まじめなポートレート講座
第二回

■ポートレートの三脚の雲台はスリーウエイ
 そんな三流プロのいうことは無視して、アマチュアは写真芸術家にならねばイケナイから、しっかり撮る方法を学ぼう。85ミリF1.4クラスの大口径レンズでピンボケになりやすいのは、微妙な体の揺れが、自分自身とモデルにもある。それ故撮る瞬間にお互いが離れてしまうと、けっこうひどいピンボケになってしまうのだ。そのピンボケを防ぐためには、微動だにしない強靱な体力を築き上げる方法もあるが、実際にはかなり不可能なので、ピント合わせのために三脚を使うことが重要なテクニックなのだ。

 サンダーはほとんどの撮影で三脚を使うから、三脚を使うことに抵抗はないが、アマチュアは三脚を使うことになれていないから、三脚というとアレルギーとなっている人が多い。三脚アレルギーを解決するには、ひたすら三脚になれるしか方法はないが、三脚を使うといっても風景撮影の三脚の使い方とポートレートの三脚の使い方はちょっと違ってくる。

 サンダーがメインで使う三脚はクイックセットのハスキーという三脚で、三段伸ばしの三脚だが、2段伸ばして、エレベーターを最高まで伸ばすと目高までは撮影が可能になる。風景ではエレベーターはめいっぱい伸ばしてはイケナイということになっているが、ポートレートのために三脚を使うのはブレを防ぐためではなく、ピンボケを防ぐためだから、エレベーターはめいっぱい活用したいのだ。そしてこのハスキー三脚は国産の三脚よりもエレベーターが長いので、カメラアングルの選択の範囲が広い。これはポートレート撮影用の三脚としてはとても便利なのだ。
このレンズは特殊な焦点距離だが使い勝手は85ミリとほとんど変わらない。質感の高いレンズだ。ポートレートではできるだけ直射光は避けたいので、どうしても日陰での撮影が多くなる。そうすると大口径レンズがどうしても必要となるのだ。
■カメラ:ペンタックスLX レンズ:77mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/125秒
 それから三脚の雲台のねじはあまり締め込まず、グラグラさせておくことがポイントである。風景撮影ならしっかり締め付けておくことが大切だが、ポートレートではモデルの動きに合わせてフレーミングを変えなければならないから、あくまでも手持ちで使う感覚で三脚を使うことが大切なのだ。

 また、三脚の雲台のねじは2方向はゆるめておき、一方向はしっかり締めておくこともポイントだ。雲台はスリーウエイと自由雲台があるがポートレートには自由雲台は向かず、スリーウエイがいい。なぜなら自由雲台ではねじをゆるめてしまうとすべての方向がグラグラになってしまうから、とても扱いにくくなってしまうのだ。AFカメラでAFロックをするときにも、この三脚の使い方は応用できるから、この三脚の使い方はお勧めである。

 またスローシャッターを切るときは、しっかり構える気持ちで使えば、1/8秒ぐらいまではこの方法で使えるから練習したいところだ。それよりもスローになると、モデルが止まっていられなくなるからあまり意味はなくなる。とにかくこの方法で三脚を利用するときは、体重をしっかりかけ、手持ちでカメラを使う感覚が大切なのだ。そしてこうやって撮影すれば、85ミリF1.4レンズでも、しっかりピントを合わせることが可能になるのだ。

(続)

三脚を使うとどうしても思うようなフレーミングが出来ないという人が多いが、それは三脚を使い慣れていないだけ。手持ちと同じ感覚で三脚を使えるように訓練しよう。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:85mm F1.4 絞り: F2 シャッタースピード:1/500秒
 
 
 
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