フォトレッスン
様々なポーズやアングルで撮ってみよう

 和服撮影も正面向き、画面中央の構図ばかりでは、面白みのない写真になりがちです。基本のポーズをひととおりおさえたら、もっと自由な表現を狙って、様々なアングルやポーズにも挑戦してみたいものです。振り袖ならば、たもとを持って上に挙げてもらうのも良いでしょう。この場合、たもとが体から離れない程度にします。また振り袖を振って動きのあるポーズを決めるのもひとつの手です。後ろの締め帯を入れたり、きれいな襟足が写るように横顔をおさえる方法もあります。上半身、七分身、全身など構図もいろいろと考えられるので、ファインダーを覗きながら工夫してみてください。

人物と着物を浮き立たせるのがコツ

 ポートレート撮影では、レンズは35〜105mm のズームがあれば、大体の撮影をカバーできますが、可能な限り明るいレンズの方が有利です。F2以下の標準レンズも併用すると良いでしょう。明るいレンズがあれば、バックがうるさい時などは、開放にしてボカすことができます。

 基本的には人物と着物を浮き立たせるように撮影するのがコツですが、着物をより良く見せたい時には思いきって絞ると、細部までハッキリと描写されます。この場合は特に、背景が うるさくならないように注意してください。また、和服姿の撮影は動きが少ないので、シャッタースピードよりも絞り優先モードで撮影して、被写界深度を活かすことをおすすめします。ソフトフォーカスレンズを使う方法もありますが、そればかりでは和服の良さが際立たないので、適当に織り混ぜる程度にしましょう。さらに反逆光での撮影など、工夫しだいで様々な表現が可能ですので、この冬、ぜひ一度和服の撮影に挑んでみてください。

■写真提供:(株)田源