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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2015.05.22【Vol.219】

クラシックカメラ話 キヤノン New F-1

キヤノン New F-1

今回ご紹介のカメラは1981年に発売されたキヤノンNew F-1です。1971年に発売されたフラッグシップ一眼レフF-1の後継機種として、「10年間は不変」という約束を守った上に登場したNew F-1。操作系はF-1を踏襲しつつ、露出計用受光素子をCdSからSPC素子に変更、スクリーン交換による測光分布域の変更(スポット、部分、中央重点平均)が可能になるなど、13タイプ32種のスクリーンが用意されました。ファインダーはF-1同様に交換式ファインダーを採用。視野率97パーセント、ファインダー倍率0.8倍の標準ファインダーのほかにAEファインダー、垂直ルーペ式のファインダー、スピードファインダーなども用意され、モータードライブやワインダーといった連写装置など専用アクセサリーを拡充することで、フラッグシップシステムカメラとしてF-1を引き継ぎました。

しかし、発売から6年後にはEOSシステムが発売され、キヤノン一眼レフカメラは従来のFDマウント交換レンズ群とはまったく異なるEFマウント仕様になり、完全電子化されたカメラが続々と投入されます。当初はAEやAFではなくマニュアルでの露出及びピント合わせこそ・・・などと叫ばれていましたが、次第に電子制御のカメラのAF、AEが正確で素早くなり、フルマニュアルカメラであるNew F-1は1996年に販売終了となりました。

ジャリジャリという独特の感触を持つ巻き上げレバー、明るさはもとより、ピントの山が非常に掴みやすいファインダースクリーンなど、使うたびに愛着の沸いてくるカメラの一つです。マニュアルカメラであるため、デジタルカメラのようなボタン類はなく、当時のフラッグシップ機だけあって使いやすさは抜群です。発売から30年以上を経た所有する一台は今のところ不具合もなく動いています。電池がなくても動く機械制御の1/2000~1/90までのハイブリッドシャッターも正確。AEファインダー付きで絞り優先AEが可能で、露出計も正確です。この先、登場することがないであろうフィルム一眼レフカメラ。僕と同級生ということもあり、愛着がある80年代を代表する一台を紹介いたしました。


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