お正月や成人式に備え、 着物撮影のコツを会得しよう。
お正月の初詣や成人式など、冬は和服の女性を撮影する機会が多い時期です。和服を撮るということは、着物のもっている優雅さ、豪華さを表現することに加え、全体の姿もポイントになります。ポーズの取り方がよくないと、着物の雰囲気を壊してしまうことにもなりかねないので撮影者の配慮が必要です。
背景選びが重要なポイント
和服を撮るといっても、もちろん着物だけを写すわけではありません。基本は人物のポートレート撮影なので、背景が重要なポイントとなります。洋服姿であれば、バックがコンクリート塀であってもそれなりの状況を作れますが、和服の場合はやはりまわりの雰囲気作りが重要になってきます。正月であれば神社仏閣で、鳥居や和式の屋根をあしらうのもひとつの方法でしょう。
また着物の柄にもよりますが、樹木の緑色をバックにすると人物や着物が浮き立ってきます。しかし冬場は緑が少ない上、成人式などではそうした場所を探すのも大変なので、会場や家の玄関などで記念撮影として撮ることが多くなります。振り袖などは着物の柄自体が派手ですから、シンプルな背景を選ぶようにしてください。また明るいバックよりも、少し暗めの方が和服を一段と引き立たせます。
足のポーズは内股が基本
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両足は内股で、左右へわずかにずらす。
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手はエレガントなポーズを考慮して。 |
和服の撮影では、基本的に静的な雰囲気の描写を心がけます。特に全身撮影で最も注意すべきことは、足の位置。極端にする必要はありませんが、両足を着けた内股のポーズが基本です。これは立ち姿だけでなく、椅子に座った姿にもいえることです。また、両足のつま先が正面を向いていると、和服の場合、あまりサマになりません。イラストにあるように、内股にしながら左右どちらかの方向に足を振ると良いでしょう。さらに細かいことをいえば、つま先をキッチリ揃えずに前後させると、よりエレガントに見せることができます。最近の女性はあまり和服を着慣れていないので、こうしたことはカメラマンが注意してあげないと気がつかないものです。
一方、手の位置も意外と難しいものです。手を胸より上に挙げたり、左右にダラリと下げるのは良くありません。両手を前で組み、帯より下の位置に置くのが基本です。あるいは片方の手だけを帯留めの下か、帯の下くらいに置いても自然な形になります。座った姿でも手の位置は帯より下に置くようにしましょう。
また手提げなどの小物を持たせる時は、体につけている方が、しとやかさを表現できます。ファインダーを覗いて小物が体から離れていないかを注意してください。

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