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審査員 竹内敏信氏
たけうちとしのぶ/1943年愛知県生まれ。名城大学理工学部卒。愛知県庁勤務の後、フリーとなる。風景写真の第一人者として最も人気が高く、多くの写真コンテストの審査委員を務める。写真展、講演会など多数。

 



桜の写真が多く集まると思っていましたが、桜以外にも春の季節を伝えるためのいい写真がたくさんあり、いろいろな角度から撮った春の風景が集まりました。キタムラのフォトコンテストの応募者は風景写真に長けていて、風景写真の力はかなり高いレベルです。春イコール桜になりがちですが、歳時記をちょっとひも解いてみても、昔から春の季節をとても細やかに観察をしています。それらを写真に置き換えてみると豊かな表現が生まれます。日本人が伝統的に持っている歳時記の発想が写真表現にも結びついていると思います。だから日本人の風景表現は世界的にみても高いレベルに到達しています。

カメラ:キヤノンEOS-5D 
レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L

グランプリ寸評
杉木立の間に桜が5本位咲いていて、桜の存在感と青々とした杉木立の深まりの中に、季節の移行が感じられます。桜が二つの杉木立の間にあるということは、多分境界線だと思います。桜は春になると一斉に咲いて境界を伝えるという森の営みの様子が静かに美しく語られています。グランプリにふさわしい作品だと思いました。



今回初めて「自由」テーマの部ができました。しかし、応募者側に戸惑いがあったようです。「自由」の部の中に桜の写真や風景写真を送ってきた方もいましたが、それは応募者の解釈なので応募者の意思を尊重しました。新しく設けられた「自由」の部はバラエティに富んでいました。“春イコール桜”にとらわれることなく、自由に撮ったのがよかったと思います。様々な被写体をもっともっと自由な発想で撮影して欲しいと思います。風景との差別化を意識したので、どうしても人間が写し込まれているものが多くなり、今回は人間や動物の面白い仕草を撮ったものが上位に入りました。

カメラ:キヤノンEOS-20D 
レンズ:28-135mm

グランプリ寸評
チアガールが大空高く持ち上げられて、大胆に脚を大きく開いている様子が縦位置の画面の中にきちっと収まり、面白い効果が生まれました。下側にいる5人の女の子と、飛び上がっている女の子の対比が極めて美しく表現されています。空の青空と背景が海なのも効いています。明るく伸びやかなで、グランプリにふさわしい作品だと思いました。

今までの図鑑的な写真から脱皮して、“いきもの”の日常を撮っている作品が目に付きました。昆虫写真も空中でホバーリングしているところや、蝶が蜜を吸っているところなど、生命力を感じる動きのある一瞬をとらえています。皆さんよく被写体を研究されています。偶然ではなく計算されたことを感じます。
審査員 増田勝正氏
ますだ かつまさ/1945年東京都出身。
愛犬雑誌のカメラマンを経て現在フリーの動物カメラマン。アイメイト(盲導犬)のボランティア活動にも参加し、自ら犬、猫の繁殖・育成にかかわっている。
カメラ:ニコンD2X 
レンズ:シグマ500mm F4.5 APO
グランプリ寸評
地道にファインダーを覗いていないと撮れない写真です。自分と被写体との戦いです。つかまえた魚も見えていて、親子の関係も良くわかります。人間社会に置き換えてもいいようなすごくいい写真です。鳥を撮った写真がグランプリになったのは初めてのことです。
春なので屋外で撮影された作品が多く集まりました。みんな部屋から外に出て新鮮な気持ちになるようです。被写体としてはしゃぼん玉や桜・菜の花・イチゴ狩りなどをバックにしたものなど、春らしくてカラフルな作品が数多くありました。レベルも高く、ただの記念写真ではなく、笑いを誘うようなこどもの生き生きした瞬間の表情を大変うまく捉えています。
審査員 沼田早苗氏
ぬまたさなえ/1968年大竹省二氏に師事。1978年フリーの写真家となり商業写真、取材写真を手がけ、ライフワークとして著名な男性のポートレイトを撮影。写真展には「私の写交録」「みんな・みんな・蒼き狼」「もう一人の日本人」などがある。
カメラ:キヤノンEOS-1DS
レンズ:70〜200mm
グランプリ寸評
とても柔らかな春の光と風を感じる作品です。しゃぼん玉の七色が、半逆光の中できれいに出ています。こどもの表情も、しゃぼん玉に対して興味ある様子がとてもうまく表現されています。バックの処理も大変上手で、軽やかで爽やかな作品です。
春の季節はどうしても桜をはじめとして花の作品が目立ちます。花はそれだけできれいなので、写真で表現するのはなかなか難しい被写体です。花は見た目の美しさ以上に美しく映っていないと、いい写真にはならないものです。それ故に春という季節は一番難しい季節かも知れません。
審査員 サンダー平山氏
サンダーひらやま/1956年千葉県出身。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。CMカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。

カメラ:ニコンクールピクス885
グランプリ寸評
写っているのは人形ですが、人を相手に撮っているのと変わらない目線で撮っています。撮っている人の執念、プラス人形作家の執念が写真に出ていて、すごい力を持った写真になりました。写真の魅力は撮る人の力だけではなく、被写体自体の魅力が必要です。


※敬称は略させていただきました。
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各種グランプリ



※腕だめし部門
テーマ1 いきもの:特選/準特選/入選
テーマ2 こども&赤ちゃん:特選/準特選/入選
テーマ3 自由:特選準特選入選
テーマ1 いきもの:佳作/キタムラ・マリオ賞
テーマ2 こども&赤ちゃん:佳作/キタムラ・マリオ賞
テーマ3 自由:佳作/キタムラ・マリオ賞

※腕自慢部門  

テーマ1 春の風景:特選/準特選/入選/キタムラ・マリオ賞
テーマ2 自由:特選/準特選/入選/キタムラ・マリオ賞