撮影便利メモ

海の朝焼けや夕焼けを撮影するには。

フィルター未使用

ケンコー レッドエンハンサーフィルター使用

 海の朝焼けや夕焼けは絵になる景色ですし、画面の中で、海の向こうに大きく浮かんだ朝陽や夕陽の太陽の写真を、どなたでも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、35ミリフィルムに写る太陽の大きさは、100ミリレンズで約1ミリ、500ミリレンズを使用した場合でも、5ミリ程度しかありません。これ以上大きな太陽を写す場合には、相当な超望遠レンズが必要になります。

 また、朝夕の空が全体的に赤い時には自動露出で撮影しても、見た目に近い写真が得られますが、太陽の光が強い時には露出不足になりやすいので、プラス側に補正するとよいでしょう。

海の撮影には、これがあると便利です。

 海の撮影では逆光・朝焼け・夕焼けと、太陽に目を向けることも多くなりますので、目を保護するためにもサングラスを忘れずに持参しましょう。また、水面の反射を抑えるPLフィルターはぜひ持っていってください。また朝焼けや夕焼けでは、フィルターを利用して演出するのもよいかと思います。

 日中の逆光、反逆光の撮影で、影を抑えるためにストロボを利用することを日中シンクロといいますが、海辺の強い日差しの下では特に影が強くなりますので、ストロボも忘れないようにしましょう。

 また、海で撮影をするのですから、防水カメラを一台持っていき、水中写真にチャレンジされてはいかがでしょうか。撮影領域が大きく広がるうえに、きっと新しい写真の面白さに出逢えることと思います。

メンテナンスも忘れずに。

 海では潮風や砂の対策も忘れないようにしてください。カメラレインコート、防水性のバッグは必需品です。もしもカメラレインコートがないときに、波際で撮影しなければならなくなったら、カメラをタオルで巻き、レンズとファインダーのみ露出させて撮るようにします。

 万一カメラに波の飛沫がかかってしまった場合には、すぐに半渇きの布でふき取り、さらに乾いた吸収性の高いタオルなどで水分をふき取ります。その後に早い時期にサービスセンターに持っていって、点検してもらうようにしましょう。

 海での撮影を終えた後は、カメラのメンテナンスを忘れずに行いましょう。一眼レフは最初レンズを外さずに、エアーダスターなどで表面についた砂を丁寧に吹き飛ばした後、マウント部分を掃除しますが、くれぐれも砂がカメラ内部に入らないよう注意しましょう。細かな砂粒がレンズの表面につける傷は、二度と修復できません。決してこすらないようにしてください。


 潮風や砂のある海辺はカメラには過酷な環境です。しかし、わたしたちに夏をこれほど感じさせてくれる場所もありません。対策とメンテナンスに十分に注意して、水平線を相手にファインダーを覗いてみてください。きっと、素敵な夏の風景が、レンズ越しに待っていることでしょう。