撮影時にいくらキレイな花火が撮れたとしても、いくつもの種類の花火が開いた瞬間を1枚の写真に収めるのは、なかなか容易ではありません。
今回は、単発の花火を撮るだけ撮り、あとはパソコン上で1枚の写真に合成する方法をご紹介しましょう。
【今回使用したソフト】 PhotoshopElements(TM) アドビシステムズ



まず、ベース(背景)となる写真を1枚選びます。
そして、その上に重ねて合成するための写真を数枚ピックアップします。
合成用の画像は、花火の部分だけ切り抜いて重ねるので、花火がキレイに開いた瞬間のものやバリエーションに富んだ花火の写真が良いでしょう。
逆に、ベースにする画像は、周囲の状況がきちんと写っているものがオススメです。


つぎに、合成用の画像を必要な部分だけ切り抜きます。通常これを「トリミング」といい、フィルム写真のプリントでも、不用意に写りこんでしまった部分や余白をカットする場合に使われます。
■操作方法
矩形で範囲を選択した後、メニューバーの「イメージ」-「切り抜き」を実行します。これを他の合成用画像にも行います。



さて、合成用画像のトリミング処理を終えたら(→左図)、今度はベース用画像の上にドラッグ移動で適当に配置します(→右図)。

複数の画像を重ねる際、基準にする部分が隠れて操作しにくいときは、重なっているレイヤー(画像)の透明度を一時的に下げると、操作しやすくなりますよ。

■レイアウト時のポイント
水平線、垂直線など基準となるラインを決めて、そこに合わせるように各画像を重ねていくと、同じ場所から同時に打ち上げられた花火のようになりますよ。


最後に、レイヤーの重なり方を変更します。
このままでは、下のレイヤーが手前のレイヤーに隠れてしまうため、各レイヤーの余白を透明にして重ねる必要があります。
■操作方法
レイヤーパレット上で、ベース画像の上に重ねたレイヤーを選択します。
そして、描画モードの選択ボタンをクリックして、ポップアップ表示される選択肢の中から「比較(明)」、または「差の絶対値」を選びます(どちらでもより自然なイメージになる方を選んでください)。
すると、花火の明るい光の部分だけが描写され、暗い部分は透明化されます。この操作を、重なり合うほかのレイヤー(ベース画像はそのまま)にも行います。
※左のレイヤーパレットのサンプル図をご参照ください。


そして、そのままJPEG形式で保存すれば、レイヤーは自動的にひとつに統合されます。
→ファイル保存について
このように、同じ場所で複数の花火を撮影しておくと、あとでパソコン上でカンタンに合成できるので、花火写真の活用術としては定番です。
今夏、花火大会に出かける予定のある人は、ぜひデジカメ写真を撮って、この合成術を試してみてくださいね。


最後は、お好みで別の写真素材を合成して楽しんでみてはいかがでしょう?
Section5の花火合成で作業は完結しますが、せっかくですから、少々現実ばなれした合成写真にしてユーモアを添えてみるのもひとつの方法です。
ここでは、過去に撮りためた写真の中から、猫の写真をピックアップして切り抜いて合成し、花火大会の観客に仕立ててみました。
こんなふうに、花火以外の写真を使って演出すれば、レタッチのオモシロさも倍増です。
ぜひ、あなたも試してみてくださいね。



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