上)【三本滝】紅葉だけが秋の被写体ではない。これは長野県の乗鞍高原の脇に落ちる名瀑。三本滝の秋の風景である。広角を使って、秋の雰囲気を捉えた。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:17-35mm F3.5G Sモード シャッタースピード:1/2 AE-1/3補正 フィルム:RVP PLフィルター・三脚使用 撮影地:長野県安曇村
―――竹内先生は「環境保護」「日本人の原風景」というテーマで活動されてきましたが、四万十川に興味があったということは、竹内先生のテーマに合ったということなのでしょうか?
 もちろんそれもありましたが、ご存知のように四万十川は日本において、非常に特異な河川です。それは、川そのものや流域の自然形態がダムなどの影響を受けずによく残されていて、川が風景と調和しているのです。
 このような四万十川の魅力を市民や地元で生きる人々に伝えていくことが、まず第一義ですが、より多くの人にアピールし、四万十川の現状をわかってもらうにはと考えたところ、それには写真で表現をするのが一番いいのではないかと思いました。


川というのは、その地域の生活・風土・風景と密接に関係しているので、テーマにとり上げやすいんです。
―――合同写真展を監修するにあたって、通常の写真展と違うところはどういう点でしょうか?
 今回は四万十川という一つの場所とテーマを決めて、複数の目で撮りつづけていくことで、テーマがより明確になったと思います。
 合同写真展では写真家ひとり一人の個性に合わせて、一つのテーマを、それぞれに得意の分野を割り当てて、お互いに足りない部分を補いながらつくり上げていきます。アマチュアの方も、このようなやり方をいろいろな地域で行うとおもしろいイベントになっていくのではないでしょうか。
 特に川というのはアマチュアの方にとってもテーマになりやすいんです。川は上流から下流まで一本の筋で、その流域においては、漁業・農業など川からの恩恵を受け、昔から人々の生活に密着してきました。風景ばかりでなく、様々な狙い方ができる被写体なのです。
 合同展において大切なことの一つに、テーマに基づいた全体の一貫性が必要だということです。その点が好きな写真を持ち寄った写真展とは異なるところですね。そこを注意しながら、アマチュアの方にもどんどん積極的に、チャレンジしてもらいたいと思います。
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