[Vol.327]クラシックカメラ話「シュタインハイル カスカ」│種清豊のフォトコラム|カメラのキタムラ
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2017.06.23【Vol.327】

クラシックカメラ話「シュタインハイル カスカ」

カスカ(CASCA)

今回ご紹介のカスカ(CASCA)は、ドイツミュンヘンにあったシュタインハイル社が発売した35mmカメラです。メッキ部分がスレているものも多く、なかなか綺麗な個体には遭遇できませんが、独特の形状と生産数の少なさから意外と人気のあるカメラです。

カスカは1型と2型が販売されました。1型2型共に1949年の発売ですが(資料によっては1948年とするものもあります。2型は1949年の9月ごろ)まだドイツが戦後の立て直しを始めた時期です。この辺りは日本も同じで輸出用を含めた平和産業として戦後、カメラ製造が盛んになっていきます。

カスカは発売から遡ること5年1944年ごろより開発が計画されていたとされます。結局は戦争末期の混乱もあったのでしょう。発売は先に述べたように戦後になってからです。計画では1型から3型までのバリエーションがあったようで、3型に至っては露出計を内蔵し自動巻き上げ装置を取り付ける仕様とされたようです。

写真にあるカスカ1型の大きな特徴としてはシャッター速度の設定を背面のスライダーで調節することです。まるで距離スケールのような細長い金属バーを左右にスライドさせてシャッターを調節します。当時のフォーカルプレーンシャッター機にみられるダイヤルはないので軍艦部がすっきりしています。また、ボディー前面に配置された円筒はレンズのピントリングを回転させるギアが収納されています。交換レンズはバヨネット式で着脱可能です。1型と2型はほとんど同時にリリースされたのですが、交換レンズには互換性がない点がちょっと不思議です。2型になると距離計連動となり、ピントリングのギアも廃され、スローシャッターが搭載されて幾分使いやすくはなったようでが、平べったい形状は決して持ちやすくはなく、カメラとしてはあまり成功した部類とはいえず、販売数も伸びずいつしか消えていってしまいました。

特徴的な形状で当時としてもかなり斬新なデザインとアイデア、機構が備わったカメラと言えるカスカですが、少々造りが凝り過ぎたのか、写真を撮る道具としてはあまり歓迎されなかったのかもしれません。


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