特集 よさこい祭り
ただの写真展では面白くない。
ちょっとした工夫で楽しくなるんです。

●さっそくですが、大山先生が写真を撮り出したのは、いつ頃からでしょうか?。

 郷里の熊本で、高校時代に好きな女の子がいまして、その娘を撮って写真をあげたのが最初です。不純な動機ですね(笑)。その後、東京に出て日大芸術学部に入学したのですが、学費を稼ぐために、スタジオでアルバイトをしました。そのまま写真を撮り続けているわけです。

●先生は写真家としてフリーランサーになられた後に、パリに行かれてますが、これはどのようなお考えだったのですか?

 カメラマンとして広告会社に勤めていたときに、仕事でヨーロッパの各地に行きました。4×5やエイト・バイ・テンで、カレンダーに使う風景写真などを撮っていたんです。重いエイト・バイ・テンを35mmの一眼レフカメラのように使っていました。1日に何十枚も撮っていたんです。

 そのときにパリはいいところだな、と思いました。ネクタイをしめずに仕事ができるような雰囲気がありました。ワインも飲めるし(笑)。それで会社を辞めてから、パリに行ったんです。

 当時のパリは、ちょうど日本人のファッション・デザイナーの三宅一生さんや山本寛斉さんの名前が出始めた頃。日本の新進デザイナーがパリコレをされていて、そうしたファッション写真を撮っていました。パパラッチもやりましたよ。吉永小百合さんが新婚旅行に来るという連絡を受けたので、空港で待っていました。それから、ずっと後を追っかけたんです(笑)。

●パリから帰ってこられた後、東京に事務所をかまえられたのですね?

 そうです。その当時は広告写真がほとんどで、時間を作っては自分の作品を写していました。

●それで「凝視」という写真展を開き始めるわけですね。先生はその後、毎年この「凝視」という写真展を開き続けておられますが、そもそも写真展を開き始めたきっかけといいますと、どのような理由からなのですか?

 写真展を開いた理由は、自分の名前を何とかみんなに知ってもらいたかったのと、自己主張もしたかったのです。そのためには写真展が一番いいと考えました。テーマも自分の自由になりますし、レイアウトも好きなようにできますし。最初の頃は借金をしてでも写真展を開いていました。
 今でも写真展を続けているのは、ちょうどファッション・デザイナーが毎年コレクションを開くように、今年の私はこういう写真でいきますよ、という発表をしていきたいからなんです。発表していない作品がたくさんありますので、機会があったら、いつでも写真展を開きたいですね。

ソフトレンズの効果が小樽の夜景を夢幻なものに変えて、異国的で情緒的な風景写真になりました。
■カメラ:ペンタックスMZ-3 レンズ:28mm(ソフトレンズ) 絞り:f4.0 シャッタースピード:1/30秒 フィルム:E200 撮影地:北海道小樽市
空もまた海の波と同じように、実に様々な姿を見せてくれます。
■ カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:17〜35mmF2.8 絞り:f8.0 シャッタースピード:オート フィルム:アスティア
これは仕事の合間に撮ったもの。どこでシャッターチャンスに出会うかわかりません。だから私はいつもカメラを持っています。
■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:200mm F1.8 2倍テレコンバージョンレンズ  絞り:f5.6  シャッタースピード:オート  フィルム:アスティア 撮影地:サイパン島
フランスのノルマンディ。モン・サン・ミシェルの叙情的な景観です。
■ カメラ:ペンタックスMZ-3 レンズ:28mm F2.8(ソフトレンズ) 絞り:f5.6  シャッタースピード:オート  フィルム:プロビア 撮影地:フランス ノルマンディ
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