【夕立去って(滴)】花びらに載った滴が、宝石の様な輝きを放っていた。
■カメラ:キヤノンEOS-D60 レンズ:タムロン90mmマクロ F2.8 絞り:f2.8 シャッタースピード:オート ホワイトバランス:太陽光 ISO100 三脚使用 RAWからTIFFに変換 撮影地:神奈川県横浜市 7月


【朝のひと時(アザミとマルハナバチ)】朝の高原でアザミに入れ替わり立ち代り訪れるハチ。タイミングを計り、シャッターを切った。
■カメラ:キヤノンEOS-D60 レンズ:EF70-200mm F2.8L 絞り:f2.8 シャッタースピード:オート(+1EV) ホワイトバランス:太陽光 ISO100 オリジナルリングボケフィルター使用 三脚使用 RAWからTIFFに変換 撮影地:山梨県甘利山 8月


【輝く季節の中で(ハナショウブ)】午後になるとハナショウブは萎れてしまう。朝の一番美しい時間に狙おう!
■キヤノン:EOS-20D レンズ:タムロン180mmマクロ F3.5Di f3.5
シャッタースピード:オート(+0.3EV) ホワイトバランス:太陽光 ISO100
オリジナルリングボケフィルター使用 三脚使用 RAWからTIFFに変換
撮影地:東京都町田市薬師池公園 6月


【夏休みの絵日記(ヒマワリ)】小学生の夏休みの絵日記で描いたような、なつかしい光景だった。
■カメラ:キヤノンEOS-D60 レンズ:EF70-200mm F2.8L 絞り:f2.8 シャッタースピード:オート
(+1EV)ホワイトバランス:太陽光 ISO100 オリジナルリングボケフィルター使用 三脚使用 RAWからTIFFに変換 撮影地:山梨県忍野村内野 8月

ネイチャー写真の世界で勝負がしたくて、思い切ってフリーの道へ。

 結婚式場には10年以上勤めた石井さんですが、日を重ねるごとにネイチャー写真の世界でやってみたいという思いが強くなっていきました。
 「思い切って2000年の春に退職して、フリーの写真家としてやっていくことにしました」。
 しかし最初の2年間は思うように仕事が無かったそうです。2002年を迎え、これからの活動について悩んでいたところ、石井さんが思いついたのは、写真展を開催することでした。いろいろと調べてゆく中で、メーカーのギャラリーで開催するには審査があることを知った石井さん。そこで2ヵ所に申請すれば、どちらかひとつはパスするのではと思い、キヤノンとオリンパスに出すことにしたそうです。その結果は2つとも見事にパス。1年間に2回写真展を開催することになりました。そして、その時に知り合った方々が、その後の石井さんの活躍に大きな役割を果たしてくれたのです。
 「中でも驚いたのが『写真の講師をやりませんか?』と声をかけてきた方がいたことです。当然講師の経験はありませんでしたし、もともと人前で話をすることは得意ではなかったのですが、実際にやってみたら、皆さんからわかりやすいと言っていただき、嬉しかったです。いまでは7〜8ヶ所の教室で講師をするようになりました」。

足元の小さな自然にターゲットを絞り、
マクロレンズならではの表現を極めたい。


 「私が皆さんに教えているのは、身近なところでもいろいろな写真が撮れるということです。花の写真を撮るときでも、図鑑的な写真ではなく、“絵や音楽のように表現する”ことを教えています」。
 ちょっとした草原でも、注意して観察してみると被写体は無限にあるとおっしゃる石井さん。
 「気が付くか付かないかの違いだけです。私がこだわっているのが“足元の自然”。普段は何気なく見逃している小さな草花にターゲットを絞っています。それと童心を忘れないことも大切です。先入観でものを見てもなかなか面白い発見はできませんから。自然を楽しんでいた子どもの頃の気持ちを思い出して目線を下げると、上から見下ろすだけでは見つけることができないものが見えてきます。私自身が寝転がりながら撮ることもあります。もちろんそのような時は三脚を使わずに、地面に直接カメラを置いて撮ります」。
 石井さんは自宅から近い横浜市緑区にある、“新治市民の森”に10年近く通っています。そこはいくつもの谷と田畑、雑木林で構成された里山。森の中には農家が点在していて、石井さんは今では農家の方とも顔なじみだそうです。
 「ここは“横浜の原風景”です。写真を撮っていると、ここが横浜市内であることを忘れてしまいます。不思議なことに、毎回新たな発見があって、ますます魅力的な場所になっています。アマチュアの方は近くの里山でも結構ですので、撮影場所を1ヵ所に決めて写真を撮り続けることも面白いことだと思います。それに遠くまで出かけて移動に時間をかけるよりも、撮影自体に時間をかけた方がいいと思います」。
 最後に石井さんからとっておきのアドバイスをいただきました。
 「なるべく逆光線で見ると面白いものを見つけやすくなります。私はいつも太陽に向かって歩いています。そうすると、花びらや葉が透けてきれいに見えるんです。皆さんも里山を歩く時には、ぜひ試していただきたいと思います」。
 マクロレンズを使った写真を広めて、ご自分の経験に裏づけされた撮影テクニックに関する本の出版と、海外での写真展開催が目標と語られた石井さん。今後の活躍が楽しみです。

PROFILE 
いしい よしちか
1967年神奈川県横浜市生まれ。1989年東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)商業写真科卒業。2000年 写真館勤務を経て自然写真家として独立。フリーランスの自然写真家として活動を始める。ホームページ「石井孝親のネイチャーフォト」を開設。
http://www2.ttcn.ne.jp/~naturephoto/
1995年11月東京銀座の富士フォトサロンにて個展「四季の贈り物」を開催。2002年3月東京銀座のキヤノンサロンにて「四季のファンタジー」を開催。2002年9月東京神田のオリンパスギャラリーにて「横浜の原風景・新治の四季」を開催。2003年1月幕張・キヤノンワンダーミュージアムにて「四季のファンタジー」を開催。2003年7月優美レンタル・フォトギャラリーにて「四季のファンタジー」開催。2005年4月日本カメラ社より初の写真集「光と風のシンフォニー」を出版。日本自然科学写真協会(SSP)会員・日本広告写真家協会(APA)会員。横浜市市民講座講師・(株)カルチャー講師。現在、写真専門誌、講師などで活躍中。

石井孝親さんが講師を務める写真教室
受講者随時募集中
■ヨークカルチャーセンター茅ヶ崎
第2・4(金) 10:00〜12:00
神奈川県茅ヶ崎市新栄町12-12
茅ヶ崎トラストビル3F
TEL.(0467)58-1010
■厚木カルチャーセンター
第2・4(火) 13:30〜15:30
神奈川県厚木市中町1-5-10
厚木サティ7F  
TEL.(046)223-7351
■綱島カルチャーセンター
第1・3(土) 10:00〜12:00
神奈川県横浜市港北区綱島2-6-17
黒川ビルモールリマーク2階
TEL.(045)549-5411
■古淵・ジャスコ店・ 相模原カルチャーセンター
第2・4(日) 10:00〜12:00
神奈川県相模原市古淵2-10-1 ジャスコ3F
TEL.(042)776-3011



石井孝親 自然写真作品集


「光と風のシンフォニー」
255×245mm 96ページ 
定価2,940円(税込み)

 

〈お問い合わせ先〉
株式会社日本カメラ社 TEL.03-3666-4321

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